自殺未遂者をどう支援するか
『自殺と向き合う(2)自殺未遂者をどう支援するか』を見ました。
「理性的な判断による自殺はない」と番組で言っていましたが、きっとそうでしょうね。なにか見えないものにとり憑かれて身動きできなくなる。
『ツレがウツになりまして』でもフラフラと屋上にやって来て、はるか下の路上、地面の底を覗き込んでいる。そして誰かに声をかけられると、ハッと我に返る、という原田泰三さん演じるツレの、何かに憑依されたとしか思えない行動が何度かありました。
自分で自分の理性をコントロール出来なくなる、というか、自分の行動を自分が抑制できなくなるのでしょう。
そして「興味関心が起こらなくなる」。自殺した男性の場合は、それまで毎日のように通っていた居酒屋にも行かなくなりました。また食欲もなくなったり、興味関心どころか、生きるために必要な欲望さえも喪失してゆく。そして「精神的に疲れたら、自力でいろいろするのが難しくなる」。
どうしてハローワークの住宅支援を受けなかったのか、とか、市役所へ行って生活保護申請をしなかったのか、などと言う人がいますが、それが難しい。「いろいろするのが難しくなる」のも精神疾患の小乗ですから。そこが分かっていない人が多いように思います。
下の図は昨日の番組の中で使われていた図を思い出しながら再現してみたものです。
ある日突然自殺するのでしょうか?
いえ、自殺は「ある日突然なにもないところから起こらない」のでしょう。
その手前にいろいろなことが起こる。
失業、リストラ、就職活動不採用、借金、離婚、引越し…。
マイナス要因が複合して、精神的に疲れてくる。そして精神疾患を患い、そして視野狭窄になり自殺ということしか考えられなくなるのでしょうね。その手前でサポートがあれば、多くは立ち直ることもできるのでしょう。
家族や恋人、そして職業があって同僚がいて上司がいれば、変化に気付くのでしょうが、失業者、それも派遣社員として知らない街でひとり暮らしていた男性のような人たちには、精神疾患に気付く人も、ましてサポートする人も近くにいなかったのでしょう。
非正規雇用という寄る辺なき働き方
終身雇用というのは、そういったセーフティネットとしても実効性があるのでしょう。途中で自殺などしないで終われる人生ということ。異変があったら、それを誰かが気付いてあげられる濃厚な人間関係。上司、部下、同僚、家族…。
非正規雇用は、企業との関係も含めて、全ての関係が希薄な生き方になります。誰に雇用されているのか実体もなかったりしますからね。雇うほうもそうでしょう。だから「切る」なんて表現で裏切られる。知らない街でひとり暮らすということは、例えば職場での関係がなくなれば、孤児だということですから。そして誰にも話すことなく、誰も話してくれることもなく、孤独死してゆく。
それが中高年の派遣社員、期間工問題なのです。
63歳、ネットで誰かに語ることもなかったのでしょうね。完全なる孤独。たぶん、ほとんどの人はそれがいったいどういうことなのか、知らないと思います。
自殺未遂をどう支援するか
今日の放送内容は「自殺未遂者をどう支援するか」でした。
「自殺未遂者への精神科医療と社会的支援を連携させ、先進的な取り組みを行っている岩手医科大学付属病院の高度救命救急センターに密着」という放送内容でした。
自殺をさせないためには、やはりサポートをいかにきめ細かく出来るかだと感じました。それはなにもそういうことに関わっている人たちだけではなくて、ごく普通に悩みが出来たら相談できるような場所が必要なのだろうと思います。そしてそういう場所に話を聞いてくれる人たちがいることが大切だと思います。
治療を受けられやすい環境
医療は確かに高度に発達しました。人は死ににくくなったといえるでしょう。ところが、逆に人は簡単に死んでしまっています。3万人もの人が亡くなっているのですから。さらに自殺未遂者も含むと、世界は生きにくくなっているとも言えます。
精神疾患という病気を、早期発見早期治療できるシステムが整っていないのでしょう。自殺未遂者の多くは、自殺を図った時点で精神疾患だったそうです。そのうち4割が精神科の治療なしという事実もまた、この国の社会福祉の歪なのだろうと思っています。
例えば、その病気を正々堂々と言えないのだから。例えば、病気だと自覚症状があっても、どうすればいいのか分からないのだから。そして分かったとしても、生活保護の相談と同じように「なまけているんだろ」とか「仕事しなさい」と言われる。
治療できる人たち
社会福祉・ソーシャルワークという制度が未発達のまま、介護や自殺という問題だけが膨張していったのでしょうね。そういった部分を重要視しなかった。大好きな精神論で救えると思った。そして介護の問題が起きて、この10年で30万人以上もの人が自殺する。
正常ですか?
