緊急事態宣言再発令下、タクシーの休業について考えたこと

2度目の緊急事態宣言が発令された。緊急事態宣言とタクシーの休業について考えてみた。

宣言下の街はというと、昨年4月よりは感染者数は爆発的に増加している。とはいえ昨年ほどの深刻さはないように感じる。それは、マスクやアルコールと言った物資が供給されているからなのかもしれない。あるいは「慣れ」なのかもしれないと考えている。

地方のタクシー運転手は、雇用調整助成金での休業手当と休業による供給減で、なんとか食いつないでいるという状態。つまり、供給不足が運転手の売上を押し上げている。しかし、事業者は青息吐息、倒産しないのが不思議と感じている。しかし今回の緊急事態宣言発令で止めを刺される…。

2021年1月2日 中部国際空港セントレアも国際便はほぼ欠航でした

2021年1月2日の中部国際空港セントレア

緊急事態宣言とタクシーの休業

そうした中、今回の緊急事態宣言、東京大手4社の休業に対する方針についてネット上では、どちらかというと、「休業させろ」という声が多いようだ。そして、川鍋ハイタク協会会長への反論が多いように感じる。

というのも東京交通新聞に「日交・帝都・kmフル稼働 大和は乗務員休業50%継続」という記事だ出たからだ。その中に川鍋会長談として「医療従事者らを輸送する必要があるとして、各社に供給の確保を求めた」とあったのも、騒がしくなった一因のようである。

ボクたちはエッシェンシャルワーカーとして、最後の移動手段として、「タクシーを必要とする利用者、特に緊急事態宣言下では、傷病者、高齢者、障害者、妊産婦、医療従事者、介護施設職員への適切な供給を確保することが重要」だと思うし、「適時適切な対応」も必要不可欠だと考える。

確かにそうなんだ。ボクたちを必要としている人が大勢いる。そしてボクたちでなければ出来ないことも多い。

雇用調整助成金を使っての休業

ただね、思うんだけれど、医療崩壊が叫ばれている中、ボクたちが、これほどの無防備なタクシーで、その医療従事者を輸送することの危険性を考えると、「そうだよね、フル稼働させないとね」と簡単には言えない。そしてその医療崩壊の原因をボクたち自身が引き起こすことになりかねない。そう考えると、もろ手を挙げて賛成も出来ないということなんだ。

どういうことかというと、タクシー業界は感染リスクの高い高齢者が多い。移動が制限され需要が激減している中、せめて感染リスクの高いドライバー、つまり感染リスクの高い運転手を雇用調整助成金を使って休業させるほうが良いということなんだ。いや全ての運転士に対して20%でも30%でも休業をさせることが全体の感染リスク、社会的損失リスクを低くすると思う。

こちら側が感染者になるという観点が欠落している。そのことが川鍋会長バッシングになっているように思う。

稼働=赤字という状況の地方の中小零細事業者は、タクシー運転手の休業しか打つ手がない。この状況が続くと、倒産し、その大手が地方にやってくる。それはそれでしかたないのかもしれない。もう終わりの始まりは始まっている。休業しても稼働しても地獄は地獄。

緊急事態宣言下の週末、金曜日、悲鳴が聞こえている。

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雇用調整助成金を使って、もっと休業してください稼働台数をかなり削減しているようだが、削減したとしても、外出自粛と給付金付きでの休業要請を出している状況では、週末の繁華街はゴーストタウン化していて、相変わらずタクシーは並…
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