それでも登用試験を受けますか?(1)

厚生労働省の「新規学校卒業者の就職離職状況調査」によると、「高等学校卒業者では1年目26.3%,2年目14.7%(同41.0%),3年目9.3%(同50.3%)」となっています。3年後には半数が離職していると言うことになります。製造業の離職率は他産業よりも低く、厚生労働省の「青少年(30歳未満)労働者の男女別及び産業別離職率」によると、17%(男性13.5%、女性24.2%)になっています。第4節 離職状況

思うのだけれど、これぐらいの空間、間(ま)があったほうが良いのではないかと。
こういった状況にある中、トヨタ自動車の離職率は1桁台という情報があって、ネットでざっと見てもやはりその数字ですね。1年目に1桁台、2年目で2桁台という感じでしょうか。
この低い離職率は現場の新人教育の成果だろうと思います。新入社員に対してはきめ細かな指導を行い、作業訓練も1年間に数工程行なうのですが、期間従業員は1年間同じ工程ということはざらです。このような、正社員と期間従業員の教育格差によって、数年後には両者間の職能差、それは現場での作業能力だけではなくて、職業知識などにも偏りが出てくるようです。
もちろん個人差はありますが、3年目の新卒者と3年目のシニア期間従業員とを比較すれば分かると思います。期間従業員という雇用方法なので時間をかけてskillを教えるということは難しいかもしれませんが、有期雇用法改正によって3年もの長期にわたっての雇用が可能になったのですから、せめてシニア期間従業員には正規なみの職能訓練をするべきだろうと思うのですよ。
unskilled workerを大量に造り出しているということへの企業側の責任を考えないと、現在のような非正規雇用者の多い労働市場では、格差の拡大は続くと思うのです。
(つづく)

7件のコメント

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    それでも登用試験を受けますか?(1) | トヨタ期間従業員に行こう

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    採用面接

    最近、英語圏の子会社、関係会社の経理強化の必要性を痛感しています。 そうは言って…

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    EGUCCIさん、こんばんは。
    ここ2,3年なのですよね。ま、それでも、どうしても新卒者との差ってのは縮まり難い状況にあるのでしょう。ボクとしては、それは、仕方ないことなのかもしれないと思っているのですよ。そういった労働力としてトヨタが必要としているのでしょうからね。
    ま、それがおっしゃれらる「メリット」なのでしょうし、登用者もそれは納得しているところもあるようですからね。
    期間従業員への教育は、シニアになった時点で作業訓練をするとかしないと、それまで1年同じ工程でやってきて、それからまた1年同じことをやると考えると…。
    ま、それも配属された組によって違うのでしょうが。それにボクのように、同じ工程でも良いと思う人もいるでしょうが、やはり変化は必要じゃないかと思うのです。
    しかし、トヨタの離職率の低さ、新人へのきめ細かな教育や、先輩の面倒見の良さは、他の企業も見習う点が多いと思っています。

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    前からブログを拝見させてもらっておりました。非常に興味深い内容で新鮮に感じております。
    教育訓練の差について言及されておりますね。
    トヨタではここ2~3年、やっとまともに中途社員の教育を新卒社員並みにやるようになってきました。他社はどうなのか知りません。
    そういう意味で、非正規雇用者(期間従業員など)の方へのケアはまだまだですね。いつになるのかと言う感じです。
    まあ、中途採用の方へはそういう手間(いくつかの点を除いて)が省ける事をメリットとして採用している面もあるのでしょうね。
    やっぱり、1年間教育したあとに離職されたら(実際にそういう方が比較的多い)、次の方への教育はどうしようかと現場レベルでは悩むものです。
    貴方がお書きになっているように正社員の離職は殆どありませんからね。バランスが難しいです。

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