「自家用車活用事業の実施状況について」を読む
「自家用車活用事業の実施状況について」について考えてみます。
第12回 地域産業活性化ワーキング・グループが本日(4月24日)に行われました。「自家用車活用事業の実施状況について」は、その会議で提出された国土交通省の資料です1。
マッチング率の向上
現在行われている日本型ライドシェアは、タクシーの足りない地域と時間を国が指定するものです。台数も事業者の保有車両内で指定されます。その結果、次のような時間帯と台数が国交省より出されました。
金曜日の深夜(土曜日の0時〜5時まで)が最大で、2540台です。
4月8日の出発式から、次のようにマッチング率が変化したそうです。
火曜日が低いのは、天気が荒れていたことが原因です。
そのほかの時間帯については、ライドシェア効果が現れている、と見ることもできるでしょう。
自家用車活用事業の効果
しかし、本当に効果があったのでしょうか。次の図は、マッチング率を算出した期間のライドシェア車両の稼働台数と運行回数です。
- ドライバー数389人
- 稼働台数771台
- 運行回数4710回
たったこれだけの数字、です。771台増車するだけで、大変な効果があるのなら、業界やドライバーが猛反対している中、「アジェイル」しなくても良いのではないのでしょうか。東京の法人タクシー台数が約三万台です。その711台、実働率(稼働率)を3%上げれば良いのです。それだけの話なのです。
特需対応について
開始後の火曜日、7時台〜12時台にマッチング率が低いのは降雨が原因です。ここをカバーするには荒天を予測し、その時間帯に台数を増やすしかありません。そうなると、気象庁との連携になりますか?もし天気予報が外れたら、誰か補償してくれるのでしょうか?
ライドシェア解禁
おそらく、自家用車活用事業ではタクシー不足は解消されません。なぜならば、荒天時などの特需に対して対応できないからです。……というロジックが用意されているのでしょう。そしてその次に「完全解禁」というシナリオができているのでしょう。
きっとそうなのです。そして、この結果も都合よく使われるのでしょう。それは仕方ないことかもしれません。なぜならば、はじめに解禁ありき、だからです。
足りてないことはない、のですが、現状では解消できないことがある。それが起きやすいのがタクシーだ。だとすると、やはり仕組みを変えないと、となるのでしょう。
もう、どうしようもないかもしれません。どれほど反対意見があろうと、強行するのが今の政権野党です。また、繰り返された、ということです。