タクシーは公共交通ですか?

タクシーは公共交通なんでしょうか?

でも、公共交通を騙って補助金を受け取っているだけじゃないんですか?……なんて、タクシーの公共性について考えてみます。

これくらいなら歩けというタクドラ

ぽんこつちゃん😈🎀 (@xxxp_qxxx66) on X徒歩10分の距離をタクシー呼んだら怒られた😭😭めっちゃため息吐かれて、 🚕あのさ、お嬢さん、これくらいなら歩きなよ…👩🏻いや雨降ってたんで濡れたくなくて…すみません!🚕これね、お嬢さんが乗らないと距離わからないんだよ。僕ね、さっき駅の反対側にいて呼ばれたからここまで10分かけてき
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徒歩10分の距離をタクシー呼んだら怒られた

「めっちゃため息吐かれて」「あのさ、お嬢さん、これくらいなら歩きなよ…」

雨の日に乗車した女性がタクシー運転手に言われたそうです。「歩けよ」と、運転手なら一度や二度は思ったことがあるでしょう。でも、本当に言う人もいるんですね…。

大きい荷物

この「近い距離」の問題は、昔からあるんです。例えば、吉行淳之介さんのエッセイに『大きい荷物』というのがあります。そこにも書かれています。

車のシートに腰をおろし、

「近くて悪いけど」

と、声をかけておいた。

虎ノ門の交叉点の信号で停まったとき、

「あーあ」

と、運転手が腹の底から絞り出すような溜息をついた。

さすがに、「おじさん、これくらいなら歩きなよ」とは言われなかったようですが、「あーあ」も同じようなものです。この作品が書かれたのが1989年、今から35年前です。

大きい荷物『大きい荷物』は吉行淳之介さんの短編集『目玉』に収められている。その小説は、タクシーに乗る場面から始まる。 病院の玄関のところを出ると、空車が二台停まっていた。 それから、“…
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大きい荷物

タクシーのゴミ問題が起きる理由

忌避行動だけではなく、乗車拒否もこの「近い」ことから起こります。なぜならば、理由は簡単です、運賃=賃金だからです。そしてその運賃はタクシーメーターで決まります。メーターは距離時間制で、長くなればなるほど上がります。

つまり、近い短い距離の利用者はお金にならない「ゴミ」ということです。それが「これくらいなら歩きなよ」という言葉として現れます。

タクシーは公共交通ですか?

さて、ここまで短い距離へのタクシー運転手の対応や乗車拒否について書いてきたのは、タクシーの公共性と密接に関わっているからです。つまり、公共交通とは「いつでも、どこでも、誰でも」利用できるからです。例えば、電気や水道、NHKの放送も「料金を払う人は」利用できます。

太田和博専修大学商学部教授は次のように説明しています。1

公共交通は公衆に開かれている(open to the public)交通ということであり、具体的には「運賃を払う人は乗せなければならない」義務を負う。タクシーの乗車拒否が違法とされるのは、タクシーもこの公共運送人義務を負っているからである。

「運賃を払う人は乗せなければならない」ということは、タクシーの「義務」なのです。ところが、乗車拒否や忌避対応が起きています。今回の事件も、ひとつ間違えば乗車拒否になりそうな、いや「次からは乗るなよ」という乗車拒否を強要するような対応をしています。

いえ、タクシーが公共交通でなければ問題にならないでしょう。例えば、利用者を選別しようが、会員制にして高い運賃にしようが、逆に安い運賃で運行しようが…。

ところがタクシーは公共交通という既得権益があり、国から保護されています。その上で、補助も受けています。さらに、ライドシェア反対の文脈では「公共交通」を盾にしています。守られているんです。

つまり、公共交通としての受益者なら、それらしい振る舞いをしろ、ということです。振る舞いとは、距離による選別を行うな、ということです。

それがタクシーの公共交通としての使命です。だから、商売ができるんだ、ということです。公共交通機関として、既得権益者として、それなりの義務を果たす、それだけのことです。

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生産性と公共性

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