ハローワークのワンストップ・サービスについて

ハローワークのことは「ハローワークの憂鬱」というタイトルでこれまで何度も書いてきた。何度も書いてきたというよりも、何度も憂鬱に感じてきた。
ハローワークマニュアル

電車(ハロワ)は今日もスシズメ
のびる線路(失業率)が拍車をかける
満員いつも満員
床にたおれた老婆が笑う
お情け無用のお祭り
電車(ハロワ)に呼吸も止められ
身動き出来ずに夢みる旅路(職場)へ
だからガンバレみんなガンバレ月は流れて東へ西へ

「東へ西へ」井上陽水作詞

という状態はもう一年以上続いていて、憂鬱さに拍車をかけているのだろう。あのハロワの前にたむろしていたオジサンたちは、もうハロワに来ることが仕事になっていて、定時に出勤して定時に帰宅する、そんな折り目正しい生活を送っているのだろう。花火大会の日にもハロワ前の広場にいる姿をみかけたりすると、そこがオジサンたちのホームになっているのだろうと思う。サイダーの味

ハロワのワンストップ・サービス

ワンストップ・サービスをするのはいいのだけれど、今でも狭くて行列が出来ていて、整理券を発行するほど大盛況のハロワで、今以上の「サービス」が出来るのだろうかと思っている。「今以上の『サービス』」と書いたけれど、元々そのサービス自体が出来てなくてリーマンショック以前にはハロワの民営化なんてことも言われていたのだけれど、そのショックのおかげでなんとか繋がったクビの、その「なんとか」の部分がいきなりハイクオリティのサービスに置換されるわけなど決してない…。

ハローワークの職員

「職業相談なんてのは、相談ではなくて紹介状発券業務が主なのだ」と前にも書いたように、仕事を探すだけなら別にハロワに行かなくても、という人も多くて中には「ハロワなんて行かない」という人もいた。失業保険が絡んでいるものだから、どうしても失業者は低姿勢になる。そのかわりに職員は高飛車になる。

最近はかなり改善されたのだけれど、少し前まではサンダル履きに欠伸をしながらその主業務である「相談」をする職員もいた。立場の弱い失業者が文句を言えるはずもなく、整理券を持たされて何時間待たされようが北朝鮮の人たちよろしくオトナシク、粛々と待たなければ、どこに秘密警察が隠れていて「あの人不正受給していますよ」なんて無実の罪を着せられるか分からないし、良い職にありつけないかもしれない、という強迫観念に支配された空間なのだ。

こんな話を聞かされたことがあった。それもポリテクでだ。

「真面目にハローワークに通っていたら、良い仕事を優先的に紹介してもらえる」

そんなことを聞くものだから、中にはハロワに行くのにもスーツ姿の人がいたりした。それはそれで礼儀かもしれないけれど、ボクには「オトナシクしてないとヒドイ目にあうよ」という、やはり脅迫にも感じた。真面目にやっても報われないということを知っていたとしても、多くの失業者はその生真面目さや人の良さから失業者になったにもかかわらず、またそんな噂話を信じて失望することになるのだけれど。

そんな話も加わってハロワでは何があっても騒ぎ立てる人がいない。ボクも時給について質問した事がある。求人票に記載されている賃金を労働時間で割ると最低賃金に満たなかったので「これはどうなってますか」と訊くと「面接の時にでも聞いてください」と職員が答えたもんだから「じゃなくて、最賃違反だろ。」と言った。そうすると慌ててその企業に電話した。

あの求職票なんてのも機械的に発行されるだけで、なんのチェック機能もないのだろうと思う。ほぼオートマティック。ハロワークインターネットサービスと同じなんだし、ネットで応募するかその間に人が入ってプリンターのボタンを押すかの違いぐらいなもんだろうし。

求人票も紹介状もそこには何の人間の情が介在しない。

ワンストップ・サービスにしたとしても、きっとそんなもんで、不動産屋への紹介状や福祉関係への紹介状という発券機が増えるだけではないかと思ったりもする。ハローワークなんて名称のくせに「ハロー」というコミュニケーションもないのだ。そこが問題なのだ。

