鉦打ヘンロ小屋の夜(7日目の4) 2008年10月25日 四国遍路 迷故三界城 平等寺に着いたのは15時30分ごろだった。おじさんが納経所の横の休憩所にいた。「結局、ふだらく越えで来ました」とボクが言った。「オレもそのつもりだったんだけれどね。どうも途中で違っていると思ったんだけれど…」とおじさんは[…] 続きを読む
ママチャリ遍路そして眠れぬ勝浦の夜だった(6日目の3) 2008年10月24日 四国遍路 迷故三界城 16時前に二人の自転車、ママチャリ遍路がやってきた。 どちらともまだ20代の女性。ヘンロ小屋の横に自転車を着けると、ひとりが言った「ここは泊まっても良いところですよね?」 「良いんじゃないですか」とボクは幾分不機嫌な声で[…] 続きを読む
恩山寺前バス停で、ヤモリとクモと、ボクとゴキブリと(5日目の3) 2008年10月23日 四国遍路 迷故三界城 地蔵峠で雨は降り止んでいた。歩くことの苦しみや痛みがボクの哀しみを分散させていた。「逢いに行く」という気持ちもその苦痛をやわらげていたのかもしれない。行くため歩くのではなくて、行かなければならないから歩くのだ。 県道20[…] 続きを読む
蔵本駅前ホテルにて(4日目の3) 2008年10月22日 四国遍路 迷故三界城 中鮎喰橋を渡るまでにすっかり夜になっていたのだけれど、ネオンや車のヘッドライトのヒカリでその夜は昨日の神山のものとは全く違うものになっていた。都会の夜、夜の照度が文明の度量衡なのかもしれないと思った。きっと、うまく伝わら[…] 続きを読む
神山で野宿、そして神の山は焼けた(3日目の2) 2008年10月21日 四国遍路 迷故三界城 神山へ向った。結局、焼山寺を打ち終えて、結局食料もないということで鏡大師経由を諦めて神山経由を選んだ。当初は鏡大師経由という計画だったのだ。藤井寺から焼山寺、そして鏡大師、広野、国道192号までの道には食料を確保できそう[…] 続きを読む
川島遍路小屋の夜(2日目の3) 2008年10月20日 四国遍路 迷故三界城 歩き始めた。17時までに藤井寺に行って…。夕陽が時間を圧迫していた。容赦なかった。それでもボクは歩いていた。少し早足だった。へんろ道、藤井寺への最後のアプローチは上り坂、そして山道、その時点でタイムアップとなっていた。と[…] 続きを読む
競艇おじさんとミスタースモーク、そして眠れぬ夜なのだ(1日目の4) 2008年10月19日 四国遍路 迷故三界城 遍路1日目の夜、上板スポーツ公園1塁側ベンチは、今思えば最高のベッドだった。三面壁、そして広いベンチ、静かな立地、トイレ・水完備、自販機まで徒歩30歩…。そうして四国初夜という不安をゲストたちが和らげてくれた。 弁当を食[…] 続きを読む