コロナ禍のタクシー業界(この半年間の個人的まとめ)

4月、5月は、非常事態宣言、外出自粛、休業要請などがあり、夜の街がゴーストタウン化したような「これまで経験したことがないひどさ」だったのだけれど、6月11日の東京アラートが解除されると、少しずつではあるが、人の動きも活発化していった。

7月になると、特別給付金10万円が支給された。また自粛の反動からか、週末は前年並みの日車営収を上げることもあって。やっと春が来たと感じていた。

日車営収の上昇

日車営収の上昇の原因は特別給付金だけではない。各社、雇用調整助成金を利用し30%〜50%の供給量にしたこともある。供給不足がコロナ禍のタクシー業界に「年末の忙しさ」を生んだ。

そういった忙しや、雇用調整助成金による休業手当もあって、私たちの賃金は前年比50%という会社の営収よりも高い前年比70%〜80%に保たれていた。

その会社と私たちの収入差から、経営に対する感覚のズレが生じ、それがその後の全体の営収の鈍化に繋がったと、個人的には分析している。そのことについては、稿を改める。

感染者数が増え収入が減る

7月は、その活発化した人の動きからなのか、過去最高の感染者数になった。そして8月にはさらにその1.8倍もの数字を記録した。その感染者数の増減がそのまま、タクシー業界の営収として現れている。発表される数字が安全指数となって、人の動きを制御している、そんな感じを受けた。

9月になると、新たな感染者数は減少した。そしてGotoキャンペーンなどで、いったん落ち込んだ数字が上昇に転じる。感染者が増えない安心感と、あきらめ、そこにキャンペーンが外出を後押し、タクシー利用者も増えている。
そんな感じで、この半年が過ぎていった。

コロナ禍で明暗を分けたもの

さて、そういった状況の中で、コロナ禍で地方のタクシー業界の明暗を分けたたったひとつのことといえば、それは、固定客の多さだ。

当たり前のことだろうし、パレートの法則通り、2割の顧客が8割の売上を生み出す・・・。

タクシー業界の固定客といえば、電話で配車を依頼する顧客だ。コロナ禍と言えども、人は動かなければならない。病院や買物・・・。

配車の重要性

人の動きが止まると、いくら駅で待っていても、いくら流しても、お客様はいない。ところが、固定客の多い会社はその固定客への配車がある。配車率の高い事業者が一番先に立ち直ったはずだ。

ところで、JR東海の通期赤字が1000億円だったそうだ。これは中長距離移動需要の壊滅的現象が原因だろう。しかし人は自宅に引きこもっているわけにはいかない。となると、エッシェンシャルワーカーとして、タクシーに求められるものは、短距離需要の拡大。つまりドアツードア、タクシーの得意分野の拡充こそ生き残りのために不可欠かもしれない。今までのように営業距離数だけではなく、配車率×実車率がwith コロナだろう。

まあ、そんなことはとうのとっくに解っているか。そんな感じで、街にはイルミネーション、一年で一番忙しい年末がやってくるのだ。

新型コロナウイルスの影響によるタクシーの営業収入の変化
新型コロナウイルスの影響によるタクシーの営業収入の変化(東京交通新聞のデータをグラフにしました)

JR東海 2020年9月中間決算 会見全文:中日新聞Web

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