労働組合と政治活動

人は、やっぱり、利己的な生き物である。

投票率が上がらないたったひとつの理由は、自分の利益が見えないからだ。

一昨年の第46回衆議院選で投票を棄権した人へのアンケートで最も多かったの理由が、「適当な候補者も政党もなかったから」(26.1%)というものだったそうだ。

第46回衆議院議員総選挙全国意識調査

第46回衆議院議員総選挙全国意識調査

二番目が「仕事があったから」で24.3%、選挙よりは仕事のほうが重要だし、期日前投票があったとしても、わざわざ休日や終業後に行くのも面倒だったのだろうと思う。
投票した一票が直接その人の利益に結び付くならば、例えば仕事に行くよりも価値があり利益があることならば投票するだろう。棄権すると罰せされるという条件下でも同じだろう。

市町村議会議員選挙について考えたこと – 道中の点検

自分の利益になるから投票する。それが普通の人間の選挙行動だ。国家のためになんてことはそれほど考えない。だから国政選挙のほうが相対的に投票率が低くなる。

「愛校区心」なんて「愛国心」をもじって批判的な意見を言う人がいるけれど、自分の住む地域や自分の暮らす組織の利益を考えること、そうしてそれらの代表者に一票を入れることは、上に書いたように普通のことだと思う。

昨年の市町村議会選挙の時に書いたように、市町村議会レベルの選挙では利益が見えやすい。近所のおじさんやおばさん、学校の恩師や先輩、同級生、なんて人たちが立候補していて、その人たちが当選すれば校区という地域に、そして自分にも利益が回ってくる。

当選した人たちも、一票を入れてくれた人たちのことを、そうして票になりそうな人たちのことを優先的に考える。それは普通のことだ。投票してくれた人/くれる人の代表なのだから。

労働組合が政治活動をする理由も同じだ。組合員の声をその政治家に代弁してもらうために、要するに自分たちの利益のために政治家を議会に送り込む。労働組合という数の力で政治家を動かす、ということだ。「オレたちのために頑張らないとどうなるか分かってますよね」という圧力がそこに生じる。

18歳選挙権が始まる。どうだろう、高校生や大学生も学校単位で政治活動をして、学生の声を政治の場へ届けてもらえば。「ボク/ワタシたちのために頑張らないとどうなるか分かってますよね」なんて力が生まれれば、きっと・・・。

と、まあ、民主主義は良くも悪くも「数」なのだ。政治も「数」なのだ。そうしてボクたちの幸せも収入という札束の「数」なのだ。「数」こそすべてなのだ。そう民主主義は教えてくれるのだ。

労働組合と政治活動 連合パンフレット

労働組合と政治活動 :日本労働組合総連合会(連合)

さてと、寝るか・・・。

神野ふ頭
神野ふ頭

2件のコメント

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    テルさん、どうも。
    18歳、最初は投票率が高いかもなあ、なんて思っています。
    豊田市なんかはトヨタ色が強いかもしれないですね。
    そう言えば、トヨタ、休業だとかで。休業補償はされるのかなあ。期間従業員は3S出勤とか?
    その分残業が多くなりますね。良いのか悪いのか…。かなあ。

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    田原笠山さん、こんばんは。
    来週に豊田市で市議会議員選挙がありますが、組合員は期日前投票をするようになんて言っていましたからやはりトヨタOBか何かに投票するんだろうなと思いました。
    選挙まで管理するとは、驚きですね。私は満了してもうトヨタから離れている時ですが夏の参院選も投票政党は決められているんでしょうかね。
    私は選挙に行っていますが今は本当に若い人が投票しませんからね…18歳以上の投票権で何割の18、19歳の若者が政治に参加するのかが、興味深いです。
    今月を乗り切れば暖かくなりますね。最近喉が痛くなったりしましたので体調にお気をつけ下さい。

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