過労死裁判(2)
食堂にて…。
ボ「労災ってね、怪我とか事故とかなら因果関係がハッキリするけれど、病気とかはの健康障害ってちょっとそのあたりが難しいよね」
T「そうですよね、裁判になったり」
ボ「痛いとか痒いとかってのも、自覚症状だしね」
T「安全衛生の人なんてのは、見ただけで『なるほどこれは病気になるね』とか判断してるんでしょうね」
ボ「たぶん。それに労働基準局の役人なんかもねえ」
T「やってみなきゃ分からないですよね。それも少しの時間だけじゃなくて、1日とか2日とか、ま、一週間とか」
ボ「やらないだろ。てか、やれないだろ。1時間ライン乗っただけで、それこそ『労災だ~』なんて自分自身が認定申請するんじゃない」
T「ですよね。医者もそうでしょうし。個人の体力ってことも関係するのに、一律『これぐらい』ってのは適当すぎますよね」
ボ「例のあれだから」
T「あれって」
ボ「お役所仕事」
T「そうですよね。疲労度とかはものすごく個人差があるでしょうしね」
ボ「ああ、そう言えば疲労骨折ってのもあるそうで、その場合の因果関係を証明するってのは、かなり難しいかもね」
T「前日になにしてたかとかも関係するのかもしれないですね」
ボ「そうだろうね。それこそ残業時間とか、休日取得状況とか」
T「何をしていたとしても、現場で骨折したというのならば、まあ、分かりやすいですけれど、それが寮でとか、休日にとかだと、労災認定はかなり難しいかもしれないですね」
ボ「そうだねえ、嘘だってつけるわけだし。それに体質、特に骨質ってことも関係して来るだろうし。オレが折れなかったとしても、他の人は折れるってこともあるだろうしね」
T「難しいですねえ」
ボ「骨折とかじゃなくても、腱鞘炎、バネ指とか、腰痛なんて痛みとかは、ま、因果関係ってのはなんとか証明できても、ストレスからの内臓疾患なんてのは、神がかりかもしれないね」
T「会社も労災ってことを隠したがりますしね。そうなったら本当に神がかりでしょうね」
ボ「組合も同じだしね」
T「どうすれば良いんですかねえ」
ボ「骨折とかさあ、仕事中にわざとぶつかってしまえば確実だろうし、寮で折れたとしたら、グッと我慢して、ライン上で転んでどこかにぶつかるとか、ま、やれるもんなんら産業車両に当たるとかさあ」
T「確実に労災ですね」
ボ「他の痛みも、その手でいくしかないんじゃないの」
T「だれも助けてくれないんなら、自分でやらないとダメってことですねえ」
ボ「そうそう。自分の身は自分で守れ、だしね」
ボ「トヨタの組合って、トヨタ自動車の子会社になるって話しだしさあ。株式会社トヨタすまいるユニオン、とからしいし、噂だけれどね」
T「で、業務内容は?」
ボ「そりゃ決まってるじゃん、あれとかあれとか…ムニョムニョだろ」
T「ああ、××とか○○とか、アレとかかあ」