冬至

帰省シーズンになると、人並みに望郷の念にかられることがある。
「酒強いですね」なんて言われるのだけれど、強いのではなくて酔えないのだろうと思う。どこかで用心しているというか、アウェイなので心から酔えないということもあるのだろうと思う。
きっと、地元ならば、これぐらい飲むと酔っぱらってしまうのだろうと・・・。これぐらい、だって、すでに酔っぱらっているらしい自分の身体とは別のところに、こうしてキチンとタイプしているのだから嫌になる。
熊本の蓮台寺にあるお好み焼き屋によく行っていた。じゅんちゃんの知り合いの、通称「お母さん」がやっている店だから、ということだけではなくて、屋台風の、といえばカッコイイが、なんだかアジアを感じさせる掘っ立て小屋風の店舗が気に入っていたというのもあって、そうして料金も安いという(これが一番だったかもしれないけれど)こともあって、よく行っていた。
このブログで知り合ったブルースさんとも行ったことがあった。お母さんは「ブログ」なんてことを理解できずに、なんとなく「知り合いなんだね」ということにしてしまって、いろいろとサービスしてくれた。佐賀の小城羊羹をその時に頂いて、お母さんはボクのために買ってきたらしかったのだけれど、ボクはそのままブルースさんに、それもお母さんの目の前で「これ土産に持って帰ってよ」なんて言ってしまって、あとで猛省したことを、思い出した。
その時にちょっと睨まれたのだけれど、その意味をあとで分かったのだから、なんと間抜けなことか。そんなことをじゅんちゃんに話したら「そりゃ怒るよ、お母さんはあんたのために買って来たんだもんね」と言われた。
いや、そんな話ではなくて、あの頃は、キチンと酔っぱらっていたし、もう歩けないなんて状態になっては、そこいらに座り込んだり、そのまま眠ったこともあった。羊羹も、酔っぱらっていたからの仕業なんだろうと、思う。
おとなになったんだね。なんて・・・。
グーグルのストリートビューで見ると、今もそこに建物はあるけれど、お母さんが健在でまだ経営しているのかは、分からない。
ああ、ダメダメ、こうやって昔話を書くようになってはダメだなあ、なんて思っている。
そうそう、今日は(というかもう日付が変わっているのだけれど)、冬至だった。冬至に当時の思い出を、なんてオヤジギャグじゃなくて、冬至だったので、柚子湯、ではなくて、柚子のナマスを食べた。お昼から飲み始めて、少し寝て、ひょいと電車に乗って・・・。まあ、そんな日だったのだ。
酔ひたい酒で、酔へない私で、落椿 (山頭火)
寝るか。
冬至に柚子なます

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