職業訓練の有効性
職業訓練の有効性が説かれて、まるで夢の制度のように多くの人が言っています。労働政策を研究している人たちも同じです。例えば、ヨーロッパを例にとって救い主のように語っています。
職業訓練校修了生の就職率90%の理由
職業訓練を受ければ、あるいはそこで資格を取れば、職に就けますか?馬鹿なことは言わないでください。昨日のNHKニュース9を見たましたが「昨年度の職業訓練校修了生の3か月以内の就職率は90%」だそうですね。これもちゃんと調べて流して欲しいものです。
ボクもその職業訓練校修了生です。10%に含まれています。前にもそして何度も書いていますが、卒業時に就職が決定していた訓練生が10%以下でした。終了式の時に「なんでもいいから、アルバイトでも派遣でもいいから、1日でもいいから、就職したと言ってください」と担任の講師にお願いされました。
中には次のような人もいます。
失業者の混乱と絶望
職業訓練校 ポリテク の感想- ~ thanks ~ きなこ
就職の斡旋も特に無く
就職率ばかり気にしている。
3ヶ月以内に就職してください。
担任は 派遣に登録しろとみんなに言っていた。
派遣に登録するためにわざわざポリテクへ通っているわけじゃない。
職業訓練の有効性とはそんなものです。このような状況での90%だったわけです。そして就職率と言っても受講した訓練内容に関係する職業に就けるのはその90%のうちの10%ぐらいかもしれません。もちろん、職種によっても違うでしょうが。
要するに、資格取得と就職率の因果関係、の問題なのです。そこを追跡調査して数字を出して欲しいと思っています。訓練終了後3か月過ぎれば無関係ですから。ハローワークでさえ、そのことに言及しませんからね。
そもそも、職業安定所所長の指示でポリテクを受講しているのに、その指示したことに対しての責任論は出てこないのでしょうか。つまり、受講終了後にこそ指示があるべきではないのでしょうか。このあたりの職業訓練のあり方を変えない限り、とにかく訓練させとけ、と言うようなもので、その実効性がないのだから…。
そしてこのような雇用危機に「職業訓練校を卒業したら就職がある」なんて安直に考えること、それをあたかも夢の制度のように謳うこと自体、失業者を混乱させることになり、そして失業者を絶望の淵に追いやることになる、ということを、どうしてこの国の労働政策に携わっている人たちは考えないのでしょうか。
雇用政策の有効性
積極的雇用政策のことを『大失業時代を生きる「35歳の時に何をしていましたか」』で、その有効性をシュミレーションしていました。イギリスでは400億円の失業対策費に対して800億円の経済効果があったということが実証されているようです。
それは有効な求人という下支えがあってのことですよ。出口のないところへ失業者をどんどん押し込むとどうなるかぐらいは、誰が考えても分かることでしょう。つまり、雇用がない雇用対策は無効だということですよ。クリープのないコーヒーどころの話ではなくて、コーヒーのないコーヒーなのですから。
そのシュミレーション、積極的雇用政策への支出をプラス2兆円(この2兆円がNHKの意図するところかシンクタンクの意地悪なところかは分かりませんが)を行うと。25万人の失業者を正社員化できて20年でGDPを5.7%押し上げるということでした。
職業訓練校の有効性
そのために失業者に対して訓練費200万円、生活費120万円を2年間支給するという案が出ていました。この2年間というのが大切でしょう。今のように3か月とか半年の訓練では職業訓練というよりは、それこそNHK文化講座、あるいはユーキャンの資格講座、その程度の質ですからね。
一方、訓練期間は半年でいいとしても、その後のケアをしっかりしないと、ハローワークもポリテクも訓練終了後3か月という期間だけしか考えないですからね。調査した次の日に離職しようが「そんなの関係ない」ってものですから。
結局、雇用拡大といことを大前提にして、職業訓練後に重点を置いた失業対策を行わないと、本当に夢の職業訓練になってしまって、職業訓練の有効性がないということになります。それは、税金をまたジャブジャブと使うということです。「わたくしのお仕事館」の実績もありますから;)
#今度は「わたくしのポリテク館でしょうか。
職業資格より学歴という現実
この国の人たちは学歴や資格に対して異常に固執しますからね。漢字検定なんてのを見ていると分かるでしょ。「大学は出たけれど」なんてことはもう何年も前から言われているではないのですか。いえ、資格や学歴が無効だと言っているわけではないのですよ。
失業対策を行う人たちの頭の中がいまだに昭和50年代のようで、あるいは学歴コンプレックスがあるのかもしれませんが、資格や学歴だけでどうにかなるなんて考えているようですから。
そしてたまに「自動車免許持っているのなら仕事があるだろ」なんて、どっかの自動車会社に洗脳された人もいるのだからビックリします。何を持っていようが、雇用がないのだから、そしてそこを改善せずに、職業訓練を行っても、と言っているのです。
職業訓練を受講できない人たち
