須の川、アヒルの宿(27日目の3) 2008年11月14日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ トンネルを抜けると…夕陽は豊後水道にすっかり沈んでしまっていた。残光は雲を照らす、というかその雲の中に逃げ込んでいてそこで燃えているような風景だった。秋の夕暮れは朱が強く滲む。それも湿度が高い日には[…] 続きを読む
大月へんろ小屋(25日目の4) 2008年11月12日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ (道の駅大月にて 15デニールのシェルターの壁厚) 17時、道の駅大月に着いた。へんろ小屋にはやはりあの青年が座っていた。 「こんにちは、伊布利で会ったよね」とボクが言った。「ああ、どうも」なんて青[…] 続きを読む
めじかの里土佐清水(24日目の5) 2008年11月11日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ 「めじか」なんて聞くと、なんとなくかわいい動物、例えば、めだかとか、めじろとか……を想像していたんだけれど、カツオ(ソウダカツオ)のことをだそうだ。 足摺岬・竜串の入口に位置する。土佐清水市は、うど[…] 続きを読む
ドライブイン水車の湿っぽい夜だった(22日目の3) 2008年11月9日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ 雨は止んでいたのだけれど、換気の悪い温泉にいるのではないかと思うほど、空気はたっぷりと水分を吸って、底に澱んでいた。 ボクはドライブイン水車の駐車場にいた。「ドライブイン」と呼ばれる広い駐車場とトイ[…] 続きを読む
最後の晩餐(21日目の2) 2008年11月8日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ 13時からは誰も来ることはなかった。魚釣りの人が、向こうに見える防波堤にいるのは見えた。寒かったので、テントの中で寝袋にくるまっていた。時々、入り口から外を見たりした。雨は強く降ったり、弱くなったり[…] 続きを読む
浮津海水浴場の夜(20日目の3) 2008年11月7日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ その日は暖かかった。秋、晩秋の海も暖かく見えたし、陽気に踊っているようにも思えた。 何もしないまま時間だけが過ぎた。停滞すると決めたら気持ちは少し軽くなった。それでも、天気の良い日に座って海を見てい[…] 続きを読む
幸せ、なんだろうね(19日目の3) 2008年11月6日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ 風呂に入って、洗濯、その後に少し眠った。 目が覚めると17時あたりだった。暖房を入れていた部屋は少し暑かった。雨は上がっていて、いつものような雨上がりの空が窓の外に冷たく拡がっていた。 18時になる[…] 続きを読む
佐賀温泉、温泉三昧の一日(18日目の3) 2008年11月5日 四国遍路 迷故三界城 ◁前へ 目次 次へ▷ 毎日30キロとか40キロとか歩いていたのだけれど、その間何を考えていたかというと、よくは思い出せないことについて、考えていたというか、思っていたというか、それぐらいの感じだったのだろう。痛みが思考を[…] 続きを読む