ライドシェア解禁について
現在問題化している都市部のタクシー不足もですが、地方の公共交通空白地の問題を考えると、部分的にライドシェア解禁はありだと考えています。すでにいくつもの地域で自家用有償運送は行われています。そして住民の交通権を確保しています。
タクシーがないという問題解決にむけて
このライドシェア解禁という問題の本質は「タクシーがない」「タクシーが来ない」ということです。供給量がひっ迫している問題をいかに解決するかということです。その交通権の確保は、業界、官庁、政治が責任をもたなければなりません。そしてそれはタクシーの使命でもあります。
そのうえでライドシェア解禁を一部行い、現状では解決できそうにないこの問題に対して対応はできないものでしょうか。
今回はライドシェアを必要とする場面とその方法について考えてみます。
ライドシェア一部解禁
イベント型ライドシェア
需給ギャップが0になることはありません。1日、1週間、1か月、1年、どこかで供給不足は発生します。なぜならば、大量生産、大量消費、余ったら廃棄ができないからです。
そうした中、イベントが行われると需給がひっ迫します。何千、何万人もの利用者が同じ時間に移動するからです。
このような場合、イベント開催者がライドシェアの運行を行います。最寄り駅から会場までの移動の確保をシャトルバスの規模だけではなく、利便性の高い個別輸送で対応します。
観光地型ライドシェア
観光地もイベント開催時と類似しています。シーズン、忘年会、長期休暇時、週末祝祭日前に需要が多くなります。
そんな観光シーズンには、宿泊施設側も困っています。送迎バスや個別に送迎するケースもありますが、シーズンには足りません。その補填対策としてライドシェアを活用します。この場合、宿泊施設側が運行を行います。運転手を臨時に雇用する、ということも考えられるでしょう。または、従業員が運転する場合もあるでしょう。
災害時ライドシェア
災害時における緊急輸送にライドシェアを行います。運行の主体は地方自治体です。事前登録したドライバーによるボランティア輸送になります。これに料金を発生させる仕組みです。
自治体がタクシー車両を借り上げるという方法も考えられます。災害時における移動困窮者をみんなで救うということになります。
団体型ライドシェア
1のような大型のイベントではなく、まとまった需要が求められる場合に行います。想定されるのは、講演会や入試、資格試験などです。運行主体は開催者です。
周辺型ライドシェア
交通空白地対策として運行します。この場合
- 地域の住民で
- その地域出発に限り
ライドシェアを許可するという方法はどうでしょう?
今でも中心部から遠い地域はタクシー到着までに時間がかかります。さらに深夜営業を中止する事業者も増えています。営業していたとしても1台2台です。この地域の交通崩壊を防ぐためのライドシェアを行います。主体は自治会です。
大都市型ライドシェア
これは、タクシー車両を使用したライドシェアです。運行管理も行います。つまり1種免許でのタクシー乗務です。需要がひっ迫する時間帯だけ運行するようにします。このために車両不足が起きるようなら、ライドシェア用車両の増車を認める、そんな方法はどうでしょう。
運行管理と車両管理、保険
運転手と車両、事故したら、あるいは忘れ物をしたら、それを不安視している人も多いようです。その不安を解消するために、次の図のような仕組みではどうでしょう。
つまり、タクシー会社が運行管理を行い、配車についてはアプリを使う。車両管理と整備は整備工場と提携する。事故クレームは保険会社が担当する。乗務員はその地域のタクシー乗務員全てと、自家用有償輸送を希望する人です。運行管理については、すでに遠隔点呼のシステムが構築されていますし、活用している事業者もあります。
「移動する道具は、なんでもいい。結局『人を幸せに」するためのシステムこそが求めらえている。そのシステムで地方の交通空白地を埋めていく。ボクたちタクシードライバーの出番でもある。
この時に考えたことを思い出しています。問題は、タクシーがないということです。そして安全安心な移動なのです。