ノルウェーの森

「ノルウェーの森」がビートルズの曲だというのを知ったのは、村上春樹の同じタイトルの小説を読んだときだった。もうずいぶんと前の話なんだけれど、maskalさんが住んでいたアジスアベバのスタジアム近くのアパートにその本があって、というか、彼が持っていて、何かの拍子に「これはいいよ」とすすめられたことがあった。
そのことを思い出している。
すすめられた時には読まなくて、それから何年かした後に、例の緑と赤の表紙の単行本を買って読んだんだ。
直子のことを考えている。身体は眠りたいらしのだけれど、直立した意識が、夜とは別の空間と繋がってしまっていて、それを断ち切って横たわることが出来ないでいる。そんな夜。

また夕陽ばかり見ちまってるなあ。
心が疲れ果てている、そんな感じ。今週は残業が多くて、その分身体も痛む。疼痛。確かにバンテリンを塗る回数は減ったのだけれど、週末には痛んでくる。きっと年齢的なものもあって、回復出来ないまま次の疲労が重なっているので、その厚みが痛みとなっているのかもしれないと…思っている。
期間工だからだろうか、いろいろと裏切られる、約束は破られる。
「期間工だから」なんて思うこと自体、心が病んでいる証拠なのだろうね。きっと、それは「オレだから」なんだろうと…。
誰にも会いたくない、と、思う夜。
人がいて、その人の数だけ裏切られる、ような感じ。
あの頃、あのアジスアベバで、そうそう、もう一度だけ、あのインド料理店で、あの頃の大統領に似たウェイターのいる店で、タンドリーチキンにアスマラワインなんてのを飲みたいなあ、そんでブンナベットの姉ちゃんをからかって…24時からの夜間外出禁止令が始まる前に、急ぎ足で帰って…。
もう少し今よりも夢もあって、もう少し今よりも自信もあって、もう少し今よりもボクらしくて、もう少し人間らしくて、そしてみんなが優しかった頃…。
今のボクと言ったら……。
人から蹴飛ばされるぐらいの、それぐらいの、ボクなんだろうね。
さてと、夜も底かあ…
寝るかあ…

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