御厨人窟、室戸(11日目の2) 2008年10月29日 四国遍路 迷故三界城 御厨人窟は弘法大師空海の修行の地だ。 かれが室戸の先端にせまり、ついに最御崎の岩盤に立ったときには、もはや天空にいる思いがしたであろう。(…)この巌頭に立てば風は岩肌をえぐるようにして吹き、それからのがれるためには後方の[…] 続きを読む
室戸、そして転げ落ちて朝が始まった(11日目の1) 2008年10月29日 四国遍路 迷故三界城 室戸の朝は、ベンチから転げ落ちて目がさめた。バス停のベンチの幅は身体の幅とほとんど同じだった。身体半分動いたら60センチ下の地面にそのまま落ちるというベッドだった。寝袋の中に入っている肢体は何の防御もできなかった。手は反[…] 続きを読む
三津のバス停で野宿、南無大師遍照金剛(10日目の5) 2008年10月28日 四国遍路 迷故三界城 苦しい時、辛い時、哀しい時があると「南無大師遍照金剛」と唱えるといい、と教えていただきました。金剛杖や白衣の背中にもその「南無大師遍照金剛」という御宝号が書かれています。 南無大師遍照金剛 その意味は、 お知らせ・住職の[…] 続きを読む
佐喜浜、遍路はは食わねど高楊枝…なんて(10日目の4) 2008年10月28日 四国遍路 迷故三界城 佐喜浜八幡宮を13時30分に出発した。 暖かい日だった。佐喜浜の街は驚くほど静かだった。24番札所・最御崎寺まで、まだ20キロあったし「地の涯であろうというそらおそろしさ」を感じさせる風景は続いていた。柔らかな空気と陽射[…] 続きを読む
虚空蔵求聞持法、土佐は鬼国に候(10日目の3) 2008年10月28日 四国遍路 迷故三界城 「虚空蔵求聞持法」という秘法がある。19歳の弘法大師空海は、故郷である四国に渡り室戸の洞窟、御厨人窟を行場として修法した。「虚空蔵求聞持法」とは虚空蔵菩薩の真言 言語の一種であるにちがいない。しかし、人間の言語ではなく、[…] 続きを読む
最御崎寺、前の院で仏に会う(10日目の2) 2008年10月28日 四国遍路 迷故三界城 10時30分に法海上人堂下の海岸を出発したボクは喉が渇いていた。上人堂のトイレの横には蛇口はあったのだけれど、水がでなかった。小川の水を飲めば良かったと思った。自動販売機も文明に合わせて設置してあった。例えば10㎞という[…] 続きを読む
充電の問題なのだ(10日目の1) 2008年10月28日 四国遍路 迷故三界城 目が覚めるとテントの外は明るくなっていた。東に向けた入り口を開けると、水平線はすでに赤く染まっていた。日の出が近いことが分かった。ボクは取りあえず小便をした。そしてテントの中に戻って、いつものように出発の準備を始めた。太[…] 続きを読む
野根海岸で野宿、室戸と夕陽の見える浜辺にて(9日目の4) 2008年10月27日 四国遍路 迷故三界城 野根海岸、内妻海岸、連続して海辺での野宿になった。 宍喰温泉を14時30分に出発した。 温泉に入ったからだろうか、痛みは減っていた。しかし、緩んだ筋肉が重く感じた。もう室戸岬までは40㎞という位置にいた。明日には着けるか[…] 続きを読む