地方とはなにか、交通空白地について

ライドシェアの議論で「地方」という言葉が頻出するが、地方とはいったいなんなんだろうか?

例えば「ライドシェアは地方では有効だ」。地方=交通空白地なのか、ただ単に地方都市なのかが分からないまま議論するケースが多いようです。

交通空白地の定義

「交通空白地」に係る目安の設定及び「地域交通の把握に関するマニュアル」の活用促進

図は2023年5月に開催されたラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会 1での資料です。つまり、

  • 半径1km以内にバス停・駅がない地域であって
  • タクシーが恒常的に30分以内に配車されない地域

この2点が揃えば「少なくとも交通 空白地に該当する」というのが国交省の見解です。そうなると、結局はタクシー次第、ということになります。それについては「タクシーが恒常的に30分以内に配車されない地域」となれば、タクシーがあれば空白地とならない、とも言えます。

地方の定義

国土交通省の「用途・圏域等の用語の定義」2では『「地方」とは、三大都市圏を除く地域をいう』となっています。つまり、東京圏、大阪圏、名古屋圏以外は地方なのです。

また、Wikipediaでは「内閣府や国土交通省の一部の資料内では「東京圏以外の地域」と定義し、用いられることがある」と記載されています。3

個別に定義されるとしても、地方とは大都市圏以外の地域という意味なのでしょう。

地方とは

そうすると、やはり、かなりの広範囲になります。例えば、政令都市も地方です。また、人口954人の愛知県豊根村も、同じ地方に分類されます。4

100万人と954人を同じように考える人はいないでしょう。しかし、その境界線が曖昧になりがちです。そうして曖昧のままに、移動についても議論される。だから、齟齬が生まれる。というか、理解不足のまま、曖昧な政策が行われるのではないでしょうか。

タクシーが30分以内に配車されない、それどころかタクシーがない地方も存在します。そういった地方については、ライドシェアという仕組みを使うことも必要です。いえ、ボクの実家のある地方では、交通空白地なのでタクシーをあてにしていません。食料品販売のトラックがきたり、コミュニティバスが運行されています。

そして体の不自由な高齢者は、デイサービスを利用しています。市場原理が働く民間という視点よりも、公的なサービスがさらに求めれれているのではないでしょうか。

そう考えると、ライドシェアを含む移動サービスの議論は、「地方」を細分化して丁寧に考えないと失敗する、そう思います。今行われ、議論されていることは、あまりにも雑で乱暴ではないでしょうか。

地方とはなにか 中央公園でお花見団子

  1. ラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会
  2. 用途、圏域等の用語の定義
  3. 地方 – Wikipedia
  4. とよね村 Toyone Village Official Site

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