神山で野宿、そして神の山は焼けた(3日目の2)

神山へ向った。結局、焼山寺を打ち終えて、結局食料もないということで鏡大師経由を諦めて神山経由を選んだ。当初は鏡大師経由という計画だったのだ。藤井寺から焼山寺、そして鏡大師、広野、国道192号までの道には食料を確保できそうな店が、地図上には存在しなかった。そのことがボクを神山経由にさせた。それに16時から玉ヶ峠越えには自信がなかった。自信、というよりも、怖かったのだけれど…。

焼山寺 参道の風景
(焼山寺参道にて)

神の住む街

神山の町並みを見たときに、ボクは一日中山の中だったこともあったのだろう、ホッとした。そして、安心した。もう大丈夫、と思った。焼山寺山は霊験あらたか、何か不思議な力が宿っているように感じていた。途中に見たイノシシの皮を吊るしていた畑の光景(きっとイノシシ避けなのだろう)とか、深山幽谷、誰にも逢うことのなかった山間の集落、そして疲労が少し感覚を麻痺させていたのかもしれない。

ボクは少し怖かった。サンクスで都会を感じたとしても、その感覚は拭えなかった。なにかがいるような、あるいは、ボクになにかが憑いたような、何かを感じていた。その感覚は徳島市内に入るまで消えなかったのだけれど…。

サンクスで食料を調達した。そのまま、夕食もその都会、あるいは文明を感じさせる場所で済ませた。なによりも山を焼くような夕陽がクライマックスを迎えていたのだ。少しボクの感覚は麻痺というよりも、平衡感覚をなくしていて、そしてそれが恐怖という感覚に繋がっていたのかもしれない。

神山で野宿、山は焼けていた。

きっと弘法大師も同じ光景を見たのだろう。その地形が出来た時から、山が焼け、そして町が赤く染まる。人々はその光景に神を、あるいは仏を見たのだろう。神山。

神山の夕焼け

夕食の野菜サンドとまるごとソーセージを食べたボクは、道の駅を目指した。クライマックスを終えた西の空には夜が段取りよく忍び込んでいた。暗い道を歩いた。とてつもなく長く感じた。1時間にも満たない時間、夜を歩くのはそれだけで感覚を麻痺させた。長く感じた。

ボクは道の駅に着いた。東屋に腰を下ろした。もう動けなかった。それは毎日のことだった。力を残さないでねぐらへと辿り着く毎日。その日もおおよそ10時間は歩いていた。そのまま神山で野宿した。

道の駅 温泉の里 神山|スポット・体験|四国のおすすめ観光・旅行情報! 【公式】ツーリズム四国


行程と費用

  • 行程:川島橋へんろ小屋~道の駅温泉の里神山
  • 札所:11番 藤井寺、12 番焼山寺
  • 宿泊:道の駅のベンチ
  • 出費:1,632円(納経代、お賽銭別)
    • サンクス神山町店
      • 野菜サンド 280円
      • まるごとソーセージ 121円
      • 赤飯おにぎり 130円
      • ふんわりロールマーガリン 105円
      • ポリッピー 103円
      • 柿の種 105円
      • アサヒサンジャポスポーツドリンク 98円
      • ガム 120円
    • 自動販売機
      • スポーツドリンク3本 450円
      • 缶コーヒー 120円

(この藤井寺~長戸庵~柳水庵~浄蓮庵~焼山寺のコースは地図上にない遍路道を通ったので、藤井寺までと焼山寺からの2部に分割し途中を省略しました)

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