トヨタ自動車においては新規高等学校卒業者の離職率が非常に低いので、途中入社、登用試験合格者にとっては、18歳から職業訓練を受けていた新卒者（トヨタ工業学園卒業者ですと16歳からかな）との間にスタート時点でかなりの差があって、そしてこの差を埋めることはかなり難しい状況にあると思います。

下の写真の間（ま）ってのも、実はノイズがいっぱいで、そのノイズのほうが綺麗だってこともあるわけで
それはただ単に個人の能力の問題というものでもなくて、どこの企業でもあるような中途入社者が背負っているハンディキャップもあるでしょうし、学閥や出身閥というものもあるでしょうから、能力や学歴が同じあるいは上であっても、新規卒業での入社者の方が出世しやすいと思います。「そんなことはない、能力主義だ」と言われますが、CL、GLで中途入社の人がどれだけいるのでしょうか？恐らく確率的にはトヨタ工業学園出身者が一番多いかもしれないですね。そしてその傾向は今後益々強くなると思います。
現場のCL・GL、そして多くのEXはトヨタ工業学園出身の高卒者を主に起用して行き、技術系には豊田工業大学という、これまたトヨタ自動車の企業内大学出身者を多数起用するという、豊田の子供たちによるトヨタの運営を目指しているようにも感じられます。（大卒新入社員は各大学から採用しているのが現状ですが。それは高卒にも言えることなんですが、今後のトヨタの方針として）
また、昨年2006年には学校法人海陽学園・海陽中等教育学校という中高一貫教育でのエリート養成校、トヨタや中部地方の有力企業の幹部となる人材育成を実質的には目的にしている感のある学校も開校されて、豊田の子供たちがトヨタ自動車や中部地方の企業をリードする時代の到来といっても良い状況になってきました。
16歳からトヨタマン、いえ豊田の子供として育った若者たちが、トヨタの核をなして、そういった学閥が出来つつある（学園出身者はあるようですが）状況の中で、中途入社者がCLどころかGLになることは出来るのでしょうか。実力次第ですか？
出世や昇進なんてことよりも、トヨタ自動車で働けることは素晴らしいことなのかもしれませんね。一流企業で一流の給料を貰うことは、いわゆる「勝ち組」になるということなのでしょうね。それに確率的には低いといってもGLやCL、あるいは課長になれることだって夢ではないでしょうからね。その確率も入社した年齢によっては、さらに低くなるのですが、それでもトヨタの正社員という地位は欲しいものなのでしょうね。
欲しいものなのでしょう。１０００人近い登用者があり、それ以上の受験者がいたのですからね。トヨタで働くという意味はなんなのでしょうか？出世を諦めなければならない中で、愚直にトヨタに忠誠を誓い働くということの意味、それをどう答えるかが、試験合格のヒントなのかもしれませんし、それがみんなが悩むところなのかもしれませんね。
その登用者の離職率はどれぐらいなのでしょうか？これもかなり低いのでしょうか？まさか０なんてことはないでしょうね。しかし登用試験において離職予備軍と思われる人物は合格させないでしょうから、やはりかなり合格率も低い試験になっているのかもしれません。実はトヨタは期間従業員からの社員登用者数を増やしたいと思っているのかもしれません。しかし、人材がいないというのがトヨタの本音なのかもしれませんね。だって、豊田の子供じゃないのですからね。