というよりもその前に、今でも手狭なあの施設に今以上のことをするスペースがないと思うし、職員もいないだろうと思うと、今以上に混雑して今以上に雑に失業者が扱われないかと思うのだ。

駐車場は満車、特に月曜日はハロワ周辺の道路は渋滞する。失業者だけが憂鬱になるのではなくて、今度は近隣住民まで憂鬱になるのではないかと思う。特に駐車スペースのある商店、コンビニは今でも迷惑駐車に困っているのに、これ以上来所者が増えると失業者に対して今以上に冷たい世間になるのではないかと思ったりもする。

前に書いたのだけれど、失業して初めてハロワに行く日にどれだけケアできるかが問題だろうと思う。失業給付の説明、説明会や認定日のことだけではなくて、困っていることを聞くという人としての優しさがほとんどなかったのが今までのハロワの業務実体だった。中には(いやほとんどの人は)失業訓練のことも知らない、引越し手当てや雇用促進住宅のことも知らないという失業者もいて、あまりにも「教えなさすぎ」だったのだ。

普通に失業者をケアする施設であればそれほど問題はなかったのだ。

喋る求人雑誌のような組織、それがハローワークだったのだ。だから民営化して派遣会社などのような「その道のプロに任せる」なんて話が出ていたのだ。職員はアマチュアだったのだ。ハロワのようなぬるま湯組織にこそ成果主義が導入されるべきだったのだ。

ハロワ経由の自殺者もきっとかなりの数いる。

「自殺と向き合う」見たよ

確かにハロワも求人票を見て紹介状を渡すだけの職業相談だけではなくて、失業期間や状況をしっかり把握していろいろなアドバイスが出来るような組織にすることも大切かと思います。ハロワ経由で絶望している人も多いでしょうからね。

思うのだけれど、本当に必要なのは、やっぱり鳩山首相の言う「友愛」なのだろうと思う。「愛」だったり「情」だったり。失業して哀しみの淵にある人たちがハロワを訪れたら、手を取り「大変でしたね、これからのことをゆっくりお話しましょうね」なんて愛情が必要だったのだろうし、必要なのだ。

システムというよりも情緒の問題だと思ったりする。

忙しすぎるということもあるのだろうけれど…。それに組織間の問題もあるのだろうけれど…。

失業者が多すぎるということ、そこが一番の問題で、それを早めに解決しなければならないのだけれど…。今は仕事もなければ希望もない、ハローグッバイのような…。

ミルリトンのR259
失業者対応:ハローワークで住宅、生活保護、融資も--来月30日

9件のコメント

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    失業給付

    失業給付を最大限もらう方法や基礎知識について

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    >りうじんさんへ
    こんにちは。
    田原市は、自然ばかりのところ、という感じかもしれませんね。高い山はないのですが、山あり海ありなので。
    豊橋や新城、豊川なんてところまで足をのばせば、けっこう見所も多いと思いますけれど。ギャンブルも、豊橋競輪、蒲郡競艇と近場にあるし…。風俗は、どうなんだろう、そのへんは良く知らないのですけれど、あることはあるみたいですし。
    またご様子など教えていただければ幸いです。
    >山頭火さんへ
    どうも。
    良い経験という無駄な時間を過ごすことが多い人生でもあるようです。アフリカやインドなんかに行った時も「良い経験をしましたね」と言われました。
    どうなんでしょうね、その経験を何かに生かす、とか、利用するという貪欲さみたいなものも必要なのかもしれないですね。
    できないですけれど…。

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     お返事ありがとうございます。
    その後、四国遍路の記述楽しく、少しずつですが読まさせて頂いております。
    良い経験をされましたね。
    では、また・・

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    はじめまして、この度アイシンAW田原工場に出向になりまして来週から田原に住むことに
    なった者です。田原は初めてなので
    田原笠山さんのブログを参考にさせていただいています。
    結構自然の多いところでしょうか?。
    せっかくなので新しい生活を満喫したい
    と思います。

