労働組合は有効か
昨日につづき「派遣法改正」のことについて。
しんぶん赤旗に「派遣法改悪案を閣議決定 期間制限を撤廃 正社員ゼロ狙う」という見出しで、分かりやすいイラストによって説明されている。(下にそのイラストを掲載しました)
改悪後のAさんの場合は「派遣先の同一の事業所における派遣労働者の受入れは3年を上限とする。それを超えて受け入れるためには、過半数労働組合等からの意見聴取が必要。意見があった場合には対応方針等の説明義務を課す」だけで、永遠に派遣社員として雇用され続けられるのです。
「過半数労働組合からの意見聴取が必要」というだけで、昨日も書いたのだが、労働組合が派遣労働者の味方ではないのだから、制限がかかるどころか無制限化を助長することになる。派遣労働者の全業種無期限化ということではわかりやすといえばわかりやすいのだ。
赤旗で「延長する手続きも労働組合などから意見を聞くだけでよく、反対されても従う義務はまったくありません」と言及されている通り、たとえ労働組合が反対したところで「対応方針などの説明義務を課す」だけでなのだ。
「厚生労働大臣は労働者派遣法の運用に当たり、派遣就業が臨時的・一時的なものであることを原則とするとの考え方を考慮する」なんてわけのわからない日本語を使って、3年もの間「臨時的・一時的」に国民を非正規として扱い、さらにまた、役立たずの労働組合から「意見聴取」だけで「臨時的・一時的」に非正規として差別を続けるということが、本当に正しいことなのだろうか?
3年や6年という長期間がいつから「臨時的・一時的」という意味を持つようになったのだ。正義も失われたが日本語の意味も失われたのか?
企業も、そして労働組合も、もうとっくの昔に正義なんてものどこかに置き去りにしてしまっていて、自己利益だけを追求する不正義の集団に成り下がっているのではないのか。そういった集団に「意見聴取」するなんてことが有効かどうかなんて、サルでもわかりそうなことを、平気で法律にうたってしまう無神経さと非常識さに悲しくなってしまう。
労働組合が有効に機能して、そしてキチンと正義を勇敢に行使していれば、例えばトヨタ自動車のように、平気で「期間従業員」なんてこれまた「臨時的・一時的」な非正規労働者を常用代替し若者の人生を狂わせるような危険な行為は、なくなっていたのではないのか。
赤旗の書く『改悪案では、「雇用慣行が損なわれるおそれがあるときは速やかに検討する」との文言が加えられました。「常用代替」の危険性を認めたに等しいものです』なんてのことは、もうすでに行われていて「多様な働き方」なんて美辞麗句によって若者が使い捨てられているのだ。
労働組合が利己よりも利他、不正義よりは正義に、有効に機能しない限り、当たり前の姿に戻らないかぎり、この国の未来はない。300円の賃上げで嬉々としている陳腐極まりない集団としか、ボクには思えないのだ。
おはようございます。本当にそうですよね。「潔癖、正直、清潔、正義」という言葉を、この国に、蘇らせたいです。