長時間労働と非正規雇用が日本をダメにしてきた

長時間労働と非正規雇用、この2つが日本をダメにした。さらに、非正規雇用や年休の未消化なんてものがあること、要するに政府や企業、労働組合なんてものが、この国の雇用についてキチンと考えてこなかったツケが回ってきているってことなんだ。

長時間労働が日本をダメにしてきた

「そもそも、日本企業は25年前にそれまでの古い労働慣行を変えるべきだったのです」
カルビー会長が喝!長時間労働が日本をダメにしてきた|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

その理由は、三六協定だ。つまり、労基法上では週40時間という労働時間の上限が決まっているのに、三六協定で「金」の問題にすり替えてしまったことが、この国の雇用政策の最大の失敗。

それに加え、ワークライフバランスなんてことを無視して、長時間労働が美徳になってしまった。残業分込みの収入でそのワークライフを考えるようになっては、もうその泥沼から這い出すのは難しい状況になっていた/いる。

例えば、残業だけではなくて年休も取らないことが美徳になってしまって、年休取得率が48%弱なんて低い数字になっている。中小企業だと20%とか30%、さらに小さいところだと0%なんて人も多いはずだ。

「残業代なんて、会社全体のコストからしたらたかが知れています」とカルビーの社長は言うけれど、その残業をなくし、年休取得率を100%すれば、あらたな雇用が生まれる。

非正規雇用が増えた理由

ワークシェアという考え方ができなかったことと、労働力をその残業代や年休手当のようにコストとしか考えられなくなった経営が、長時間労働や非正規雇用の増加につながり、そしてこの国が抱える昨今の深刻な問題を起こす要因になったことは、誰の目にも明らかなはずだ。

金に目がくらんだ人たち

労働者も、そして守るはずの労働組合も「金」に目がくらんだということだ。残業をしなくても、三六協定なんて陳腐な労使協定を締結しなくても、週40時間だけ働けば、そして年休を100%取得しても、普通の暮らしができるような雇用と賃金のシステムを築くことなく、やはり「たかが知れています」というコストに拘ったことが、この国をダメにしたのだろうと思う。

「会社の仕組みだけではなく、法律や制度など、日本は改善するべきところが多いように」ボクも感じるのだけれど、相変わらずトヨタなんてのは期間従業員を募集し続け、内部留保をため続ける。

そうして下請けには、残業を強いるような、そして年休取得が出来ないような、コストカットを求めるのだから、企業のモラルなんてこと、あるいは社会的責任という考え方の低さにも起因する問題なのだろう。

長時間労働と非正規労働は永遠です

5日間の年休取得義務化に法改正されるという話もあるのだけれど、そんなものやったって、「はい5日取らせました」で終わるだけで、まあ、労働者の生活が劇的に変わるかというと、それは無理で、結局「消費」というお得意の分野を考えているだけの話のように映る。つまり、長時間労働と非正規労働はなくならない。

まあ、ボクたちは「国民」ではなくて「消費者」なのだから、しかたないか。

日本の生産力が残業と年休未消化と非正規労働に依存している体質から抜け出さないかぎり、さらにこの国はダメになると思うんだが、まあ、拝金主義のこの国では100年たっても無理な話なんだろうと思う。

「お金を儲けちゃダメなんですか」なんて言わないけれど、ザッカーバーグ氏のような経営者はこの国にはいなくて、いるのは豊田理彰氏なんて変態だけなんだから、もう沈没寸前で、まあ、それでも国破れて豊田家あり、なんだろうと・・・。

まあ、ボクたちは「国民」ではなくて「労働者」なんだから、しかたないか。ねえ?

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長時間労働が減らない理由

紅葉2015
今年もあと8日だね。がんばれオレ。

7件のコメント

  • さといもさん、あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。

  • 昔話になりますが学生の頃パートやアルバイトをしていて有給休暇の制度はないと言われており当時はそれが当たり前だと思っていた時期はあります。いわゆる零細企業でしたが。
    残業した分は支払われていましたがよく考えたら割増はなかったので今だったら突っ込んでいたと思う。
    他に途中で退社したら給料を受け取る権利はない、言い換えれば払う義務はないとも言われてたし従業員側の無知につけこんでいたのかもしれません。
    たとえ懲戒解雇であっても実際に働いた分を受け取る権利、支払う義務はあります。
    文章がうまくなく誤解を招きやすい点は気をつけます。

