株価上昇、実感しますか?

日経平均株価がおよそ15年ぶりに1万9000円台を回復したそうだ。アベノミクス効果なのか、春だからなのか…。

ということで微妙なアンケートシリーズ、タクシー運転手8人に聞いた(相変わらず微妙やなあ)「株価上昇、景気が良くなっていることを実感しますか?」
微妙なアンケートシリーズ「株価上昇、景気が良くなっていることを実感しますか」

まったく感じない・・・75%(6人)
感じない・・・・・・・12.5%(1人)
少し感じる・・・・・・12.5%(1人)

「バブルの時がなつかしい」という年配のドライバーの声があったのだけれど、あの時とは「ぜんぜん違う」そうだ。

「株価が値上がりしたのは、春闘の集中回答日を来週に控えるなか、企業の間で賃上げの動きが広がれば個人消費の回復につながるという期待感が広がっているのに加え、年金基金などの機関投資家が今後も株式への投資を増やすという見方から、海外の投資家を中心に買い注文が増えていることによるものです」とはNHKニュースでの解説なのだけれど、個人消費の回復の期待感と海外投資家の買い注文増加での値上がりなのだから、実感できなくて当然なのだろう。

賃上げになったとしても、個人消費がそのまま消費へと繋がるかというと、これも微妙で、長かった冬に冷え込んだ消費は、そう簡単に春を迎えるなんてことはなくて、デフレの後遺症を相変わらず引き摺ったまま、消費はベア分回復する、なんてことはないのだろうというのが、多くのタクシー運転手の予想なのだ。

豊橋市や田原市のようなトヨタ自動車の城下町では「賃金は高いけれどドケチ」というのがトヨタ社員評で、期間従業員は独身の社員は別として、既婚者は家や車のローンがあるのだろう、財布の紐は締まりっぱなしのように感じる。週末のユニクロやスーパーの売り出しの行列がそれを物語っている、という見方も…。

田原市内においては、パチンコや風俗店、タクシーを利用するのはほとんどトヨタの社員と期間従業員、という話もある。確かに豊橋市内に来る期間従業員や派遣社員は増えているように感じるのだけれど、これは彼/彼女たちの雇用期間と関係していて、雇用期間が長くなればなるほど散財する非正規社員が多いという理由からだ。

賃金の上昇よりも、長期雇用という安心感が非正規社員の消費を増やす。3か月や半年なんて短期雇用では、すべて貯蓄し、次の就職活動や失業期間に備えるという防御行動にうつる。長期雇用が非正規社員を刹那的にする。リーマンショック時に社会問題化した派遣切りによる混乱は、その前の法改正と好景気による長期雇用によるものだ。

まあ、とにかく、この株価の上昇がボクたちに還ってくる日は、まだまだ先、というか、来るのだろうか、なんて静まり返った豊橋、広小路で考えているのだ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA