時間指定予約料金かあ、いこまいcar

いこまいcarの時間指定予約料金と名鉄西部交通が「突如新設」したことについて考えてみます。

というのも、日本共産党江南市委員会の「あすの江南」に掲載された「時間指定予約料金300円を突如新設」に対する意見がTwitterで違った方向で議論されているからです。「時間指定料金300円がなぜ悪いのか」というものです。そしていつもの批判です。

あすの江南NO.536

日本共産党江南市議団「あすの江南」いこまいcarの時間指定予約料金について

いこまいcarってどんなん?

という人もいると思ったので、いまさっきアップしました。日本で5番目ぐらいにわかりやすい解説です。

いこまいcarいこまいcarとは、江南市が運営するデマンデ型タクシーです。「いこまい」とは「行きましょう」と言う意味です。 2002年(平成14年)に、路線バスが撤退し、交通空白地帯になった地域の…
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いこまいcar

問題の本質

江南市にまともな事前相談がなかった

ここが問題です。通常のタクシーなら、法的範囲で値上げや料金設定したからとやかく言われないと思います。しかし、いこまいcarは市が関わっています。利用者はメーター運賃の1/2で利用できます。残りの半分の運賃は市の補助です。

さらに、いこまいcarを利用するには時間指定予約しなければならないのです。それがルールなのです。だから、「時間指定しなければいい」という批判は適切ではないのです。

  1. 市からの委託
  2. 市の補助
  3. 時間指定予約のみ

この3点で、名鉄西武交通が「事前相談をしない」ということはあり得ないのです。

設計上の問題

ただ、江南市のいこまいcarの運営方法が正しいのか?という疑問はあります。

まず、タクシー会社に「予約を断れない」という圧力がかかるのではないでしょうか。そのことでタクシー会社が損をするケースが出てきます。なぜなら、断れないからです。

次に、いこまいcar利用者が、一般のタクシー利用者とは違うという「特別感」があるかもしれないと……。運転手は「同じタクシー運行方法なのに、面倒くさい」と考えているはずです。どちらも推測ですが、利用者とのトラブルでよくあることです。

まとめれば、面倒くさくて金にならない、と事業者、運転手が感じている、そこが問題です。

迎車、予約料金だけで500円にもなる

そうなんですよ。交通空白地対策に運賃を安く設定し、交通権を確保したのに、500+310円1=810円が最低運賃の移動手段になります。これでは、江南市議員団の主張通り「利用がますます困難になります」。そして「交通不便地域の生活の足をタクシーに頼る江南市民にとって大変深刻です」。

タクシー事業者が何をするか

設計に問題があるんです。この運賃制度なんです。つまり、時間距離メーターでの運行が問題なのです。いこまいcarでの運行が運転手と事業者にとって「損」になるからです。インセンティブがない、特に運転手は出来高制歩合給なので、面倒なことはやりたくない、というのが本音です。(賃金制度が悪いんです)

時間指定予約料金300円の徴収元

だからと言って、いきなり「11月16日から300円徴収するからな」は「横暴勝手」です。市と協議して、その300円を補助金から徴収するというのはどうでしょう。

デマンデ方式の変更

つまり、時間指定予約制を止めれば良いんです。路線定期型は使いにくいので、時間予約制なんてのにして、「それぐらいに行きます」「そちらに行ったついでに」だと良いかも……。まあ、それでは不便なので、300円は市が払ったら?

そんなこんなで揉めてると、ライドシェア解禁なんて話になって。デマンド交通に特化した企業が出てきたり。「タクシーって不便だよね」なんて声が大きくなったり……。

ということで、今回の問題は「300円」ではなくて、交通不便地域、公共交通空白地域の交通権の問題で、それは人権の問題でもあるんです。

以上です。

コミュニティタクシー「いこまい CAR」 タクシー車両による高頻度・低コストでの巡回運行サービス
タクシー車両による高頻度・低コストでの巡回運行サービス


以下は、時間指定予約料金について考えたことです。

時間指定予約料金について

理由

時間指定予約料金設定の理由は次の2点です。

  • 運転手確保
  • 時間損失分

時間指定では、運転手を確保し、お迎えの時間5分前には到着してお客様をお待ちしています。5分前到着のために、通常15分から20分前に配車をします。つまり、時間指定配車のために時間ロスが生じているのです。そのコストとして300円を収受しています。

深夜早朝予約になると、運転手の確保が難しくなります。なぜならば、出勤前だからです。深夜営業をしていない地域もあるので、早出残業になります。しかし、300円や430円では残業代にもなりません。

危険性

「時間通りに来なかった、電車に乗り遅れた」たまにあります。そうなると、目的地までタクシーで送り届けることになります。時間やお金で済まされることなら良いのですが、そうでない場合もあります。大事な商談、試験……。

また、運転手のミスで指定場所が違ったり、配車センターの聞き違い、時間指定予約にはリスクがつきまといます。

本音を言うと、やりたくない、んです。しかし、利用者のことを考えると、そして使命感や公共なんてものを考えると……。

予行練習

そんなリスクがあるので、早朝予約は予め配車センターから渡されます。少なくとも2時間前とかにです。そして1時間はロスします。その間、予行練習をしたりするんですよ。その代金が430円だったり、300円なんです。

なんだか安すぎるよね。

ということで、タクシーが余っている時なら良いんですが、ない時は「予約は受けない」というのが業界のセオリーなんですよ。

「早朝予約料金の廃止」と「時間指定予約料金の設定」のお知らせ-名鉄西武交通

  1. 初乗り運賃が620円のため最低運賃が310円になる

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