雨でしたね。
朝から体調が悪くて寝ていました。ま、そのことはいいのですが。
「OUTWARD」というmont-bellの会員向けの雑誌があります。表紙の写真にはいつもい岩合光昭さんの動物写真が掲載されていて、それを楽しみにしている人も多いと思います。ボクもそのひとりです。今回はアフリカのシマウマ。子供のシマウマが川を渡っている写真です。
そのOUTWARDのスペシャルインタビューは「『バカの壁ハウス』に養老孟司氏を訪ねる。」というタイトルでした。その中で養老先生が言ったのがタイトル「甲虫事故」です。
一台の車が廃車になるまでに「1千万の桁」の虫を殺すという計算をした人がいて、中でも養老先生が集めている甲虫類が一番多く、それで「甲虫事故」という言葉を思いついたそうです。
確かに夏の夜にはフロントガラスに虫たちの亡骸がいっぱい着いて、ワイパーで洗い流したりしました。その付着した汚れを取り除くスプレーなんてのも売っていましたが、今はどうなんでしょうね。
虫嫌いな人も多いですしね。というか虫を排除する生活、それが都会の生活なのでしょうね。「虫はもう細々、かろうじて生きているという感じなんですよ」と養老先生が言うように、他の野生動物や植物と同じく、人から住むところを追われて行き場をなくしているのでしょう。そういった「大量虐殺」がおこなわれているのだから、絶滅するのも時間の問題なのかもしれません。
環境は常に温暖化の問題として扱われます。その温暖化は、自動車では排ガスをいかに軽減するかということに関わる言説だけが行われているように思います。税制にしても優遇を受けるのは排出ガスを低減できた車ですから。そしてそれが燃料の問題になる。
思うのですが、グリーン税制なんて言うのなら、優遇されなければならないのは自動車そのものではなくて、その個々の自動車の年間総排出ガス量ではないのかと。そして最も厚遇されなければならないのはそれが0の人、車に乗らない人であるべきだろうと。
そのへんは全く無視して、それどころか高速道路を1000円にし総排出ガス量を増加させるというについては、ブラック税を徴収して帳尻を合わせるのでしょうか。
確かに内需拡大のため、経済のためには、鉄道を1000円乗り放題にするということよりは、効率が良いのでしょう。資本主義とか市場経済とか言っていますけれど、自動車主義、自動車経済国家ですから、とにかく自動車に絡めての景気対策を行うのが、効率的効果的なのでしょうね。
「甲虫事故」だけではありません、人身事故も約1％、100台に1台の車が人を傷つけています。（※1）
もう自動車なしには人は生きていけないのでしょう。裸では生活できないように。ただ、その自動車偏重主義にあまりにも重心を置きすぎると、国も地球も傾いて転覆してしまうのだろうと思います。経済だけではなくて、環境問題もです。そのことは誰もが気づいているのでしょうが…。
この数日「自動車バブルは必ずきます」ということでエントリーしてきたのですが、内需拡大の病、常に肥え太らなければならないという病、思想から抜け出すことが求められているのだろうと思います。ただ、ボクにはどうにもならない問題で、戯言みたいなもんなんですけれど…。
OUTWARDのインタビューは「日本型企業経営の美徳」それから「石油文明は20世紀の文明だ」なんて話になります。「将来の石油代替エネルギーとして木材を備蓄する」なんてこともあります。
利益から一歩引いて考えると、実行可能なアイデアがあると思いました。
非売品なので、読みたい方は近くのモンベルショップへ。
（※1）以下のサイトを元に算出しました。
平成20年度中の交通事故者数について
自動車保有台数

モンベル U.L.ドームシェルター