最御崎寺、前の院で仏に会う(10日目の2)
10時30分に法海上人堂下の海岸を出発したボクは喉が渇いていた。上人堂のトイレの横には蛇口はあったのだけれど、水がでなかった。小川の水を飲めば良かったと思った。自動販売機も文明に合わせて設置してあった。例えば10㎞という距離に自販機が一台もなかったとしても、そのことを不便だと感じることは、普通に生きていればあまりないように思うし、おおよそ都会には、これでもかと言うぐらいに自販機が存在している。
中華そば、あります
喉も渇いていたけれど、お腹も空いていた。朝から缶コーヒー1本とカロリーメイト1箱だけだった。室戸市に入って少しいった岬に久しぶりの自販機が見えた。その奥は食堂になっていた。中華そばの幟があった。もう考える余裕はなかった。それほど空腹だった。
最御崎寺、前の院とボク名付けた食堂は、2012年8月のGoogleMapでは廃業していました。
きつねうどん450円と、巻き寿司4個300円を注文した。そして出された水を一気に飲んだ。お替わりしてもう1杯一気に飲んだ。そしてうどんも寿司も平らげた。スープも飲み干した。
最御崎寺前の院で仏に会う
そこのお姉さんは、たぶん佐喜浜あたりからその店に通っていて、昔はとても美人だったのだろうし、恐らく佐喜浜か室戸あたりのスナックでは人気のママさんだったのだろう、なんてことを考えていた。少し話した。ボクがどこから来たのかとか、野根からここまで自販機がなくて、ここの自販機が仏に見えて、24番札所前の院という感じでありがたいですよね、なんてことを、ボクは美人を前に少し饒舌になっていた。仏はいる。
キャラメルをいただいた。ボクはその店を出て、そして自販機でスポーツドリンクを買った。12時を少し過ぎていた。それから歩いて佐喜浜八幡社にて休憩した。トイレに行った。温暖な気候なのだろう、蚊の大群が飛び回っていた。
温暖と言っても、季節は秋、それも冬に近い秋だった。歩けば暑い、立ち止まって日陰にいると肌寒い、そんな昼下がりだった。
(三津漁港にて)