トヨタ役員の麻薬密輸で考えたこと

「麻薬を輸入したとは思っていません」と言っているらしいのだけれど、「いずれも小包を開けても見えない状態」で「『ネックレス』と輸入申告」したのだから、違法なことをしているという認識はあったのだろう。

警視庁組織犯罪対策5課は18日、米国から麻薬を密輸したとして、麻薬取締法違反(輸入)の疑いで、トヨタ自動車の常務役員で米国籍のジュリー・ハンプ容疑者(55)を逮捕した。同庁によると、「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認している

トヨタ女性役員を麻薬密輸の疑いで逮捕 容疑否認  :日本経済新聞

1.「子供」とか「仲間」「みんな」なんて叫ぶ、トヨタ社長の気持ち悪さ

「(ハンプ容疑者は)私にとっても、トヨタにとってもかけがえのない仲間」とか「従業員は私にとって子供のような存在。子供を守るのは親の責任。子供が迷惑をかければ謝るのも親の責任だ」なんて平気で言うところを見ると、やっぱりこの人苦労知らずのボンボンで、先の株主総会でも「みんなで」という表現を使いトヨタという集団を意識した発言をしていたけれど、そういった仲間意識を持っているのはあんただけだ、と突っ込みたくなる。そういったことを平気で言えることに気持ち悪くなるし、ボクはそんなヤツは信用しない。(まるで宗教家だね;)

それに従業員が子供ならば、おなじ子供であるはずの期間従業員を平気で使い捨てている神経を疑う。要するに仲間や子供、みんな、そんな集団を作っておいて、一部「非」という人たちをいじめるジャイアンなのだ。

2.労働者派遣法改正案の衆院通過と逮捕劇

民主主義とは残酷なもので、不幸な人が増えると分かっている法律でさえ、数の原理で決まってしまう。結局はトヨタをはじめとする資本家が最優先される。成長しなければならない社会では、格差は肯定される。それは資本主義の病で、国家や国民が疲弊して企業だけが得をする仕組みが完成しつつある。国破れてトヨタあり、なのだ。

同じ仕事をしながら同じ賃金をもらえない、正社員はボーナスが出るのに非正規はでない…。これを容認する親がどこにいるのだろうか。酔っ払って会見しているのか、なんて疑ってしまう。

3.トヨタ式が社会の麻薬なんだ

コスト至上主義で絞れるだけ絞る、それが正しいわけがない。特にものづくりにおいてはトヨタの大好きな合理性はだけでは良いものが作れるはずがなくて、無駄ということはものづくにおいて必須条件。だからレクサスはいつまでたってもポルシェやBMW、フィアットのようにブランド力がない。まあ、フェラーリやランボルギーニのようなブランド力はこの先100年たっても持てないだろうけれど。

そういう風潮が世界的に拡がってゆく。TPS(トヨタ生産方式)なんてのが当たり前になってしまっていること自体、世界がトヨタという麻薬に冒されている証拠なのだ。

4.ライン作業の麻薬性

トヨタ式のものづくりは確かに儲かるかもしれないけれど、ものづくりではなくて、単なる流れ作業をしているだけ。サルでもできる。(まあ、サルでもできるように標準化なんてことを推進してきたのだろうけれど)「ものづくり」をしているという幻想に気持ちよくなっているんだから、まさに作業すること自体、麻薬。

それに一日中タクトタイムに合わせてラインダンスを踊るなんてことは、ジャンキー以外できない。阿片窟の住人、それがトヨタマン。

5.広報担当だったという悲しさ

「今年4月、トヨタ初の女性役員になり、広報部門を担当していた」、普通はそういう人こそ法律なんてものに対して厳格でなくてはならないのに、「役員に登用した理由は人柄。コミュニケーションを大切にし、部下思い」ということだけで(はないだろうけれど)、登用した社長の甘さってのは、やっぱりボンボン社長ゆえに、と、思うのだ。

派遣労働者や期間従業員は「ざまあ」なんて思っているんだろうけれど、「これでトヨタが売れなくなったら」なんて脅迫観念もあって、この国全体が資本主義という麻薬中毒なのだからどうしようもないか。

労働者派遣法も改悪されて、安保法案も成立して、職業軍人という新しい雇用、それも公務員枠が増えて、若者にも明るい未来が待っているか。3年で入れ替え、まあ、派遣軍人制度にはちょうどいいか。トヨタも「MIRAI」なんて水素爆弾作って大儲け、ってオチだったり。とにかく、車酔いしたように気持ち悪いんだけれど…。(20時55分、一部加筆)

麻薬密輸:トヨタ社長「子供が迷惑、謝るのも親の責任だ」 – 毎日新聞

生涯派遣法案が衆院通過した

レクサスにブランド力がないたったひとつの理由

派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ

労働者派遣法改正
「ウェークアップ!ぷらす」より

2件のコメント

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    けんちんうどんさん、どうも。
    北の国とか国家ぐるみで親子でしょうね。あとカルト集団とか…。親子なんてことで血のイニシエーションなんてのが起きないことを祈っていますが。
    そういったカルト的な胡散臭さに気持ち悪くなります。
    あと、大統領の子供と、戦災孤児を呼んでいた社会主義国家がありましたが、あれは安心して戦死してください、ってことなんでしょうね。
    そんなことも思い出しました。

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    田原笠山さんのおっしゃる通りだと思います。
    経営者がこのような記者会見で「子ども」とか「親」「仲間」といった言葉を使うのは、マユツバものです。
    外国のことは知りませんが、このような場面で経営者が「子ども」「親」という言葉を使うことはあるのでしょうか。

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