長時間が減らないもうひとつの理由

人の欲望は果てしない。
その人の集合体である企業とか国家の欲望もまた果てしない。

成長しなければ、増収増益しなければ、前年比をクリアしなければ、トップも管理職も従業員も、その呪文を唱える。そうすればボクたちの生活は豊かになるというのだけれど、そんな気配すらない。

その欲望のために、死ぬまで働かなければならない。成果主義とか歩合制賃金になっているということを自覚しない/出来ないで、ほとんどの労働者は働かされ、働いている。自動車工場は生産目標が決められ、ラインを止めることもできないでいる。

国会での立憲民主党長妻昭氏の労働法制についての質問中「日本の非常識(労働)」というパネルを見ながら、企業の上から下までサービス残業をが減らない理由も、入口規制のない契約社員も、原則自由な24時間労働も、そうして労使協定だけで長時間労働が簡単に許される労働法も、その被害者である労働者の意識が、それを当たり前だと、常識だと考えているこそが、長時間労働を減らせない理由なんだろうろと思った。

DVと同じで、労働者は恋人(企業)から殴られても蹴られても、愛(昇進や賃金)という甘いコトバと引換えに、それを受け入れ、正当化させられる。DVが慢性化し恒常化し、とうとう命まで奪われる。企業というよりもカルト集団となっては、教祖のためには命も投げ出す。そしてそれが常識になってしまう。

「残業があるのが普通です」「残業しなければ暮らせません」なんて言葉は、ボクにはまるで「暴力があるのが普通です」に聞こえる。自らがパワハラやセクハラを容認するように、男尊女卑的な悪しき風習と、丁稚制度的な古い制度が、いまだに労働者の精神構造の支柱をなすのだから、長時間労働なんて暴力は減ることはない。

長時間労働が減らない理由

5時から頑張る日本人-日本人は労働時間短縮は可能か?

立憲民主党 日本の非常識(労働)

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