汚染米
ホッチキスが来て栗を剥いて帰った。
ボクの口に入るのではなくて、あくまでのホッチキスんちの食卓用の栗で、その晩には栗ご飯になったそうだ。ボクは包丁で剥いたのだけれど、栗剥き器というハサミのような専用器具があって、それを使って剥いたいたのだけれど、どうもチマチマしていて見ているだけで疲れてしまう。見ていない、ようするに使用者は、きっとそのチマチマに疲れるのだろうと思う。
ボクの風邪はその栗剥きの日から回復していったのだけれど、まだ喉が痛かったり咳込んだりで完治しなくて、一週間という長期間に渡って服薬してゴロゴロしている、という前代未聞のキッパリとした病人となっている。
そう言えば去年も夏の終わりに風邪を引いてしまって、その時は仕事を休み事もなくてなんとか治したのだけれど、今年はなんとも…。
オレが撮ったらこんなものでしかないのだよ、運命なんてさ。
風邪も治るちょっと前といった感じで、昨日買ったばかりの風邪薬は、結局余ってしまって、それも26包入りのを買ったので、「あ~、10包入りにしとけばよかったよ」なんて後悔している。
その余った薬ともらった薬を飲んだのだけれど、去年の余った薬はまた今年も余ってしまったのだけれど、きっとまたすぐに出番が来るように感じている。そんな予感がする。身体が前とは違う感じ。なんというか、回復力がなくなったというか…。
こんな時に栗を剥かなくても良いのではないかと思った。というか意味が分からなかったのだけれど、栗を剥くという風景はどことなく懐かしい感じがしたし、ボク自身、この数年栗を剥いた記憶もなかったし、栗に接したという記憶もなかった。ということをあらためて考えていたら、随分と貴重な時間のように感じた。
その間、ボクたちは栗の話や汚染米の話、とか、ボクの喉の腫れもそんな食べ物を経由して感染したのだろうか、という話になって、なんでもかんでも口にしていると喉が痛くなるよ、という、ま、汚染女、汚染男の話をしたりした。
季節は確実に秋になっていて、日中の気温は30度を超えるとしても、それはもう料理雑誌の中のフランス料理みたいなもので、「そういえばあれは美味しかったよね」なんて感じの追憶となっては、平面の事象でしかないもののように感じた。ボクたちの行っていた栗を剥くという行為、その随分と複雑な行為が、気温を引き下げているようでもあった。
ボクは微妙な感じがしていた。少しまだ熱っぽい身体と痛む喉と、薬によって、実はボクたちが、もうほとんど何十年前から同じことを繰り返しているという錯覚みたいなものを、感じていた。
案外、そんなものかもしれないと思ったりもした。
「なんで栗なんか持ってくるんだよ」とボクはすっかり剥いてしまったあとに、少しイライラしながら言った。もうすっかり剥いてしまっていたのだけれど、行為の最中というのは、ほとんどの場合は、行為に熱中していて、善悪の判断なんてのはつかないものだし、ほとんどの場合は、その行為だけが行為として存在するのだろう、と思う。
「なんでって?剥いてくれると思ったからね」なんてことを言った。
そしてその通りになった。
そう言いながら、剥いた栗をタッパウェアに入れて、全て持ち帰った。栗の残骸だけが、ボクの枕の30センチほどの所に残ってしまっていた。
「じゃあね」とホッチキスは帰って行った。
ボクは栗ご飯の想像をした。オコワにしなくてもいいけれど、栗は多めのほうがいいよねえ、なんて考えていた。
味や香りや熱さや重さみたいなものが、かなり現実的に感じられた。
今まで食べた中で一番おいしい栗ごはんのように感じた。
そんなものかもしれないと思った。きっとそうなのだろうと。
>考え中さんへ
洒落たヤツは、定食で1000円は超えたり、高いですよ。この店だと1000円とか1200円かなあ。
家庭で作るほうが珍しくなっているのかもしれませんね。ダンゴ作るのが面倒だし…。
>まことさんへ
もう行かないのですか。
また行かれるのかと思って読んでいましたが・・・。
馬刺しは食べましたか?
いろいろな部位があって、たて髪の部分とか美味しいんですよ。馬ホルモンとか普通にあるし。というか、熊本ではホルモンと言えば馬のですしね。
一度食べられると、また違った熊本になるかも、なんて思っています。
>渡久米さんへ
おひさしぶりですね。
ありがとうございます。
ま、あの頃は、みなさん気が立っている時期だったし…。そのはけ口になったのかもしれないし…。どうなんだろうなあ…。
>しおまるさんへ
そうですね。とにかくそういう恐怖心はありますよね。寮にいる時も、そう思いました。平日は職場から連絡あるだろうけれど、休日はねえ。
動けたとしても、食事が面倒になって、そして栄養不足とかね。それはお気を付けになってください。栄養素の問題もあるのだろうし…。
ありがとうございます。
>ぐるりんさんへ
風邪はなかなか治らないで、昨日も動けないほど咳込んで…。もう少しなんだけれど、このもう少しが長引きそうです。
ありがとうございます。
風邪治りましたか。
ブログなんか書いてないで寝ないとダメだよ。
薬は大事です。医者からすれば「残っていた薬」なんて捨てろと怒られそうですが、今回ぎっくり腰になって頼れるものは残っていた薬とシップしかありませんでした。今回も薬は残してあります。特に一人暮らしでぎっくり腰になるともうどうしようもありません。本当に動けない。体は大事にしましょう。
風邪お大事に。このブログが以前のような平穏さを取り戻してよかったです。
馬刺しって書いてあるのを見たとたん
ああ、熊本だって感動ですね
もう二度と行くことはないのかな
切なさと寂しさとひと夏だけの想い
でもいったことのない地に行かせてもらえただけ
良かったかなと。。。
生きてる間だけです
死んでしまうまえにまだしなきゃいけないことが
いくつかあります。
それさえ終わってしまえば悔いなしって言いたいところですが、悔いだらけです。。。
だご汁は庶民の味方だ。(笑)
家庭の味も、定食屋さんで食べれる時代。
って、いくらで出してんだろ?、洒落た奴とか?。