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    >1JZGTEよ永遠に
    そうでしたか。
    やっぱり夜勤が多くなったりすると身体が変化しますよね。
    身体の悪いところを発見できたことは、よかったかもしれないと思っています。期間従業員として働くということよりも大切なことでしょうし。
    入社してしまえばメタボだろうがアル中だろうが、大麻を栽培していようが、なんでもOKなのですけれどね。
    雇い入れ時のチェックを厳しくするようになるのは予想できてましたけれど、今度からは事前の健康診断を行うようになるかもしれませんね。
    体調を良くして、就職活動がうまくいくことをお祈りしています。ボクも他人事ではないのですが…。
    >やすおさんへ
    安定ということは精神的に重要でしょうね。非正規でもなにか将来的な夢やら計画があるのなら良いのでしょうが。
    期間従業員もその期間をうまく利用して将来のために、なんてことだと良いのですが、最近は利用されている人のほうが多いように思うし、おっしゃるように中高年になると選択できないしで、厳しくなりますしね。
    非正規の仕事をしながら、就職活動をするというのが良いようにも思ったりします。

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    僕も10年勤めた会社を辞めた後、非正規雇用が続いて今に至ってます。もう何年もの間。正規雇用に戻らないでいると、精神的におかしくなってきてしまう気がいつもしてます。いつもいつも悩んでて。中年の再就職はほんと難しいです。

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    こんにちは。お久しぶりです。
    自動車オークション会場警備の仕事をしてまいりましたが、9月頃から(トヨタ期間の募集葉書が来た頃)様子がおかしくなりました。というのは、ある日の深夜、出品ヤードのゲートが破られて侵入され、セルシオ3台が侵入者にバールでボンネットをこじ開けられるという事件が起こりました。(入念な下見等、計画的な犯行のようです)
    あの事件から、有耶無耶になり、すべてがおかしくなりました。それ以前に自分より若い人が次々とやめていったことや、その代わりに身よりも無い使える見込みも無い人生終了な人材しか入ってきません。
    慣れない仕事でストレスがたまり、運動不足や食生活が原因なのか、体重が増えてしまいました。あまり体をを動かさない楽な職業というのもありますし、夜勤中心というのもありますが。
    トヨタに行くため(正社員目標)、警備会社を辞めました。
    先日、受け入れ時の健康診断で再検になり、血液検査を受けたのですが、再検の甲斐もなく、2日目の田原配属発表終了間際に人事部の人に呼び出され、肝機能に異常が見つかったため(判定はD)、残念ながら入社は見送られました。ちなみに、再検で一緒になった人も次々と人事部の人に荷物をもって連れて行かれました。第1~4週の受け入れで、午前中の一発退場者を含む入社見送りの人は、平均で35~40人位です。
    たが、今週はこの話題が赤旗や国会に取り上げられたのか、再検(D判定)でも通院という条件で全員が入社のようです。(ソース・某大型掲示板スレッドより)
    今後は、今年大卒入社の社員が来年1~3月に製造ラインに配属されるようですね。期間従業員の一般募集は今後一切無いと思っています。
    トヨタも今年限りでF1撤退になりましたね。
    白髪が生えはじめた豊田章男社長、記者会見で苦渋の決断だったようですが、やはり新型プリウスの影響がここまできています。そのプリウスも納車が来年5月以降になるため、新車購入補助やエコカー減税が受けられないという苦情が出てきています。
    自分もその後、病院にいって検査を受けました。脂肪肝でした。肝機能系統は、自覚症状が現れないので、そのまま警備員やっていたら、もっとひどくなって、倒れていたかもしれません。自分は酒・タバコは一切やってませんが、再就職活動しつつ、生活改善して、治して生きたいです。

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    dさん、こんばんは。
    お久しぶりです。
    そういえば、新着の求人票は壁に貼られていたような?
    便利になったぶん、やっぱり温もりがなくなったのでしょうね。

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    お久し振りです。
    求人票が電子化される前は求人票の備考欄なんかに「ここはやめとけ」みたいな恨み節?みたいなのが書かれててたりしたんですけどね…(笑)

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