労働組合と金 労働組合論(5)
新型コロウイルス発生・・・
#「コロナ」ではなく「コロ」
コロとは、タクシーで、ワンメーターとか1000円以内の短距離の仕事を言う。
そのコロ、ではなくて、コロナショックで売上は前年比40〜80%ってところか。長引けば倒産するタクシー会社もあるだろう。しかし、タクシー業界は一家、運ちゃんみな兄弟、渡れば(転職すれば)いいだけのことなのか・・・。
労働組合と金
さてさて、住友重機械労働組合の会計担当が、労働組合費や積立金を着服、私的流用した事件。事件そのものには特に驚かなかった。しかし、その額、10億円には驚いた。
組合なんて組織には不明な金の流れはあるだろう。それに、ボクたち組合員自身が金の流れに無頓着だ。例えば、支払った組合費がボクたちのために使用されているのかってことさえ使途不明。どちらかというと、数千円の組合費なんてのは「どうでも良い」話だと諦めている人もいる。
ちりも積もればで、きっと貯まりにたまった組合費を、ちょっと失敬。あるいは、活動費や旅費なんて名目で、これぐらいなら。なんてことが発端で「10万円になっちゃた」ってことはよくある話だろう。労働組合と金の問題は古くからある。
組合費の搾取
ボクたちもトヨタ自動車の期間従業員だったころは組合員だったのだけれど、組合員としてきちんと労使協議の俎上にのせられたのは、リーマン後であって、会社からは人生を、組合からも組合費を搾取さる、そんな労使による非正規社員のモラハラ・パワハラ時代が長く続いた。
多くの組合が、たぶん規模が大きくなればなるほど、団体行動権、争議権なんて権利を執行するなんてこともなくて、というか、出来なくて、ただ組合費だけを集金している団体に成り下がっている。だから、このような住重労組のような事件が起きる。
10億なんて金額を私的流用できるずさんさってのが、組合的なのだ。
多くの低賃金・非正規の労働者がその日その日の生活に精一杯で、貯蓄すらままならない。その一方で、労働者の味方であるはずの組合が10億円もの不正が問題にならないほど巨額の資金を持てあましている。
まさにその通りで、労働者の味方である組合の方々は贅沢をし、労使は溶解し自らの出世のため、あるいは、この事件のように金のために組合活動を行っているという始末なのだ。
誰のための労働組合なのか
コロナショック。そして春闘の季節。期待はしないのだけれど、期待もできないのだけれど、さて組合は何を交渉し、何を組合員のために闘ってくれるのか。
2009年には、日本郵政グループ労組新宿支部で幹部が組合費から500万円を使い込み、焼肉、キャバクラ通いをしていたことが発覚した。その当時、同労組の中央執行部役員の年収は1人当り平均2500万円、その一方で全社員の平均収入は600万円(管理職を含めて)であった。
当時、民間最大手のNTT労組はスト資金だけで548億円を残していたが、組合がたたかわないなかで年1%で運用しても、6億円近い収入になることも問題になった。
金額の多寡はあれど、どこも同じような状態だろうと思うと、第二組合あるいはユニオン系の組合に加入し、地位の向上を求めるほうが早いのではないかと思ったり・・・。春闘の季節に考えている。(つづく)