全国タクシー配車、どうなんだろうね?
タクシー業界では話題のスマホアプリ「全国タクシー配車」。全国なんてネーミングなんだけれど、今のところ、使えるのはごく一部の地域。愛知県にいたっては名古屋市内だけ。そんな全国 地域限定タクシー配車なのだ。
名古屋タクシー配車
名古屋市内といっても加入しているのは名鉄交通だけ。だから、「名古屋・名鉄タクシー配車」と呼んだようが良いかも。「配車エリア拡大推進中」なんて表示されるけれど、エリアが拡大されたとしても、名鉄系列だけになってしまいそうな予感…。
それに所有台数という制限もあるから、配車する余裕がある場合は良いのだけれど、結局は「ただいま混み合っていて配車できません」なんてことになる。結局いつものように電話で配車を依頼する。流しのタクシーをつかまえたりということになりそうだし…。
全国タクシー会社案内アプリ
配車エリア以外の地域、例えばここ豊橋市内も該当するのだけれど、そういった地域だとどうなるかというと、どんな場所でも名鉄系列の豊鉄タクシーが「電話で呼べるタクシー会社」として表示される。もちろん電話番号付きで、それをタップすると豊鉄タクシーの配車センターに電話がかかる仕組みになっている。
それは便利か、というと、逆に不便なのだし、不親切なのだ。例えば東海交通の車庫の横であったとしても「電話で呼べるタクシー会社」は豊鉄タクシーなのだ。実験的にやってみたが、やはり豊鉄タクシーしか表示されない。当たり前と言えば当たり前で、加入しているタクシー会社しか反映されない。(となると「全国」なんてのもおかしな話になるのだけれど)
新規顧客開拓アプリ
逆に加入している会社は新たな顧客を開拓できる可能性もある。現在は名鉄の独占状態で、配車エリア外でもアプリ経由で電話がかかってきているに違いない。がしかし、例えばこれまで東海交通の独占状態だった豊橋市郊外への配車エリアからも依頼があったりして(たとえば二川とか石巻とか)、そういう場所へは運転手としては行きたくないし、配車センターも断る場合があると思う。
だってお迎えに行くのに20分とか30分かかる。それで5分10分の場所に送るなんてのは、時間と燃料のムダだし、事故リスクも高くなる。
電話で「30分ぐらいかかりますが」なんか言われて「それぐらいなら待ってます」なんて奇特な、いや時間を持て余している人なんかいないはずだし…。それでも「待っています」なんて言われと行かなきゃ仕方ないし…。会社としては「差別化」なんてことで嬉々として導入したがるのだろうけれど、運転手としてはこれまで以上に面倒なことになるような予感もする。
これから起きるトラブル
スマホのタップだけでタクシーを呼べるということは、運転手にとっては好ましくない。従来通り「声」で判断した情報を配車時に流してくれるということもなくなる。
利用者の情報が全く解らないままに配車される。泥酔していて行き先を言えないも状態でも配車される。なんでもかんでも呼ばれれば行く、なんてことになる。これまで以上にキャンセルも多くなるに決まっている。ボタンひとつという気軽さにはそういうリスクもあるということなのだ。
同一地域で複数の会社が存在するようになった場合はどういう配車をするのだろうか、なんて興味はあるのだけれど、結局愛知県内では名鉄交通系列しか参加しないと思う。となると、首都圏だけの「タクシー配車」になるのだろう。それも単一会社の。
配車を受けますか?
運転手の立場から言わせてもらえば、配車なんてのは暇なときは良いけれど、忙しい時期、時間帯にあると「ありがた迷惑」なのだ。だって、お客様が目の前で並んで待っているのに、わざわざ遠くまでお迎えに行かなければならないのだから。
それにタクシーの予約や迎車なんて簡単にキャンセルする人が多い。遠くまでお迎えに行って、キャンセルだった時なんてのはぶん殴ってやろうかと思う。いや殺意まで…。キャンセルしたってあっけらかんのかーで、キャンセル料なんてめったに頂くことはないし…。
そんなタクシー配車のシステムよりも「全国救急車配車」とか「全国パトカー配車」なんてほうが役立つんじゃないかなあ、なんて思っているのだけれど…。
どこで呼んでも一社しか表示されないのはとても不便だなあ。