タクシーへ帰れ
タクシー運賃は、駅の乗場から、あるいは、流しで、タクシーに乗る場合、通常は距離制運賃で運行します。
距離制運賃は次の運賃を合算したものになります。
- 初乗運賃
- 加算運賃(初乗距離の後の距離にかかる運賃)
- 時間制運賃(信号待ちや渋滞などで止まったり10km/h以下の走行になった場合の運賃)
運賃と名の付くものは、それ以外に次のものがあります。
- 深夜割増
- 障がい者割引など、割増割引運賃
運賃の他に、料金があって、例えば待料金や迎車回送料金があります。
図1 タクシー事業に係る運賃制度について 資料4 国土交通省
安心安全な日本のタクシー
タクシー運賃が「高い」とか「安い」を決める基準はなんでしょうか?
加算運賃を計算して「255メートルごとに100円かあ」「233メートルごとに80円かあ」なんて計算していますか?
それどころか、運賃や料金という値札を見て利用することもないと思います。(それほど安心して利用できるのが日本のタクシーです)
逆に言えば、よく分からないまま乗っている、ということなのかもしれません。(それも安心安全の証左なのでしょう)
初乗り距離短縮運賃
コロナ禍で疲弊したタクシーは、これから各地で運賃改定(値上げ)が実施されます。
東京23区・武三地区では、初乗りが420円から500円になる予定です。値上げは15年ぶりです。
15年ぶりと言っても、その間、2014年、2017年、2019年と3度の運賃改定がありました。2014年、2019年は消費増税による転嫁値上げ、2017年は初乗り距離短縮による運賃組換えでした。
2017年の運賃改定はそれまでの初乗り距離が半分に短縮され、運賃も43%引き下げられました。
「730円から410円へ」値下げされたように感じた人も多かったのではないでしょうか?
その時のNHKニュース画像です。
これは、値下げされたのではなくて、初乗りの距離が短縮され、その分の初乗り運賃を下げたのです。
それまでの初乗り運賃730円=2.0kmが、410円=1.059kmになりました。このように、値下げでも値上げでもない「運賃組換え」というものでした。
その運賃改定直後の調査では、1日1車あたりの運送回数で6.1%、営業収入で2.8%の対前年比の増加が見られました。