  • う~んと、「問題がないとは言えない」からこうして書いているんですよ:)
    だから週40時間という労働時間の上限を労使協定でなし崩しにしてしまったことが問題だと、ボクは言っているので、あなたが「仕方ない」と思うことは、この場合どうでもいいと思っています。
    「パートやアルバイトにはないというのも間違い」って、誰が間違っているのですか?だれも「ない」なんて言ってなくて、「しらない人が多い」と書くほうが良いですよ。
    そう言う風に決めて書くのもさといも流ですけれど:)

  • 裁量労働制もそうですが主に事務系や管理職だと自分の裁量に任されている部分が大きかったりしますので悪くいえばわざとチンタラ仕事してその分多く残業をやる事ができる。
    こういった仕組みにも問題がないとはいえないでしょう。
    予め一定の残業手当が組み込まれている給与体系を採用しているところもサービス残業の問題は起こりやすいですね。どこまでが基本給でどこからが残業分かわかりにくい。
    忙しい時期とそうでない時期で所定の勤務時間や休日の日数が変わったりするのはある程度仕方ないとは思っています。
    有給休暇に関しては使用しなかった分を時効になる2年もしくは退職時に原則買い取りとするよう義務付ければいいと思った事はありますがそうなったら金のために尚更消化率が下がりそうなので何ともいえません。
    中小や零細だとウチには有給休暇なんて制度はないとか言ってしまうところがあるとは聞きます。
    パートやアルバイトにはないというのも間違い。但し勤務時間に比例し付与される日数は変わってきますが。
    逆に一部にある欠勤遅刻早退があっても一切給料が減らない給与体系はおかしいと思います。残業やる代わりに遅刻等をなかった事にしてしまうというのも変。

  • >テルさんへ
    どうも。
    日本のモノつくりがダメになろうとしている原因もそこにあると思います。まあ、モノを作るのはロボットかロボットのような人間たちで十分な仕組みになっているのでしょうが。
    経営者の視点が株主に向いているということも。そしてその株主だって、昔は一部の人たちだったけれど、例えば非正規雇用の人だって株主で、一億総株主、総非正規になって、まあ、丸く収まるのかあ、なんて思ったり。
    >さといもさんへ
    裁量労働制のことですか?それはまた違う意味で問題で、サビ残の温床になりかねない。
    まあ、問題をすり替えるのは簡単なのですが、労働者側に責任、消費者側」に責任、なんてことしてしまうことが、いつまでたってもこういった問題が片付かない要因ですよ。
    さといもさん得意の「そういう人もいる」理論の延長でしょうが:)
    そういう選択しかできないところに問題があるのですよ。
    それを言っちゃあお終いよ、ってことです。
    比較的キチンとかなあ?
    中小ではそんなことないと思いますよ。解雇にしてもそうだろうし。

  • こんにちは。
    残業に関しては自分の裁量でできるところと原則ほぼ全員が強制的にやらされるところの2つに分かれるのでそこは分けて考えないといけないでしょう。
    経営者側に問題があるのは確かですが残業や休日出勤ありきで生活設計を立てている労働者側にも一部問題はあると思っています。突き詰めればそれらがないと薄給になる賃金体系がまずいのですが。
    実際それらを込みで表示している求人広告は誇大広告。
    同じ会社でも職場や部署によって残業の多い少ないは出てくるのでそこで不公平感が出てくるといった面もあります。
    それなら忙しい職場に人を異動させればいいなどといいますがそれはそれで労働者を人として扱ってないなどと批判されたりするわけですが異動自体はある程度避けられないものだと思っています。違う仕事を覚えるなどといった意味もありますし規模の大きいとこだと入社から定年までずっと同じ職場などまず有り得ないし。
    過剰な残業は必要以上に厳しい要求をする消費者側にも問題がある。
    一日、いや一秒でも早くお客様に商品をお届けする気持ちは大切ですがそれが行き過ぎるとよくないし犯罪行為などを除いて消費者側が労働者の私生活に介入できる権利はない。
    それがブラック企業を成長させる要因の一つではないかと思っています。
    それでも製造業は残業に関して他の業種より比較的きちんと支払われているのではないかと思います。残業に賃金は発生しないなどと平気な顔でいう経営者が少しでも減りますように。

  • 田原笠山さん、こんにちは。今週の仕事を終えて冬季連休へと入りました。仕事が始まるまではゆっくりしようかと思います。
    今の日本の現状や社会問題は上に立つ人間が目先の利益や金に目が行って人間味の無いコスト削減等をやっていったのが原因では無いのかなあとか思ってしまいます。
    本当に非正規雇用が普通になってきている時点でいびつになってきていると言うか、生きづらくなったなあと痛感します。

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