蔵本駅前ホテルにて(4日目の3)

中鮎喰橋を渡るまでにすっかり夜になっていたのだけれど、ネオンや車のヘッドライトのヒカリでその夜は昨日の神山のものとは全く違うものになっていた。都会の夜、夜の照度が文明の度量衡なのかもしれないと思った。きっと、うまく伝わらないと思うのだけれど、それにわずか一日でカルチャーショックのようなものを感じるはずがないと思うのだろうけれど、ボクは感じていた。ちょうどアジアやアフリカから帰国した時の感覚に似ていた。

蔵本駅前ホテルにて

欲望の街。目の前に、手を伸ばせば、そして金さへあれば、何でも手に出来る。ボクはJR徳島線、くらもと駅のビジネスホテルに入った。そのビジネスホテル蔵宿(現セルフイン徳島 蔵本駅前)が井戸寺から一番近いホテルだった。徳島駅前まで行けば大手チェーンホテルもあったのだけれど、もう動けなかった。18時を過ぎていた。

ビジネスホテル蔵宿から見える徳島市内の夕景
(蔵本駅前のホテルの部屋から見える徳島市内の夕景)

チェックインするとボクはまず洗濯を始めた。コインランドリーがなかったので洗面所での手洗いになった。風呂にも入った、というか、風呂に入いりながら洗濯をした。すすぎは浴槽の中でした。洗濯物をすすいでいるお湯の中にボクもいた。

それからコンビニに買い物に行った。雨が降り始めていた。ホテルに戻って遅い夕食を食べた。それからもう一度風呂に入った。今度は身体を洗った。久しぶりの風呂、久しぶりに身体を洗った。髭を剃った。そして陰毛も剃った。痒いとか毛じらみがいるとか、ということではなくて、入浴できない日々に身体を拭くのだけれど、その毛が邪魔になっていたのだ。ないほうが良いかなあ、と前から思っていた。少し恥ずかしかったのだけれど、そしてその後恥ずかしい思いをするのだけれど…。

4日ぶりの風呂だった

4日ぶりの布団だった。そして4日ぶりのテレビ、4日ぶりの電燈の下での夜、4日ぶりの無警戒な夜…。なんと4日の長かったことか、と思っていた。

雨は強く降っていた。このままだと明日も停滞かなあ、なんて考えていたし、チェックアウトはギリギリでしようか、と考えていた。筋肉が気持ちが身体中が弛緩していた。今朝の道の駅神山での出来事が遠い昔のように感じられた。

井戸寺山門にて礼拝する遍路 徳島
(十七番札所井戸寺にて 礼拝する遍路)

セルフイン蔵本駅前 – ハイパーインホテルズ【公式サイト】


この日の行程と費用

  • 行程:道の駅温泉の里神山~ビジネスホテル蔵宿(現セルフイン徳島 蔵本駅前)
  • 札所:13番 大日寺、14番 常楽寺、15番 国分寺、16番 観音寺、17番 井戸寺
  • 宿泊:ビジネスホテル泊
  • 出費:6,769円(納経代、お賽銭別)
    • サンクス佐古八番町店
      • のり弁 385円
      • チャイ 105円
      • 抹茶ラテ 105円
      • シーフードヌードル158円(以上夕食)
      • スナックパン8P 179円
      • ブラックサンダー2個 62円
      • バターピーナッツ 105円
      • (小計 1099円)
    • 自動販売機
      • 缶コーヒー 120円
      • スポーツドリンク2本 300円
    • ホテル代 5,250円

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