ライン作業とはタクトに合わせてステップを踏むダンスである。ということを ライン作業の快楽で書きましたが、標準作業要領というものがあって、ワークを持つ位置や、目視して確認する場所や、指差確認の時期などが作業工程ごとに詳細に決められています。ですから、予め決められた動きをするのであって、それはやはりダンスのようだと思います。（ラインダンスと呼んでいますが）

豊橋市電・赤岩口車庫

ダンスを踊るには、それに適応した音楽が必要で、やはりラインタクトに合わせた、そしてリピートする音楽（ラインミュージック）が作業に存在するように思います。ラインタクトが60秒ならば、その音楽（ラインミュージック）は60秒間のフレーズを繰り返すのです。踊り子（作業者ですね）は、遅れないようにラインダンスのステップを踏みます。

正確なタクトが時を刻み、それに合わせたラインミュージックが流れる。ダンサーにとって、遅れないようにということが最重要事です。

ところが、中にはとんでもない人がいて、もしかしたら音痴なのかもしれませんが、人よりも早く演奏したり踊ってしまったりしています。本人はそれがカッコイイと思っているらしくて、ひとり悦にはいっています。中にはそれに合わせようとする人たちも出てきました。もうこなると音楽とは言えなくなります。ノイズと言った感じものになってしまいます。

音楽やダンスを踊るように作業が出来ると、恐らく見ていると芸術的なものになるのではないかと考えています。そしてやっている本人たちも「おお～」と思うのかもしれません。音楽やダンスをやったことのある人なら分かると思いますが、相手の動きや音、そして心の動きなんてのを読む力が必要になるのだと思います。

周りを見渡す余裕と、相手のことを気遣う優しさなんてのが、音楽家には必要なのかもしれません。そして刻々と変化する動きに対しての判断力なんてのも大切でしょうか。自分だけ突っ走って「おりゃ～、どうだ～」なんて言うのは、どこかの国の首領だけで十分でしょう。

月曜日からはあなたのラインのタクトの長さにあわせた歌でも歌いながら、軽快なステップを踏むと…きっと暑さも忘れてしまうかもしれませんね。なんてったてボクたちはミュージシャンでありダンサーであり、ま、言うならばアーチストですから。