さらに問題は、その職業訓練校にも入れない人が多いということです。それももう何度も書きましたが、すでに昨年の9月に分かっていたことですからね。失業者が増えるということは読めていたはずですから。それを読めないこの国の労働政策のプロにも問題があるのかなあ、と考えています。後出しじゃんけんのように、今頃いろいろ言うヤツが多いということですよ。
政策が後手後手に回っているということです。
NHKスペシャルは、あとのNHKニュース9と一緒に見ると良かったですね。セットで流したほうが分かりやすかったし、完成されていたように感じました。新型インフルエンザよりは雇用問題のほうが深刻だということ。ワクチンも開発されていなければ、手洗いやマスクなんて有効な予防策もありませんからね。何よりも国家の存亡に関わる問題ですから。
「職業訓練心経」
まかはんなにゃはらしょくぎょうくんれん
かんじざいくんれん ぎょうじんはんにゃはらしつぎょう
……
なんて「職業訓練教」みたいだね;)
救い主になるかもしれないけれど…。
失業という行なのかもしれない。修行して立派な仙人になれるかも…。
で、どこのお寺で修行されましたか?東京の江戸川職行訓練校で、とか。で、ああ、あすこは、機械教が有名ですね。とかとか…。
仕方ないですよ。この国は、なんでもカタチだけですから。基本法の憲法ですらそうでしょう?明治憲法の統帥権にしても、今の憲法9条にしても、いいように拡大解釈して形骸化している。
明治後、急速に近代化したこの国は、実は民主主義というもの自体が根付いていないのではないかと思います。
あの高速割引や定額給付金にしても、成熟した民主主義社会では暴動が起こってもおかしくないくらい矛盾だらけなのに、この国の人たちは「お上」の言うことには素直に従う。
中国のことを民度が低いとバカにしながら、実は日本こそチョンマゲ時代と変わらないのではないかと思います。
>noneさんへ
そうですね、3か月程度じゃ、どうしようもないかなあ。NHKで放送していたように、イギリスの再就職支援団体のように、就職までケアするとか、就職して安定した時点で給付金を支給するということをしないと、卒業はい終わり、ですから。
ま、助かるという程度で入る人も多いし、その給付延長、あるいは、3か月の待機期間のために入校する人もいましたもんね。
>がんちさんへ
漫才のつかみ、ああ、そうですね。言っちゃダメだと分かっていても、癖で言ってしまったりするのかもしれませんね。それに、「どこでも」と言いながらそれは「がんばれ」ということだったりするのかもしれないとも思っています。
そうですねえ、ボクの場合は近所も無い状態なので、それに先輩も後輩もいないので、簡単と言えば簡単なのですが。
そういうのも胡散臭く感じるのでしょうね。結婚もしていない扶養家族もいない、まして地元でもないなんてのは不利なのかなあ。
>元田原フレームさんへ
そのありがたい制度は分かっているのですが、制度自体が甘いということです。それに6倍ちかい競争率は、そういう制度があっても利用できない人のほうが絶対的に多いということですから。
それも前に書いたのですが、要するに利用できる技術みたいなものを持っている人が有利な制度になってしまっているし。
肉体的な能力はどうなんですかね、それを言い出すと、たぶんアフリカの人たちが強いかもしれないですね。スポーツの成績と比例すると思っています。
そうなると、日本人は陸上だと400リレーしかメダルの希望がないというようなもので、そこを強化しないと、と考えています。Made in Japanということはどういうことなのかということに繋がるのですが…。
>ついでに携帯くんへ
ま、そんなメールは山ほど貰っているから、うれしくもないのだけれど、そろそろ通報しようかとも思ってるよ。
私は、職業訓練を受けたことは無いのですが
『あるだけ』でも有難い制度かなと…
評定云々もあたりまえというか、就職率という尺度でしか
判断できない仕組が問題なのでしょうかね?
旅行を兼ねて、北海道の水産加工所で中国人労働者に
混じってアルバイトをした事があったのですが
マジで『作業能力で負ける』と感じました
日本人であることに甘えているとマズいかも
就職して下さい、予算が~ってのが挨拶の訓練校の長も、もう美意識的なモノなんて無くなってるんでしょうね。構造上しかたない気もしますけど。
漫才師の掴みみたいなモンと思って聞いていましたけれど。
自分がささくれ立っているのが解るのが辛いですね。
結局、僕も母が生きてるから犯罪を……ってだけで、母がいなくても、心配してくれる先輩が、気に掛けてくれるご近所さんが、なんて広がって。
最後は国が……なんてなるんですけれど。
で、国のこと云々言っても、お金(仕事?求人?)にならない話は興味がないので聞き流される。
皮肉なことで、失業中の方が国家の心配をしている気がします。
担任が就職率ばかり気にしているのは自分の評定に関わるからでしょうね。
あの程度の職業訓練ではほとんど役に立ちません。税金の無駄使いです。
でも、訓練期間中、失業手当の給付が延長されるのは助かりますよね。