ハローワークにも社会福祉関係の求人があります。人の死を扱う仕事です。社会福祉主事、社会福祉士、精神保険福祉士なんて資格が要るという条件で、月収13万円なんてところもあります。
その金額で医者を雇えますか?いえ、看護師さえ雇えないでしょう。ところが社会福祉士は堂々と雇える。おかしくないですか?そこが、この国の福祉の現状なのですよ。
救う人を救えない国
自殺者は増える、それをケアする人たちは粗末にする。それでは誰がその人たちを救うのでしょうか。いえ、救う人がいないから、3万人もの人が首を吊り、手首を切り、あるいはビルから飛び降り、海に飛び込み、死んでゆくのだろうと思います。
いえ、救ってくもらわなくても良いのですよ。どうせ良いことがない国なのだから、せめて死んでその苦しみから逃れる、そう思うことはなにも精神が病んでいるわけではなくて、とても正常のことのように思います。生きてることが素晴らしいことではないのだから。食べて寝て呼吸して、それだけの人生に何の意味があるのか。
そういう気持ちまでも大量生産してしまったのだから、今さら自殺者を減らそうなんて、ムダなことなのかもしれません。そして今後も貧困や孤独を大量生産して、首吊りまでラインに乗せるシステムは稼動するのでしょうね。それが経済というこの国の神様の思し召しなのだから。
これは極端な例としても、だいたい25万円が上限みたいですね。平均17万ぐらいでしょうか。
負けないさん、こんにちは。
そうですね。
ま、それでも、給料が安くても、って思ったりするのですが、やっぱりその身分というか、待遇というか、条件と言うか、そこだけでも改善できればねえ。
本当に困っている人は、行けなかったりするのでしょうね。その500円も行ける勇気ってのも必要でしょうし。やっぱり炊き出しみたいなことのほうが大切なのかなあ、なんてことも思ったりします。シェルターとかの宿泊施設なんてのも。
ま、見た目で精神状況は分からないのですけれど…。
で、どこの市なんだろう。
ケースワーカーさんは本当に大変そうですよ。
資格を取るために学校いった割には給料安く患者の不平、不満、グチばかり聞いて結局医療費払わない人が多いのが現状です。
知り合いのベテランケースワーカーさんは「若いときに道楽して最後は生活保護受けるのが賢い生き方」と言っていたのを思い出しました。
この仕事していると本当に生活保護必要としているの?という人ばかりです。
でもきっと本当に困って自分ではどうしたらいいかもわからず自殺してしまうのでしょうか?
ちなみに私の住んでいる市は市役所にいくと「帰宅困難者にたいする帰宅費」といって一回行くと500円くれます。
養成校さん、こんばんは。
そうでしたか。
地鳴りですか。そういうのは聞いた事がないですね。
被害はなかったのでしょうか。ちょっと今日はニュースも見てないもので…。
今筑後地方で地震がありました。
気象台の発表では、震度4でしたが体感的には震度2位
だったですね。地鳴りがしておもしろかったです。笠山さんは
どうだったですか。あまりこわくなかったですよね。
もっさん、こんにちは。
そうですね。相談援助ということの必要性をこの番組で認識したというか、やっぱりそれなしでは3万人から減らないと思いました。
市役所や、ま、法的な場所は、扱いが荒いですもんね。書いたように「全てなくなってから相談に来てください」とか平気で言うから…。
なるほどそういうしがらみがあるのですね。
その力学なのでしょうね。資格なしの、たとえば精神サポートボランティアなんてのがあってもいいとも思いましたが、逆に、へんな回答して、それが引き金になって自傷行為に、ってこともあるだろうし、なんて考えると、確かに難しい領域ではなるのですが…。
精神科といのも少なくなっているのではないのですか。この街の私立病院も精神科が閉鎖されましたけれど。これもコストってやつなのかなあ、なんて思ったのですが。
介護関係は、ほんと資格資格言うわりには、資格が報われない職種だなあ、とハロワの求人票を見て感じました。
やはり医療のあり方に対する意識がちょっとおかしいのかなあ、と思っています。治療医療を優先して、予防医療を粗末にしているというか。(そういう表現があるかどうか分かりませんが)
