<del>Made by Chinese </del>Made by Japanese ということ

「中国産冷凍ギョーザ事件」と「中国人アルバイト誤記問題」について考えていたのだけれど(ひとつ前の記事参照)、多くの人は
・中国産は危険だ
・多くの中国人が派遣社員として働いているんだ
ということについてあらためて認識したのだろうと思っている。派遣会社には多くの中国人が登録されていて、国の業務に携わっているということを初めて知ったという人もいたのではないかと思っているのだが。
労働市場のグローバル化なんてことが言われて、なにも派遣会社だけではなくて、現在は海外の優秀な人材を企業側が求めているということらしい。人材のグローバル化ということは、国産(日本製)であっても今まで言われたmade in Japan と少し違ってきていて、もうmade by the hand of Japanese ということではない時代、made by the hands of many countries というか assembled in Japan の時代なのだろうと思っている。
トヨタ自動車が期間従業員の募集広告を求人誌や新聞の折込に毎週出すのは、実はこういった世間の微妙な不安を払拭する目的もあるのだろうと思っている。
国産という安心感、安全ということだけを考えた場合、ほとんどの人が国産をチョイスするのだろうと思う。それは国内で作られた、というよりも、日本人が作ったということなのだろうと思う。ナショナリズムとかレイシャリズムなんてことではなくて、ただ安心感というもの、信頼感というものだと思う。
「期間従業員募集」トヨタだけがなぜ毎週毎週広告を出して、そして全国津々浦々で面接を行なうのか。それは「国産ですよ」という強いメッセージなのだと思う。それも「あなたの地方の人たちが造っていますよ」ということなのだろうと。そして「これだけの賃金を払ってちゃんとコストもかけてます」という表明なのだろうと、考えている。
マツダやホンダ、他の企業も確かに期間工を募集しているのだけれど、そんなに目立ちはしないし、日産なんてのはほとんど目にしない。
生産現場で何が起こっているのかは、トヨタは薄っすらでも、地方にいても見えてくる。「期間従業員っての募集してるね」という感じで。その期間従業員のイメージは、その地方から出稼ぎに行っている若者だったりするのだろう。身近な日本人。「あすこの○○君が行ってるらしいよ」なんて会話が食卓でされる。
もうそのイメージは安心感となる。国産、いや純国産自動車、それがトヨタ車なのだろうと思う。
トヨタが国内生産を少なくしない理由もそこにあって、あくまでもmade by japanese でなければ安心感は得られないと分かっているだろう。特に国内販売では。
確かに、現場で働く者のひとりとして言わせてもらえば、たとえ期間工であっても社員並、それ以上の責任感は持っていて、ボルト1本1本を、誰よりも丁寧に締めているという自負はあったりするのだけれど…。
そして何よりも、このブログを読んで「あ、こいつらが作っているのなら大丈夫だろ」なんて、きっと、ほとんどの人は思うのだろうと、そう思ってくれと、願っているのだけれど…。

11件のコメント

  • combiさん、お久しぶりです。
    そうですね。合理的というか利己的というか。
    企業だけではなくて、例えば欧米の植民地だった発展途上国におけるボランティアの人たちも、そういった日本式ではない部分に苛立つようですね。
    マクドナルド店長の裁判がありましたが、ああいう就業時間はアメリカだとありえないのかもしれないですね。
    いつかは混じるという程度ではなくて、半分とかほとんど、になってしまうのでしょうね。
    食料みたいに。
    で、そのエンジンには毒は…以下自粛。

