いこまいcar
いこまいcarとは、江南市が運営するデマンデ型タクシーです。「いこまい」とは「行きましょう」と言う意味です。
2002年(平成14年)に、路線バスが撤退し、交通空白地帯になった地域の移動確保が目的で試験運行が始まりました1。その後、2004年に試験運行が終了し、そのまま本運行に移行しました。
従来 からの路線バスの廃止が相次いでいたが、市民の交通手 段を確保することの必要性から、市では公共施設を結ぶ 巡回バスを検討していた。一方タクシー事業者も利用者 の減少が目立つようになってきており、タクシー利用の 新規需要を掘り起こすことが必要と考えていた。こうし た中で、地域の移動手段として、タクシーの空車を利用した乗合型タクシーの検討が進むこととなった。
当初は、路線定期型とデマンド型で運行し、料金も100円だったようです2。
いこまいcarなう
路線バスと同じ路線定期型は2013年に廃止され、そして現在ではデマンド型3での運行を行なっています。その概要は次の通りです。
- 江南市民
- 事前登録
- 運行前日の予約
- 運行区域は江南市内
- 運行時間は8時30分〜17時まで(原則)
- 料金はタクシー運賃の半額
- 最低310円
- 迎車料金は利用者
- 10分以内の立寄り可
- 運行事業者
- 名鉄タクシー
- 愛北タクシー
- 尾張タクシー
- 犬山タクシー
いこまいCAR(予約便)ご利用案内 江南市
タクシーの半額、さらに障がい者割引や運転免許証返納割引の併用も可能で1割引になります。
愛のりくんとの比較
次に、豊橋市のデマンドタクシー「愛のりくん」の概要は以下の通りです。
- 運行地域の住民
- 事前登録
- 10時までの運行は前日、当日は2時間前
- 定路定時
- 300円〜500円
- 運行事業者は地域1社(東海交通と豊鉄タクシー)
豊橋市の愛のりくんは、料金は安いのですが、しかし従来のバスと同じ定路定時型です。一方、いこまいcarはタクシーそのものです。ドアtoドアで、市内であれば時間場所が自由です。ただし、半額です。豊橋市の場合、距離4000円程度の運賃の距離を500円で行くことができます。
豊橋市南部地区のデマンド型乗合タクシーに 対する利用者の評価と住民の費用負担意識
タクシー運転手の収入
ここからが本題です。
タクシーをデマンド交通に活用するのは結構なんです。しかし、運転手に負担になっていませんか?地域住民のため、そして公共交通のため、というバイトリーダー理論のような押し付けが起きてないか、ということです。
- 利用者負担
- 江南市 タクシー運賃の半額+迎車料金
- 豊橋市 300円〜500円
- 運転手営業収入
- 江南市 タクシー運賃・料金(メーターによる)
- 豊橋市 一律3500円程度(事業者が決定)
- 事業者収入
- 江南市 メーター運賃・料金(半分は市が負担)
- 豊橋市 一律(運転手収入+α)
どちらが良いですか?
江南市のいこまいcarは、通常業務と同じです。営業収入も一般利用者と同じです。
豊橋市の愛のりくんは、最長距離を走った時の運賃程度になります。と言うことは、1区間でも3500円なのです。
タクシー運転手としては、愛のりくんのほうが良いのではないでしょうか。なぜなら、1回3500円だからです。いこまいcarは、市の委託と言う重圧がかかりながら、いつもの仕事と同じなのです。
もしも、運転手負担になっているのであれば、それは排除してください。事業者がその分を負担すれば良いだけの話なんです。運転手負担ではなく、利用者と事業者、市が薄く広く負担すれば良いだけの話なんです。
そもそも、公共交通空白地対策事業は収益化されにくいものです。そのツケを運転手に回すからトラブルが起きるのです。
どちらが便利か
両方あれば良いのですが…。と言うもりも、路線バスが撤退すると、住民の移動権は小型車両により確保するようになるでしょう。それがデマンド型タクシーでしょうし、mobi4のようなエリア定額乗り放題という方法になるのでしょう。
そしてそのうち、自家用有償、ライドシェア、という流れになります。
時間予約料金の問題
さらに、これからが本題です。しかし、長くなったので次回にします。
豊橋市南部地区のデマンド型乗合タクシーに 対する利用者の評価と住民の費用負担意識
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- 全国のバス再生事例集
- 予約があった時のみ運行し、運行方式、運行ダイヤ、発着地は別途決める
- mobi(モビ):呼べば来る、エリア定額乗り放題サービス|MaaS|WILLER TRAVEL