監督指導、送検、犯人は誰だ
自動車運転者の職場への監督指導、送検状況が発表されました。タクシー会社の91.3%で違反があったそうです。つまり、労働基準監督署の監査が入れば、違反が見つかるということです。真っ白な職場はありません。監督指導、送検、犯人は誰だ!
タクシー会社への監督指導・送検などの状況
「自動車運転者を使用する事業場に対する平成31年・令和元年の監督指導、送検等の状況」が厚生労働省から発表されていました。
自動車運転者を使用する事業場に対する平成31年・令和元年の監督指導、送検等の状況を公表します
91.3%もの労働基準関係法令違反事業場数がタクシー業界にあったそうです。「叩けば埃の出る」業界と言われてもしかたがないのが、ボクたちの住むタクシー業界のようです。
自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況(平成31年・令和元年)
主な違反事項は「労働時間(49.8%)」「割増賃金(33.4%)」「休日(4.3%)」です。確かに方面(監督署の監督課)の方々もプロなので、手ぶらでは帰りにくいのでしょう。それを考慮しても、この数字には驚かされます。
そして、それらの違反に、例えば、
- 誰も気づかなかったか
- 気づいていたけれど言えなかったのか
- もうそれが当たり前になっていたのか
なのでしょう。
どうして違反が起きてしまうのか
タクシー業界の運行管理者や労働組合は違法行為の抑止力になっていないのでしょうか。企業としても内部統制やコーポレート・ガバナンスなんて言葉だけは一人前に使っていたとしても、ガバナンスできていないから、叩けば誇りが出る体質になってしまっているのではないのでしょうか。違反ありき、やったもん勝ち、営収第一主義、そういった悪しき業界風土が、風通しを悪くしているのではないのでしょうか。
いえ、これは、なにも業界風土やブラック企業ということだけではなくて、ボクたちの無知にもあると思います。また、運行管理者の質の悪さや資格や講習の甘さなんてこともあるかもしれません。
でもね、全員が犯人だとしても、被害者はいつもタクシー運転手、乗務員なのです。割増賃金未払、最低賃金未払、不当な乗務員負担・・・。いつも、傷つくのは乗務員なのです。
そして傷つき、憎しみ、別れる・・・。残されたボクたちは、TLに流れる別離のツイートを哀しい気持ちで、読んでいる。