ルールと公共性 豊橋駅で乗車拒否
ルールと公共性について、公共性を担保するためにもルールは必要なはずだと思っていたんです。それがまさか、ルールと公共性が需要と供給に、いえ、公共交通機関であるタクシー事業者の利益のために、かんたんに反故にされるとは…。それも、公共の場、公共の目前で、です。
さて、問題は7月22日の豊橋駅から始まります…




この画像は当日の豊橋駅タクシー乗り場です。上の画像ではスタータクシーが、下は遠鉄タクシーが待機しています。さらに、下の写真では、東海交通と遠鉄タクシーの管理者だろう人が利用者に案内をしています。
営業区域外のタクシーが駅の乗り場で待機していることについて
- 非常時なので許される
- 駅の乗り場は問題だろ
- 乗車拒否を引き起こすので違法行為
ルールよりも天の声
- ポーター(ディスパッチャー)がいるからOK
- ポーターは東海交通の人だから=青木社長=愛知県タクシー協会会長だからOK
- 浜松と豊橋のタクシー協会で話がついているのでOK
勝手に並んでいるとしたら
- しかたないだろう
- もっとダメ
などが考えられます。今回、ポーターの隣に遠鉄タクシーの管理者がいたので、1bcⅰになるのでしょうか?つまり、タクシー協会会長が認め、協会同士の同意も得られており、この非常時にはルール無視も仕方ないのでしょうか?
それにしても、地元のタクシー会社や運転手が知らなかったことも仕方ないのでしょうか?
営業区域外のタクシーが並んだ理由
新幹線保守用車両の脱線による、東海道新幹線は名古屋浜松間での運行休止だったため、その区間を在来線を使って移動しようとする人が、豊橋駅、浜松駅に殺到しました。そのため、7月22日の豊橋駅はたいへん混雑したのです。
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そして、乗車まで2時間以上の待ちや、駅への入場制限まで起きるような事態になりました。そのため、タクシーで移動しようとする人が多くいました。そうなるとタクシー乗り場もたいへん混雑することになりました。
タクシー乗り場で起きたこと
そして、冒頭の「事件」が起きたのです。通常では次のような解釈をします。
- 浜松のタクシー(遠鉄タクシー、スタータクシー)のチャブリ行為
- aからの乗車拒否案件(浜松行きという長距離客を選択し、短距離客を乗車拒否する)
- ルール、マナー違反(そもそもの話)
また、駅構内のルールは以下の通りです。
- 豊橋タクシー協会所属車両
- 協会所属かつ入構料を支払っている車両
- 構内入場許可証を掲示している車両
つまり、豊橋駅のタクシー乗り場に遠鉄タクシーやスタータクシーが待機するのは、許されない行為です。そして、もし見つかれば叩き出されるはずです。
*「チャブリ」とはタクシー用後で、乗客の選別です。近距離利用者を断り、長距離客を選ぶ行為です。つまり乗車拒否を伴うということです)
ルールと公共性
ただ、今回は特異なケースでした。そして大量の需要の増加と供給不足が起きました。
- 移動できない人が大量に発生したので
- 営業区域外車両の待機させ違法行為ルール違反マナー違反を犯した
- さらに相乗りへ誘導し違法行為を重ねた
という方法で供給量を増やす方策が取らました。
ルールと法整備
ただ、公共性のためにはルールを破るのなら、それにも手段や方法、つまりルールが必要ではないのでしょうか?恣意的にルールを破ることができるのなら、それはすでにルールではありません。それに今回は乗車拒否という道路運送法違反です。
今回の違法行為やルール破りは
- 誰が
- いつ
- どこで
- どのように
決めたのか、という大きな問題を抱えています。
さらに、各社、各運転手に周知していませんでした。ポーターの独断にしろ青木会長の独断にしろ、これは問題ではありませんか?
目的が公共性のためだとは言え、意図も簡単にルールを破ることで、地元の利用者の公共性が毀損されたということについて、どう向き合うのでしょう。
少なくとも、駅のタクシー乗り場は、道路運送法第十四条は死守すべきなんです。「輸送の効率」を言い始めると、勝手な解釈による「効率化」が行われます。効率化は乗車拒否と表裏一体です。だから運転手による乗車拒否は厳しく禁止されているのです。
独断と独善
今回の事件は、東海交通なら、青木社長なら何をやっても良いのか、ということです。
せめて全員への周知は必要だったのではないでしょうか?その時間はあったはずです。東海交通だけが知っていて、他の事業者が知らないなんて許されるんですか?こんなことが続くと、みんな好き勝手にしますよ。「効率化」という「乗車拒否」は恣意的に行われても良いんですよね?
特需ライドシェア
まあ、それよりも、特需ライドシェアなんて意見が出そうです。全国自治体ライドシェア連絡協議会(全自連)が国交省に出動依頼するような方法になるかもしれません。そうなると、タクシーを含めたライドシェア車両が一気に豊橋駅や浜松駅に集結して往復で運行する。
特需型ライドシェアは「相乗り」も可能になるでしょう。ルールと公共性ではなく、ルールよりも公共性となっては、その公共性という解釈に恣意性を持たすようになります。例えば、長距離の人の方が困窮度が高く、その人の移動を助けることこそ公共だ、効率的な運行にも合致する、ってことでチャブリが許されるようになりそうな、予感がします。
そんなことを考えると、今回の事件がタクシーの終わりの始まりなのです。こんな勝手なことができるのなら、チャブリ、乗車拒否、割戻り、エントツ、そして白タク、なんでも出来るのではないのでしょうか?ねえ、青木さん?

