夏日

夏日。暑くて目がさめる。

睡眠不足の身体が水を求める。鎮痛剤を飲む。窓の向こうには雲ひとつない夏空。

少し前の夢をみた。少し前と言っても6年とか7年も前。ボクがタクシー運転手になったころの夢。そういえばもうそんなに時間が過ぎてしまったのだね。桃栗三年柿八年達磨は九年でオレは一生・・・。

ひとりタクシー運転手ごっこ – 道中の点検

タクシー物語 – 道中の点検

東海交通さんの募集広告に「タクシー運転手は自分の時間が有効に使える職業なんです」とあるけれど、一応雇用されている会社員なので、勤務中は自分の時間ってものはないと思ったほうが良い。確かに一般の勤め人よりは「有効に使える」かもしれないけれど、自由ではない。

それよりかボクには「タクシー運転手は自分の空間が有効に使える職業なんです」と思ったりする。だって、ほとんど独りだし。実車時間(お客様が乗車している時間)ってのは、せいぜい一日2時間とか3時間だし。だから、たとえばコミュニケーションがうまく出来ない人も(これは接客業にとっては致命的であるとしても)、そんなに問題にならない。ホストでも営業でもないので、そんなにしゃべらなくても大丈夫。

たぶん、車内空間ってのは思索するにはちょうどいい広さなのかもしれない。いろいろ考えすぎる人も多いのだけれど・・・。

ボクでもできたのだから、きっとみんなの大丈夫だと思うのだ。そうそう、どうしようか悩んでいる人。

とにかく、「がんばったねオレ」なんて、これまた茶室ほどの広さのアパートで思っている。そう思ったら、少し元気になった。ひとりタクシー運転者ごっこをしていたオジサンは、今日もタクシー運転手なのだよ。

さらに悩んで、ひとりタクシー運転手ごっこを始めた。あらかじめ目的地を決めて、そこに自転車で行くというものだ。駅前を出発して駅前に戻ってくる。とりあえず目的地を小学校にした。アイウエオ順に、例えば「駅前〜(ア)小学校〜駅前帰社」「駅前〜(イ)小学校〜駅前」といった感じだ。2校で2時間なんてこともあって、金曜日は疲れ果てた。土曜日は虚しくなった。夕方、駅から5キロほど離れた小さな小学校からの帰り道に、泣き出しそうになった。「なにしてんだろうね」なんて思った。そしてここに住んでいることを怨んだりもした。そうしたらもう終わりがなくなってきて「どうして生まれてきたんだろうね」なんて考え始めて、どうしようもなくなった。
それでも晴れたら今日もひとりタクシー運転手ごっこをしようと思っているんだ。

 

車窓から 遠く半島

それでもいつも「辞めたい」なんて気持ちと隣りあわせだったりするんだけれど・・・。

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