期間工の死

派遣法を労働者保護法に/共産党が立法提案/抜本改正を志位委員長発表
志位氏は、「不安定で非人間的な使い捨て労働を許していたら、働く人はもとより、日本の経済と社会の未来もない」とのべ、立法提案に貫かれている「二つの基本精神」を紹介しました。

「派遣労働は臨時的・一時的な業務に限定し、常用代替としてはならない」ということが、とても重要だと思います。だいたいトヨタにしても「期間」なんてことにして2年11ヶ月という期間が、その期間従業員の意味する「期間」とはまったく意味が異なる雇用形態になっていることが問題だと思います。
期間工というのは、半年、せいぜい1年間という旧労働基準法で定められていた契約期間だろうし、その半年間という期間が出稼ぎという働き方や、それを基にした農業や漁業への繋がりを可能にしていたのだろうと思います。雇用保険法が改正になって、短期雇用特例一時金が減額されるにいたっては、出稼ぎ労働者の切捨てか、という感じもしています。雇用保険法でも非正規雇用者イジメが始まったのです。
期間工がその本来の目的として存在していたのならば、その「使い捨て」はなにも企業側だけの特典ではなかったのですが、派遣法や短期雇用法、雇用保険法など全てが非正規雇用者にとって不利に改正されたと思います。そういう状況では、もう一方的に「使い捨て」られるのは労働者側になりました。それが「期間工の死」なのです。
3年間という長期間を、果たして期間工として雇用し続けていいのか、ということです。日給で1000円上がる(トヨタの場合ですが)というだけで納得する人もいるようですが、2年目からの雇用契約が1年間ということも、正規雇用者になるということを阻んでいるものだと思うのです。
問題は、その1年という期間というよりも、1年間は身動きできないということです。さらに、その自由を拘束しておきながら、2年11ヶ月という上限を設けるということが、いわゆる「使い捨て」ということなのだと思います。労働者側、期間工側になんら「期間」という権利も有しないのに呼び方だけが「期間工」なのです。
期間工は死んだのです。
初回契約時に4ヶ月と6ヶ月という選択はできる、という向きもいるかもしれません。しかしそれもどれほど期間工側に有利に働いているのだろうか、と考えるとかなり疑問なのです。それでは、その4ヶ月後あるいは6ヶ月後に延長する権利が期間工側にあるか、というと、答えは「NO」ですからね。

11 労働者派遣法の改正とは別に、労働基準法を改正します       
 大企業の製造現場では、派遣労働者を期間工として直接雇用しはじめていますが、雇用期間を最長二年十一カ月に制限することが常態化しています。これは、労働基準法が有期雇用契約の上限を三年にしていることと密接に関連しています。三年以内であれば、いつでも自由に雇い止め(事実上の解雇)ができるためです。こうした脱法行為を防止するために、労働基準法を改正し、期間の定めのある契約を制限します。

トヨタ自動車では1年間という契約期間を設定して、その間は解雇はないと思いますが、繰り返しになりますが、その1年間という長期間、満了金や慰労金で拘束して非正規雇用からの脱却を阻んでいるということも、問題だと思います。
2年11ヶ月もの長期間に渡って、この国の未来ある若者達を使い捨てているトヨタをはじめとする大企業が「日本の経済と社会の未来もない」ものにしているのかもしれないと考えています。特にその「期間工として直接雇用しはじめて」いるカメラ会社なんてのは、本当の意味での直接雇用を増やさないと、アレだろう、なんて思っているんだけれど。

これはメジロン。今年の国体のマスコット。今年はキャノン国体だからねえ。

2件のコメント

  • blank

    年配になるほど、そういう人が増えてくるってのもありますよね。ボクの知り合いもそうですよ。失業保険なんかもらわないで、すぐ来るとか言ってました。
    ま、仕事があるだけでも、って感じなんでしょうね。でも、60まで出来るかどうかが問題だなあ。それでも、いるか、50過ぎの人は何人かねえ。
    利用している、というバランスの問題だと思います。最長1年の時は、そのバランスが取れていたと思います。期間工を辞める踏ん切りみたいのもついたでしょうし、続けたいのなら再入社ってシステムもありましたしね。
    半年という期間で次の予定を組めていたのですが、今だと1年ごとの3年ということですから、若い人にとっては機会の損失になりかねないですしね。
    ま、おっしゃる通り、最低限のことも教えてくれないですから。それが居心地の良さにもなっている場合もあるしねえ。仕事さえ休まずに来てくれれば、なんてことですから。
    目的があって、そこに向うためには良いのですが、若い人が安易に給料が良いからという理由だけで働くとね。それこそなんのためにもならないだろうし。
    延長断われないという場合もあるだろうし…。
    明日からお出かけですか?雨は上がったのかな?

  • blank

    最近仲良く(でもないけど)なった48才のおじさんは、4年間期間従業員をやって昨年満了し、二か月後に再赴任したそうです。
    妻帯者ですが、使ってくれる限り期間従業員をやる、つまり最大60才までやるそうですよ。
    贅沢はできないけど、地元の家を家族にまかせ、多少の貯金もできる。年金受給資格まであと7年だから、それまで働ければ、あとは貯金を元手に小さな店をやるつもりだそうです。
    なるほど、そんなやり方もあるのかなと。この人の場合は、期間従業員制度をうまく活用している特殊な例かもしれませんね。でも、自分も三度目があるなら三年間やって、今度は貯金するつもりです。まだ自分で店をやる踏切りはつきませんが、規模を広げなければ老後でもできる仕事だし…ただ、仮設にあたったら貯金は無理ですが(笑)
    笠山さんの言うように、若者を安易に期間従業員として使い捨てにするのは問題ですよね。
    なんのスキルも、それどころか社会人としての最低限のマナーやモラルも身につかず、それどころか、決められた手順どおりにしか仕事のできない「社会的不具者」にされてしまう。
    若者よ、安易に期間従業員などやるのはやめましょう。キツくても、ラーメン屋の方がよっぽど自分のためになりますよ(笑)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA