地蔵院にて、濛雨(5日目の1) 2008年10月23日 四国遍路 迷故三界城 人は必ず死ぬ。 ビジネスホテルの朝は雨だった。いつもの時間に目覚めたのだけれど、そのことを確認するとボクはまたベッドに潜り込んだ。8時前に起き出して、朝風呂に入った。足の痛みは少しだけだけれど和らいでいるように感じていた[…] 続きを読む
蔵本駅前ホテルにて(4日目の3) 2008年10月22日 四国遍路 迷故三界城 中鮎喰橋を渡るまでにすっかり夜になっていたのだけれど、ネオンや車のヘッドライトのヒカリでその夜は昨日の神山のものとは全く違うものになっていた。都会の夜、夜の照度が文明の度量衡なのかもしれないと思った。きっと、うまく伝わら[…] 続きを読む
鬼籠野、時雨て霞む徳島の街(4日目の2) 2008年10月22日 四国遍路 迷故三界城 鬼籠野、徳島へと続く道は寂しかった。 住むだけ、あるいは遍路として四国に滞在するだけならば、四国は優しく包容力のある場所だと思う。一笠一杖の旅姿さえしていれば、お遍路さんとして公認される。そして無料の宿泊施設や野宿場所や[…] 続きを読む
プロ遍路との出会い(4日目の1) 2008年10月22日 四国遍路 迷故三界城 プロ遍路氏が「神山、鬼門や~」と言った。 そしてボクが自販機の缶コーヒーを買おうとしたら「こんなところに金落とすことはない」と…。神山町には鬼籠野(おろの)というところがあるのだけれど、そういう意味では本当に鬼門かもしれ[…] 続きを読む
神山で野宿、そして神の山は焼けた(3日目の2) 2008年10月21日 四国遍路 迷故三界城 神山へ向った。結局、焼山寺を打ち終えて、結局食料もないということで鏡大師経由を諦めて神山経由を選んだ。当初は鏡大師経由という計画だったのだ。藤井寺から焼山寺、そして鏡大師、広野、国道192号までの道には食料を確保できそう[…] 続きを読む
焼山寺、遍路転がされず(3日目の1) 2008年10月21日 四国遍路 迷故三界城 焼山寺は転がされることなく、打つことができた。 まだ3日目。その3日間が特に長く感じた。慣れていないということもあったのかもしれない。余裕もなかったのかもしれない。ただ歩くことだけがボクの全てになっていたし、相変わらず慌[…] 続きを読む
川島遍路小屋の夜(2日目の3) 2008年10月20日 四国遍路 迷故三界城 歩き始めた。17時までに藤井寺に行って…。夕陽が時間を圧迫していた。容赦なかった。それでもボクは歩いていた。少し早足だった。へんろ道、藤井寺への最後のアプローチは上り坂、そして山道、その時点でタイムアップとなっていた。と[…] 続きを読む
逆打ち(2日目の2) 2008年10月20日 四国遍路 迷故三界城 「どうして歩いているんだろう」という疑問はボクの側を離れることはなかった。それどころか雨の日は歩いていることが苦痛にもなったし、その行為への憎悪にもなった。ボクは金剛杖を何度も叩き折りそうになった。道路に強く打ち付けたこ[…] 続きを読む