楽しそうな顔をして働いていますか?~ライン作業の快楽(4)~
ライン作業は、確かにある意味「快楽」である、と思う。
ライン作業の快楽
ライン作業の快楽(2)
ライン作業の快楽(3)
人は日常的動物なのだろうと思う。ボクが言っているのではない。フロイトが「恒常原則」とか「快楽原則」なんてことを説いているんだから、間違いない、と思うし、だからそのことについて3回も書いたのだけれど…。
生活のリズム、なんて言われることはその恒常原則ということなのだろうし、それが少しでも乱れるとストレスになってくる。肉体の疲労とは別にいつもと違うことをやるとかなり疲れるものだしね。違う筋肉を使っているとはいえ、それ以上の疲労(感)というのは、「慣れないこと」をしたからだろうと思う。
2、3日前のエントリーでハルキさんの(村上春樹さんだね)「海辺のカフカ」の一節を引用したのだけれど、それはいかに工場で働くことが(この場合はライン作業ということなんだけれど)単純でつまらないものか、ということを説明したものだったのだけれど、単純でつまらないものでも、それは「痛み」とは別であって、逆にやはり「快楽」を伴うのだろうと思っている。数行の中にとても正しく表現されているというのがハルキさんのスゴイところなのだけれど。
彼の場合、どのような難しい課題に挑み、それを達成したところで、そこには達成の喜びというものはほとんどありません。努力を積み上げるときの荒い息づかいも、試行錯誤の痛みもありません。ため息も笑いもありません。とりあえずやらなくてはならないことだからやっているんだ、という風なのです。前から来るものを手際よく処理するだけのことです。工場で働く人がねじ回しを持って、ベルト・コンベアで運ばれてくる部品の決められたねじを一巻きするのと同じです。
村上春樹「海辺のカフカ」第12章 p175
確かに工程によって違うでしょうね。
「楽しくて楽しくてしかたないよ~」なんて、寮に帰ってからジムで身体を鍛えるという余裕のある人もいるし、映画を見に行くという体力の持主もいますからね。工程と個々人の体力差によって「働いている人がじつに楽しそうなことです」と言われる人もいることは確かでしょう。
でも、そんなに「じつに楽しそうな」顔をしたり、そういった動きをしている人がほとんどなのでしょうか?ボクは、いままでボクが経験した工程では、「楽しそう」なんて人はあまり見ませんでしたけれど…。
昨日も書いたのですけれど、ストイック(と表現される)のは何も生活だけではなくて、ライン作業での精神状態も、まるで結跏趺坐をして瞑想する禅宗の修行僧みたいなものだったりして、そのあたりも含めてストイックと表現されているのだろうと考えています。
「じつに楽しそう」なのですか?
じつに楽しそうにインパクトでボルトを締めたり、溶接したり、セットしたり、組んだり結んだり張ったり取ったり、しているのでしょうか?それも毎日400回とか500回なんて同じことを…。
それとも薬物かなにかで顔の筋肉が弛緩しているのでしょうか。あの田原工場の矢野くんのように…。そういった例えばカンナビノイドの作用で「じつに楽しそう」なのでしょうか。
「まったく楽しくない」ということもないのです。週末とかね、お昼前とか…。課長が転んだり、ラインが止まりまくったり、逆に稼働率100%だったり、なんてことになると、ニヤニヤする人が何人もいますよね。少し違ったいみでの「じつに楽しそう」な表情になる。ボクも、例えば「ライン作業の快楽」なんてことを思いついた時には、ニヤニヤしてましたし、課長の「お前ら鳥の頭か」発言には、クスクスしたのですが、「じつに楽しい」ってほどにはなれなかったのです。
やっぱりそこがボクの甘いところだったのでしょうか。ほとんどの人は、例えばシニアになる人は、ライン作業が「じつに楽しい」と感じて、その「たのしさ」が身体中で表現されているのでしょうか。
見る人が見ると、あの過酷とも言える、そしてストイックと言われる、トヨタのライン作業も「じつに楽しそう」と感じるのでしょうね。ま、ラインダンスを踊っているんだから、ある意味、楽しそうには見えるかもしれないけれど…。まったく同じステップでね。
「ジュリアナトヨタ~」という感じもしないでは、ない、ね:)
確かに、あの無駄のない動き、そのステップは、美しくさえ、そして神々しくさえ、あるとは思うのだけれど、でもそれは「楽しさ」とは少し違った感じの、少し神経の麻痺した(いわゆる恒常快楽中の)快感に緩んだ表情だったりするのだろうと、考えているのだけれど……。
現場の顔が見える製造業:茂木健一郎・山田日登志(1)(Voice) – goo ニュース
よく「工場の効率を上げる」というと、チャップリンの映画『モダン・タイムス』のように、人間が機械のスピードに合わせて猛烈に働くというイメージがあります。ところがトヨタの工場を見て驚くのは、働いている人がじつに楽しそうなことです。人が機械に合わせるのではなく、むしろ工場のほうが、人の創意工夫やひらめきをうまく引き出すように設計されている。
次は「ライン作業の神事」ってことで、トヨタの車つくりにおける非正規雇用集団のライン作業は、神へ捧げる「神踊り」や「神楽」に近いものになっているということについての一考察、というのをやるからね。古代神事起源から中世の芸能集団との関わり合い、そして日本の物つくりという資源について、考えてみる。かも。
井上和香 流出DVDの検証
最近増えている芸能人の盗撮流出騒動だが、今度の犠牲者はワカパイこと井上和香。井上とされる女性と、有名格闘家が全裸で絡み合うシーンが収めたDVDが流出したというのだ。
こぼれそう~!原幹恵おぱ~い
原幹恵ちゃん!超好みなんですけどぉ~w
さてさてネット上徘徊していると色々とあるもんですね!
