秋病(ユネスコ無形文化遺産で考えたこと) 2013年10月23日 体温計の電池が切れていていた。体温を計ろうなんて考えるのは決まって夜中だったりする。今回もその夜中だったし、そんな特殊な電池の予備もなく、結局電池切れのまま使わずに2日ほど過ぎて、本日めでたく電池を買ったとたん、熱も状態[…] 続きを読む
タクシー運転手が殴られるたったひとつの理由 2013年10月19日 タクシー物語 タクシー運転手ってのは、ガラが悪いというのが相場だった。駅で競馬新聞と赤鉛筆をもって談笑していたり、繁華街でドアにもたれて煙草を吸っている運転手の姿はそのガラの悪さを誇示しているように、ボクには映った。異形を感じさせる人[…] 続きを読む
台風一禍 2013年10月18日 ダムの水が貯まったと喜ぶ 土石流で家を奪われたと悲しむ 青空が見えたと喜ぶ またひとり亡くなったと悲しむ 秋が来たと喜ぶ 農作物が売り物にならないと悲しむ 虹が出たと喜ぶ 愛しい人が行方不明だと悲しむ 台風一過 Abov[…] 続きを読む
10月の雨 2013年10月15日 雨が降っている窓の外を相変わらず眺めている休日の朝。 時計の針が夢遊病者のような生活をしているボクにとっての唯一の正義。ポストに届けられていた何通かの手紙はそのままダストボックスに捨て、もう何日も立ち上げていなかったメー[…] 続きを読む
前園さんの罪と罰 2013年10月14日 見ず知らずの人を後部座席に乗せて運転することがどれほど恐怖をともなうかとうことは、それほど想像するに難しくはないと思う。密室に他人といるということがどれほど緊張するかということも、ほとんどの人は理解できると思う。 運転す[…] 続きを読む
その日暗し 2013年10月13日 タクシー物語 あれから11か月が過ぎたんだね。 こうして眠れない夜の発狂しそうになりそうなる闇の中で、時間にしがみついている写真を探し出している。 あの杉並木、ポツリポツリと点在する記憶、ボクたちの間に吹いていた風の音や転びそうになっ[…] 続きを読む
Feel so good 2013年10月8日 夕方19時過ぎのスーパーマーケットはその日最後の混雑をむかえる。客層は16時あたりのそれとは違って、まだ塗の施されていない木地のように刹那的な光りを帯びて並んでいた。船ならばすでに傾いて沈没していると思えるほど、人々は同[…] 続きを読む
藍と美香 2013年10月6日 タクシー物語 宮里美香は泣かない女だと思っていた。時代が彼女のイメージをそうさせたのかもしれない。 14番のラフは彼女の足に絡みついていた。それはまるで彼女とゴルフの関係のようでもあった。もがけばさらに足だけではなくて彼女の身体全体へ[…] 続きを読む