事前確定運賃について考えたこと

タクシーの事前確定運賃が、10月1日に実施認可が行われることが決定した。これにより「乗客の不安を取り除く」「外国人観光客らが安心してタクシーを利用できる」ことにより「タクシーが利用しやすくなる」というものだ。

事前確定運賃とは

タクシーの事前確定運賃サービスがスタートします

配車アプリを活用して、タクシーに乗車する前に運賃が確定することにより、「渋滞や回り道等 により運賃が高くなるかもしれない」「到着するまでメーターが気になる」というタクシー運賃に関 する不安がなくなり、タクシーが利用しやすくなります。

 

また、訪日外国人にとっても、事前に運賃を確定させて予約ができるようになり、タクシーを利 用して円滑かつ安心な旅行ができるようになります。

「タクシー業界において今後新たに取り組む事項について」という、いわゆるライドシェア対策11項目の3番目の項目にも事前確定運賃が提案されていて、「生き残るために、やるなら、今!」と全国ハイヤー・タクシー連合会の意気込みを感じる。

タクシーでの、運賃に関するクレームは多い。経路違い(道間違い)も結局は運賃が高くなることからクレームになる。とすると、クレームの30%~40%が運賃に関するものに(データも根拠もないのだけれど)なるはずだ。

確かに運賃が決まっていれば、お客様が道案内をするなんてこともなくなる。昔書いたことがあるけれど、「お客にすしの握り方を教えてもらう」こともなくなり、それこそ安心して利用できるようになるだろう。

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事前確定経路

現場のタクシー運転手としては、「事前確定運賃」よりも、そのことによる「事前確定経路」の利便性は高い。ルートが決まっていて、それをトレースするだけでいいのだから気が楽だ。クックパッド通りに調理し提供するような感じになるので、技術不足も補える。

タクシー運転手という職業は、年齢性別に関係なく活躍できる。若ければ良いってものでもない。ひきこもりの人や人見知りの人にも適している。ということはここでも何度か書いた通りだ。

問題は、というか、応募者が躊躇するのは、接客よりも「地理」にある。これから就職しようとする人たちの不安が、事前確定運賃という事前確定経路で解消される。そうすると、「ちょっとやってみるか」なんて気軽に応募する人も増えるに違いない。

労働者不足に悩む業界としては、どちらかというと経路確定による地理不案内解消による職場環境の改善のほうで「生き残るためにやるなら今」なのだ。

MaaSと事前確定運賃

そして最大の目的は、MaaSのためだ。タクシーは電車や飛行機、バスと違って乗って降りるまで料金が分らない。それではMaaSとして事前に請求したり、チケットを販売するのに困る。

「料金は後のお楽しみ」ではなく、商品の売価は決まっているものだ。決まっているから販売しやすい。乗車地から降車地までをパッケージで商品化したい場合、定価なり販売価格なりは決まっていたほうが良い。

移動サービスのパッケージ化こそMaaSなのだ。だから、事前に運賃は確定していなければならない。そのためには乗ってみないと料金が分らないような現状のタクシー運賃制を変える必要があるってことなのだ。

さらに、事前確定運賃や事前確定経路は、タクシーメーターにより距離と時間による運賃制度そのものの撤廃を意味する。

タブレットひとつ、ネット回線ひとつあれば、運賃輸送できるということなのだから、結局はライドシェア解禁への起爆剤にもなり得る。

ということを思うと、もっと事前確定運賃を、もっと供給をなのだ。そしてその先にあるのは80歳になってまでの自家用車を自分で運転することのない、自由な移動なのだ。もっとモビリティを、もっと自由な移動を、なのだ。

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