  • ご無沙汰してます。
    いやぁ、日本だけですよ、終業時間外に仕事もことを考えるのは・・・
    他の国なんて、学歴ではっきり仕事が分かれているところがほとんどですから、ホワイトカラーは手を汚さずに管理職になるのですよ。
    ですから、現場のことが全くわからないままに、出来もしないようなことを平気で現場に要求したりしますし、うまくいったら、指示を出したコイツラの手柄となり、失敗したら現場の責任にさせられてしまうのですよ。
    欧米ナイズされているところでは、就業時間が終わったら、やり掛けの仕事がいくらあろうとも、さっさと帰るのが普通ですから、最初の雇用契約が非常に大事になるのですよ。
    ヤツラ、雇用契約外のことは一切しませんからね。
    仮に上司が契約外の仕事を命じたら契約違反で訴えられて多額の賠償金をふんだくられるのがオチです。
    まぁ、そういった世界を相手に日本式を貫こうとしても、ほとんどの場合、半分もやらせることができればいいほうでしょうね。
    まぁ、規格のある大量生産品を中共みたいなところで作るが間違ってますがね。
    そうそう、一部のエンジンですが、完成車は日本国内組み立てにもかかわらず、中共製エンジンががトヨタ車には混じっているらしいですよ。
    いやー勇気ありますワ・・・

  • イタリアのシェスタとか、オーストラリアの日没後の就労禁止とか、ま、そのあたりは国柄というか、職業観というか。
    仕事より大切なものがある、という考え方は、それはそれで良いと思います。
    生産率が上がらなければ、生産台数を少なくすればいいだけの話、なんて思考だったり…。

  • 日本人は比較的まじめらしい。
    トヨタのUKに出張していた人が外国の労働者は仕事があるとわかっていてもしない・・・というか・・やる気を見せない傾向がある。
    本人の認識もアルけれど性格なのかお国柄なのか・・・話し込んでしまったりすることがおおいらしい。
    で・・・定時で仕事が終わらないのに帰る。
    なので・・・UKの生産率は良くないらしい。

  • 「忠臣蔵の時代なのだ」にてコメントへの返事とさせていただきます。
    その他の話題について
    >北斗星さんへ
    491台だと、100%の稼働率で残業30分ってなことでしょうね。
    もうタクトアップは出来ないとなると、残業しかない。となると、やっぱり臨出1回やったほうが楽なのかもしれないですね。
    土曜出勤1日、臨出1日、残業あり、だと給料はかなりになるでしょうけれど…。
    >通りすがりさんへ
    中流意識という中で大量消費の時代を送った日本ですから…。
    格差なし…。どうなんでしょうね。それでも格差なんてのは生じるのだろうし、必要なのはセーフティネットとか復活戦の場とかでしょうけれど。
    >xian_xianさんへ
    きっと中国人も日本人への憎悪感があったりするのでしょうね。
    ま、民間だけではなくて、自衛隊や外務省役人もその手の遊びはするそうで、ハニートラップにすぐ引っかかるのも日本人みたいだし…。
    ギョーザ問題でモラルなんてことは、日本人に言いたいよって思っている中国の人も多いのかも。

  • >通りすがりさん
    中国のエリートがキャリアアップで転職するのには各社困って居るようですね。
    欧米系の会社は中国の方と協調するのが上手だそうですが日系は欧米への劣等感を中国への優越感で補う傾向があるので。
    これは戦前から変わっていないようです。
    アイシンの中国某工場社長さんも他にやることが有るのでは?
    http://ameblo.jp/ogaone/entry-10046794854.html
    http://ameblo.jp/ogaone/entry-10044197094.html

  • RESありがとうございます。
    確かに北米では現地採用のライン工含めて日本の水準以上の
    給料を払っていると聞きます。やはり中国人は安い労働力と
    しか考えていないのかもしれません。
    ただ、あの中国工場社長の言っていた「ホワイトカラーだけの給料を上げるのではなく、現場も含めた全体的な底上げで
    平均給料を上げることが大切」というのは、いかにも格差社会を好まない、いかにも日本的発想だと思いました。
    今、中国だけでなく日本国内の優秀な技術者たちも次々に海外の企業にヘッドハンティングされているようです。
    こういう「格差なし、全員が平均点以上の会社になる」という日本的な、トヨタ的な発想はこれからの時代、どうなんでしょうか。
    他の方のコメントにあるように、トヨタは日本人気質の最大の美点である、「会社関係なく仕事には最大の努力を払う」
    という生真面目さ、誠実さによって品質を保っている会社だと思うの
    ですが、今後そういう日本人気質の美徳が失われたら・・・

