udタクシーの乗車拒否
udタクシーが登場して6年目ですか……。豊橋市では2018年3月5日「ユニバーサルタクシー出発式」が行われました。その時にデモンストレーションがあり、車いすユーザーがとても喜んでいたことを、今でも覚えています。
ボクたちも、ほんとうに喜んだんですよ。「移動で人を幸せに」できる、そんな実感みたいなものがありました。あれから5年。
ところが、5年過ぎた今、ボクたちのあの感動や期待は「udタクシーの乗車拒否」に変わってしまって、利用者との対立を引き起こしています。
全国一斉行動!udタクシーの乗車運動
いったいなぜこういった事態になったのでしょう。
【10/20(金)決行】UDタクシーの乗車拒否をなくそう!より使いやすいUDタクシーの開発を!全国一斉行動!UDタクシー乗車運動:時事ドットコム
しかし、残念なことに、車いすユーザーへの乗車拒否が無くなりません。国交省は2018年11月に通達を出し、事業者に対し、車いすユーザーの乗車拒否は道路運送法に違反すること、定期的に研修を実施すること、UDタクシーを指定した予約・配車が可能となるようにサービスを充実させること等を求めました。
車いすの利用者のためにも、車いすのまま乗降できる車両を作ったのに、乗車拒否が起きているんです。
賃金制度と時間距離メーター
乗車拒否問題を引き起こす理由は、出来高制歩合給という賃金制度にあります。そしてその賃金の度量衡は時間距離併用タクシーメーターです。つまり、メーターが回ってない時間はタダ働きになる仕組みなのです。
だから、乗車まで時間がかかる車いすユーザーの乗車を嫌がり拒否するようになるのです。
JPN Taxiの車両問題
ラダーの設置、乗車や車内での転回が難しい。さらに、体力が必要、危険、雨の日は濡れる。車両本体の問題もあります。
でもね、それは利用者には関係ないことなんです。賃金制度と車両の問題なんです。
udタクシーの乗車拒否
udタクシーへの希望や期待は、いつの間にか憎しみに変わっています。利用者は利便性を奪われ、乗務員は負担になっています。「悪いのは利用者」「悪いのはタクシー運転手」になっているんです。
でもね、これも、賃金制度が問題なんですよ。良い接客をしても、丁寧な接遇をしても、距離と時間で測られたメーター運賃が賃金になる仕組みがダメなんですよ。移動で人を幸せにしたくても、ボクたちがそのことで不幸になる、だから乗車拒否、車いすユーザーの不幸、という負の連鎖が起きているのです。
利用者も被害者、運転手も被害者、なのです。
いえ、だからと言って、今度は利用者負担でサービス料加算なんて考えないでください。事業者と業界が負担すれば良いんです。UDタクシー乗務による不当な乗務員負担こそ「なくそう」なのです。
世の中が幸せになる仕組みつくりこそ必要なのです。そこを考えないと、移動で人を幸せに、なんてできるわけないのです。