ありがとうございました。
一応社会福祉士の資格保持者のもっさんです
社会福祉士は本来は相談援助業務が仕事なんですが
実際は資格保持者の半数以上は障害者施設などの現場で直接の援助職員として働いているのが現状です。
10万人の資格保持者が何らかの相談援助の仕事につければ
今起こっている様々な問題に少しでもましな対応ができるんですが・・・・・
そんな状態を横目に、うつ病などメンタル面のカウンセリングを専門にする、医療福祉士?(と思うのですが)という
専門の国家資格を作ろうとして、今までの本職である臨床心理士から猛反発をくらって途中で話が止まっています。
一見、医療福祉士の資格創設はいいことのように聞こえるんですが、今まで臨床心理士が大学院まで6年の過程を経て知識と臨床を積んだわりに、働く職場が極端に少なかったのは
精神科医を中心として医師会が自分達の領域を侵す可能性のある大学院出の臨床心理士を雇いたがらない現実があって
しかし今度の医療福祉士は4年制の大学(おそらく倒産寸前の3流私大でも)出でよく、職務は完全に医療職の下につかないといけない立場
患者やクライアントの立場ではない
なんとかの力学が資格にまで影響してるんですから・・・・
上記の求人
関西でもあのレベルよりは2~3割増し程度の求人が
多いですね。まあ18万より上の求人は三分の一程度
と思います。関東圏が求人や募集レベルで他を引き離し
ているのが現状(とはいえ低いレベルですが)です。
社会福祉士は公務員に就職しない食えないという人もいます。独立社会福祉士の制度をつくったりと社会福祉士会も
なんとかがんばってるんですが・・・・
ちなみに精神保健福祉士は精神障害の現場に必置なので
社会福祉士よりは弱干地位は安定しているんですが、薄給
はあまり変わらずですね。
風邪引きで書き込んだので文章がおかしかったらすみません
>常連さんへ
ですよね。
求人票を見るたびに、なめてんな、と思います。
例に挙げたのも臨時ですよ。それで13万円ですから。
「子育て応援求人」というのは、子育てで休む人のために、13万円で働いて、ということなんでしょうね。
それもおかしくないですか?それなら同じだけ出すものだと思いますが。市役所の臨時職員の応募もそういうものがありますよね。
そんなもんなんでしょうね。一方で優遇されている人がいて、その影では泣いているひともいる。子供を育てるために、子供を産めない人が増える。チャラですよね。
>痛風さんへ
暑くなったので、癒着すると、また膿んだり痛んだりだろうと思っていました。
そうですね「生きているだけで丸儲け」なんてのもありますよね。生きるのに借金しなければならなくても。
ボクもそう思いました。自殺で3万人、他殺や過労死という業務上ともいえる人殺しを入れると、けっこう減りますよね。豚インフルなんて騒ぎじゃないのに。
国もですが、それに関わる人たち、役所は法律関係なんて人たちの緩さと言ったら、前にも書きましたが、スッテンテンになって生活保護申請に来てくださいね、なんてことですし…。だから死を選ぶってことが分かってないですもんね。
失くすことがどれほどの恐怖かということも。
こんばんわ。
とりあえず元気にしてます。精神は病んでるかもしれませんが。
自殺を止める言葉で、「死ぬ気になれば何でも出来るだろ」なんてのがありますが、何にも出来ないから死にたくなるんじゃないの?って思ったりします。
同様に「家族や知り合いが悲しむでしょ」なんて言われたりもしますが、辛くて辛くて仕方が無いのに、このうえ他の人を喜ばせなきゃならんのかと、鞭を打たれた気分になります。
それはそうと、この国は本当は人口を減らしたいんでしょうね。福祉なんてポーズで。
本音は自殺を奨励したい。そう思えてなりません。
こちらのハロワでも社会福祉主事、社会福祉士、精神保険福祉士の資格有りで社会福祉関係の求人あります。
しかしその資格を取得する大変さ(カリキュラムと試験を見ただけでウンザリする量)とは反比例する給料の安さ。
そして大抵の場合一年契約の非常勤です。
そしてもうひとつ言うなら、定員一名で大概女しか雇いません。
男は身体をすり減らさないと生きていけなくなってるのです。
疲れますね。