  • 確かに仕事は真面目にやってるけど、でも、それは決められた作業手順に従ってやらされているだけで、ラインに乗ってしまえば、他にやりようがないですからね。
    自分なんかは、ホットタイムや、バス、そして寮での振舞いを見るたびに、こういう連中の作る車には乗りたくないと思ってしまいます。
    さて、2月に入り片直で491台という鬼のような生産目標になりましたね。しかも、一言も触れずに215は増えてるし…。
    初日の黄直は、設備故障で40分、トータルで90分近く停まりました。受け入れも塗装も追いつかないし、24時30分から15分間計画停止をしたうえで残業1時間という、ワケのわからない一日でした。
    まぁ、新車種を導入した年度にマイナスにするワケにはいかないから、お偉いさんたちも必死みたいですが、今のタクトでは、やればやるほどマイナスになるだけのような気が…。
    疲れだけがたまっていきます。

  • 前にもちょっと書いた事があると思うんですが、トヨタの期間工はかなり真面目ですよ
    それと相俟って、当然ながら仕事に対しても真面目なんですが、俺は責任感って言うよりも、作業者の個人的なプライドのようなものがそうさせてるような気がしています
    巧く伝えられないんですが、ぶっちゃけ、あんなつまんない仕事(面白く感じてる人、すいません)、なんらかの動機付けがないとやってられませんよね
    期間工の場合、それは満了金だったりするわけですが、それは長期の見方であって、1R、1日って短いスパンでの動機付けは、自工程でいかに早く、効率よく、不具合を出さずに仕事をするか…みたいな部分だと思うんですよね
    そして、当然それは決して会社(トヨタ)の為ではないわけで
    逆にトヨタ全体の事を考えて仕事をしてる期間工がいたら怖いですよ。変な話ですけどね

  • 通りすがりさん、こんばんは。
    中国ではそうなのかもしれませんが、北米では逆に日本人よりも高い賃金を払っているということもあるようで、どうも中国市場ってのを「安価な労働力」という視点から離れられないのではないのかと思っています。
    「郷に入れば」というのは、なんていうかTPSの否定ということも含まれると思うので、やっぱりあくまでトヨタ方式を貫くのでしょうね。
    賃金も、どうなんでしょう、基準をどこに置くかということもあるでしょうし。
    ま、期間従業員もそうですが、トヨタ(関連企業)は、貪欲ですよね。ヘッドハンティングされる、雇用があるから良いのですが、ボクたちのように、就職難の国内では、微妙なところで生かされているってことなんだろうと、思っています。
    ありがとうございました。

  • 今日の朝のNHK名古屋の特集で、「中国のホワイトカラーの
    確保に苦しむ日本の自動車部品企業」というレポートを見たんですが、その企業(アイシン)の中国某工場社長の喋っている内容と、中国のエリート大学を卒業してアイシンに入社した若い技術者たちの間には深くて越えられない溝があって
    本当に日本の中でも日本的な製造業であるトヨタ系とドライで
    カネにうるさい中国人気質のギャップを埋めるのは大変だと
    痛感しました。
    中国のエリート技術者たちは「とにかく自分の力を正当に評価してもらたい、その為には賃金アップしかない」
    ところが、このトヨタ系アイシン中国工場社長は「ホワイトカラーと現場で働く労働者との間に大きな賃金差があっては本当にいいモノヅクリはできない。現場あってこその製造業だ」
    トヨタ系はまさにこういう「現場の力」で伸びてきた企業
    なので、この社長の言うことはトヨタの声でもあると思いました。
    ところが、せっかくエリート大学を卒業したもののちっとも
    給料が上がらない中国の若い技術者たちは次々にヘッドハンティングされていって別の会社に転職していってしまう。
    本当は「郷に入れば郷に従う」のが大切なことなのに、あく
    まで日本式・トヨタ式を貫いてしまうこの社長。
    終業前のラジオ体操にしろ、トヨタって世界のどこに行って
    も日本にこだわってる会社なんだなと思いましたよ。
    いい意味でも悪い意味でも。

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