57号線と、とうもろこし・・・ 2016年7月8日 タクシー物語 国道57号線、阿蘇山を望む道路沿いにはとうもろこしの露店が何軒もあって、香ばしい醤油の香りと草いきれに、そして慣れないドライブに、ボクは少しだけ酔っていた。ボクと兄、そしていとこ達、おじおばとのドライブだった。 家族旅行[…] 続きを読む
依存症 2016年7月1日 タクシー物語 終日独居 朝から包丁を研いだり、布団を洗濯したり(これには参った)、電灯の傘を掃除したり、もちろん部屋の掃除も普通の洗濯もしたりして、気がつけばお昼を過ぎてしまっていた。冷蔵庫にある食材でアテをつくり、そうして昨夜買って[…] 続きを読む
ツユゾラ 2016年6月7日 タクシー物語 アジサイだけがキチンと梅雨の正装をしているサンヨネ魚町店あたりの路地の上には青い空が決まり悪そうにいる。その青の下に一筋の飛行機雲。そこをボクは歩いていた。まだお昼だというのに身体にはたっぷりとアルコールが染み込んでいて[…] 続きを読む
出逢うな、そうキリンの絵を見ながら考えた5月の歯医者 2016年5月22日 タクシー物語 五月の午後の少し柔らかい日差しが壁に貼りついていている。歯医者のその壁にかかっている黄色いキリンの絵には「I wish you every time smiling」と描かれている。ボンヤリとした意識の向こうで鼓動のよう[…] 続きを読む
悼 2016年5月7日 タクシー物語 あの人は、土に還って、やっと永遠の幸福を手に入れた。 人は死によって、苦しみや悲しみから解放される。生きている間、ボクたちには幸せなんてものはない。一瞬の幸福と、永遠の苦しみを背負わされて生きている。陽が沈むように、花が[…] 続きを読む
花に嵐、春は哀し 2016年4月7日 タクシー物語 「今年は花見に行った?」 「うん、まあ」 「うん、まあって、元気ないね」 「うん、まあ」 「重症だね」 「・・・・・・」 「そっちも雨降ってる?」 「うん、まあ、降ってる」 「まあ、いろいろあるだろうけれど、元気出さない[…] 続きを読む
春や春 2016年3月22日 タクシー物語 春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春春 春や春 果てなき過去 春や春 儚[…] 続きを読む
ボクは絶望していたりする 2016年3月19日 タクシー物語 雨だね。 写真の整理が終わらなくて・・・。 想い出がボクの周りに広がる。過去が落葉のように重なり合う。ため息が過去を着色する。戸惑いながら、ボクたちは再会する。 写した写真はなんの手を加えず、そうしてどんな選別もせずに、[…] 続きを読む