片月見の頃

片月見とは、八月の十五夜と九月の十三夜のどちらかしか月見をしないことを言う。きっと、上部だけの行いを戒めたのだろうと思う。世の中には、片月見が多い、とも思う。

八月十五夜、九月十三夜のうちどちらか一方の月見しかしないこと。また、八月十五夜の月見に招かれて、九月十三夜の月見に招かれないこと。特に江戸吉原では十五夜に遊興をした者が、十三夜に登楼しないことをいい、忌むべきこととした。

片月見(かたつきみ)とは? 意味や使い方 – コトバンク

駅前の複雑な交差点の真ん中あたりに、きっと、風に飛ばされ、その持ち主と離れ離れになり、行き場をなくした帽子がある。

もう一週間もその位置にある。車道だけの交差点なので、たとえ車の運転手がその帽子に気が付いたとしても、拾うことも出来ないで、そこにある。普通の道、例えば「通学路」なんて道だと、拾われて持ち主の元に戻るのだろうけれど…。

それに、アスファルトではなくて、土の道だったら、その黒色の帽子もすでに一週間と言う時間とともに土のようになってしまっているのだろうけれど…。

この街に住んでいるボクも同じようなもので、「そこにある」ような色的にも形的にも無変化のまま、炭化も酸化もしないまま、ここにいる。

「永遠はない」と人は言う。そうなのだけれど、永遠であろうとする。それが愛の本質なのだろうと思う。

「理解されないと」知人は言う。理解されるために人は生きているわけではない。全ての人が理解し、されるのならば争いなんてのは起こらない。この数十億人という人の中に2~3人だけ、いや1人だけでも良いけれど、理解してくれるひとがいればそれで十分だと思っている。それも愛の本質なのだろう。

寒波到来。

去年はこの時期に野宿をして歩いていた。それでも変化なんてことは起こらないで、熟成するような内的変化も、たぶん起こらないでいる。何をしようと何を思おうと、化学変化のように、例えば「人生観が変わる」なんてことはない、と思う。ジワリジワリと何年か後にその変化は起こるかもしれないけれど、それとて何に起因するのかは不明なことなのだろうし…。

視力がかなり落ちた。メガネを作った。視力が落ちたからか、あるいはそんなことも含めての生活の変化なのか、頭髪は増えてきて、それはそれでうれしかったりしている…。

トヨタ界隈はどうなんだろう。

赤紙召集された千数百人の元期間従業員の人たちはどうなんだろう。田原工場にも数十人配属されたと聞くし、大卒社員が現場の生産ラインで働いているということも聞くのだけれど、もうあの頃のような賑わいはなくて、「仮設」と言われる寮に住むこともないのだろう。バス停や食堂で並ぶ事もないのかもしれない。

ボク達の人生は終わったわけではない。でも、なにか、ひとつの季節が終わったようにも感じる。エコカー減税が終わる春にはハイブリッド景気も終息に向かうのだろう。何かがまた変わるのだろうし。いろいろな変化が起こり、あるいは起ころうとしている。それはもうあの頃、ボク達が出会った頃のような感じではなくて、なにかとても窮屈で閉塞された空間で生きながらえなければならないような、そんな季節の到来なのかなあ、なんて考えてもいるのだけれど…。

まみたんから電話がくる。もう何度も出ないでそのままにしている。電話もだけれどメールの返事も出来ないでいる。何も考えられないでいる。今夜は少し酒を飲んでみた。それほどの月だったりもした。その勢いで少し…。

片月見の頃、石巻山の上に満月

そして満月、土曜日の夜とか月見る花とかやっぱり残業の振替出勤だった勤労感謝の日はなんとか3時までには部屋にたどり着いて、いつものようにカップ麺とパン、そうそう柿があったのでひとつ…。そしてそのまま畳の上で寝てしま…
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そして満月、土曜日の夜とか月見る花とか

5件のコメント

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    今井Kさん、こんにちは。
    おひさしぶりですね。
    キウイから1年、1年が過ぎるのも早いですね。
    知らない街で住むということは、それだけで大変なことだろうし、「何のために」ということを考えると、やっぱり虚しさや寂しさを感じるのだろうと思っています。
    植物は花を咲かせて結実するのですが、人の心は難しい、のでしょうね。
    そういえば、あれ以来キウイも食べてなくて、懐かしいです。

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    今年もまたキウイとか新米とかの季節ですよ。
    っていうか家庭を持つ予定でやや地の果てに引っ越して来たのですが・・・
    相も変わらず一人です。
    でもってあまりにも一軒家が広すぎるわ職場には
    遠いわでアパート借りちゃいました。
    かみさんも東京行ったきりで三ヶ月が過ぎ
    自分の中で何かが冷めていくのが良ーく判る今日この頃です。
    近い内に秋のお裾分けをまたお贈りします。

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    >ほーむれすさんへ
    ども。
    いつもありがとう。
    >御巣鷹さんへ
    ま、期間工は利用しないと、と思うけれど。そう考えると半年という時間の利用法もいろいろあるしね。
    昔はその半年なんてのが普通で、それを利用していたのだけれど、いつの間にか労働者のほうが利用されるようになってしまって。
    若い人には職業期間工になってもらいたくないしね。延長できたとしても2年11ヶ月だろうし、その繰り返しを一生続けるということについても疑問だし。
    ま、ボチボチとやってください。身体を壊しても会社は面倒みてくれないしね。
    田原なのかな?
    あれだったら、メールもらえればと思っているけれど?

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    バス停は超混雑、並んで乗り込むまでに10分以上、食堂も同様、ってのは堤配属者が入寮した高岡寮だけであって、やっぱりプリウスに作られた景気がここにありといった感じですね。
    半年という期間を精一杯頑張ります。延長なんて期待してません。
    だけれで何故だろう。
    赴任者は皆口を揃えて延長できるなんて自信満々な表情をつくる。
    10月の一番早い受け入れで入社して、1ヶ月が過ぎました。
    しっかり貯金して勉強します。
    それが前回と今回の教訓です。

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    よかった、元気で。

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