村上春樹の情報
海賊の括弧をしたおじさんを見かけました。陸の上で見るとかわいいもんですよね。 …
肝血管腫?さん、こんばんは。
そうとも言えないでしょうね。オモシロクないゾーってことよりも、思想的な匂いのほうが強い感じもします。僧侶の自爆テロってのも多いですしね。イスラムとかも・・・。
心の豊かさは、経験とはまた別で、知識ともこれまた別のようにも思います。ではなにかと言うと、余裕なのかもしれないと。優しさみたいな。
自爆テロですか?それって、ある意味そう遠くもない将来、彼岸に行くかもしれないアキラメ感に自分の自業自得で病気になり、まぁしょうがないかーと割り切るものの、ナンダカオモシロくないゾーって感じですかね。金のない貧乏はどうとでもなりますが、心が貧しくなると何かが歪んで見えたりしますね。以前の私も30代はこう考えるとか、40ならとか思ったこともあり、知人も同じ事を言ってましたので懐かしくもあり哀しくもあり・・・自分に何かを納得させたいからなんでしょうね。宗教の興味は全くないのですが、職場も家庭もある意味修行の場かもしれません。
村上春樹について調べてみた
新聞のテレビ欄におもしろい記事が載っていました。やっぱりみのもんたさんはすごい…
>期間従業員 Kさんへ
ま、そうですねえ、考え方次第ってことなんでしょうし。不満も、必要な場合もあるのでしょうね。全くないと、それはそれで進歩もなさそうだし。
ボクは、ま、不満もほとんどないから、結局だらだらとした生活をしているのだろうと、思っています。なにか強烈な不満があって、それが身体を動かすほどだと、良いかもしれないと、思ったりもします。
自爆テロを起こすぐらいのね。
前向きですか。
ま、そうですね。
年齢というのは、かなり関係してくるように、今は感じています。その前むきという意味も、おっしゃるように違ってくるでしょうしね。
>肝血管腫?さんへ
う~ん、やっぱり生き方ってのが問題になるのかもしれませんね。お金というよりも、そんな自信というか。おっしゃる通り、羨ましいと思った時に、何かが変わるのでしょうね。きっと。
村上春樹、そうですね。
ありがとうございます。
>yさんへ
そうですね。
ライン作業も、「ゴルゴ13ゲーム」なんて思ってやってました。それとか競争したり、してね。
そんな時は、やっぱり楽しそうな表情になっていたのかもしれませんね。
ええ、ま、ボチボチですね、お互い。
>ぽーにょさんへ
#魚の子ではなさそうですね。
そうですねえ、そういう視点ってのは大切なことかもしれませんね。
んでも、小さいから、やる気も起こらない、なんて思ったり…。ってこともあったり。
台風がそれたようで、もう天気も回復してきて、アイスが食べたいと強く思っている、今です。
本人の心掛け、気持の持ちようが大切なのではと思います。
ネガティブないしはニュートラルな姿勢だと、たとえ、日本国首相、トヨタの社長、映画スター、不労所得者、・・・、どのような立場でも不満は生まれて、だんだんと大きくなるのではないかと思います。
人は老いてやがて死ぬ。
歳月の流れをとめることはできない。
若いうちはともかく、もしそうでないなら、今、できることを、もしくは今の境遇を前向きにやっていくことも、そんなに悪くはないですよ。
まあ、この場合、どれくらいまでが若いのかが、難しいですが。
僕たちの出来事は。宇宙の中では、小さい事なんだよね。
遠くからみればね。
うん。
初めましてです。楽しいと思わないと辛くて泣きたくなることありますね。あんま無理せんとボチボチね。
こんにちは。シュールな感じから微妙に雰囲気がかわりましたね。苛立ち、焦りでしょうか?小難しいことは今ひとつよくわかりませんが、どんな仕事にしろ働けてお金が頂けるのが羨ましいです。今は働きたくても働けず、人生の半分はブラック~グレーゾーンで生活した為に信用も無く・・・だからと言って世をスネているワケでもないんですが、日々過ぎていく月日の速さに驚くばかりで。格差は高収入とかを羨ましいと思ったら格差になるのでしょうね。金があっても健康じゃなければ何も出来ず動けず、で。村上春樹、読んだこと無いからわかりませんが、お好きなんですね。台風13号も近づいてますから、鬱々とした気持ちも一緒に吹き飛ばしてくれたら良いですね。心穏やかにお過ごし下さい。お父さんの分もお母さんを大事にしてあげて下さいね。