緊急事態宣言と日本交通 フル稼働について考えたこと

暇だ。

緊急事態宣言下の街は、特に夜の繁華街は静まり返っている。

そんな夜の時間帯を避け、昼間に稼働数を増やすハイタク事業者も多い。その結果、昼間が供給過多になっているらしい。少し前までは、休業分の供給不足で稼働台あたりの営収も上がっていたのだけれど、緊急事態宣言が発令されてからは人がいなくなった。タクシーも少ないが、お客様も少ない。つまり、キチンとステイホームや時短営業が行われている証拠だ。

緊急事態宣言と日本交通

1月11日付東京交通新聞1面の「日交・帝都・kmフル稼働 大和は乗務員休業50%継続」という見出しで、川鍋東京ハイタク協会会長が「医療従事者らを輸送する必要があるとして、各社に供給の確保を求めた」という記事が出た。

1月11日付東京交通新聞
株式会社東京交通新聞社

そのことについて、ネット上では否定的にとらえる意見が多かった。例えば「どこに医療従事者がいるのか」とか「エッセンシャルワーカーという便利なことば」などだ。

そして次の週の同じ新聞に「km、稼働35%削減 緊急事態宣言再発令1週間 日交はフル運行維持」という記事が出た。川鍋会長のおひざ元である日本交通は「エッセンシャルワーカー(社会に必要不可欠)なサービスとして社会的責任を果たす」という力強いコメントで、フル稼働を継続する意志を示した。

タクシーの存在意義と社会的地位

「エッセンシャルワーカー」。このコロナ禍に、やっとタクシー業界も認められるようになった。

それまでいくら「社会の公器」だ「公共交通機関」だの言っても、そして、UD、マタニティ、見守り、相乗り、フードデリバリ、買物、デマンドにコミュニティバス……考えられるありとあらゆる輸送の試みを、努力をしても、世間はなかなか認めてくれなかった。

そんな努力とは裏腹に、「雲助」や「運ちゃん」なんて言われ続けている。いや、その呼び方が問題ではないのだ。確かに、悪質な運転手がいるとしても、多くの人が思い抱いている「タクシー運転手」のイメージ、それが雲助や運ちゃんという呼称になっているのだ。

しかし、このコロナ禍において「エッシェンシャルワーカー」と認めれれるようになった。やっと必要とされているという実感を、ボクたち現場も体感できるようになったのだ。

だから、緊急事態宣言下においても、どんな状況になろうとも、街にタクシーがない、ということだけは避けたいのだ。タクシーの存在意義を知らしめる絶好の機会なのだ。

社会的責任

そう思う。そう思うと、川鍋会長の「社会的責任を果たす」という言葉に共感できる。

今こそ、タクシーこそが社会に必要不可欠な移動手段であることをアピールしなければならない時なのだ。そして、今後増加する「自宅療養者」に対する医療関係者の輸送と、薬の配達に対応しなければならないのだ。そこが「医療従事者らを輸送する必要」ということであり、フル稼働する理由なのだ。

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