梅一輪いちりんほどの暖かさ

向山公園に行った。梅は五分咲き、人も五部入り、オレは八分酔い…。

ふらふらと歩いている。満開よりもこれぐらいが良い。花も「これでもか」と自己主張するよりも「すみません」なんて謙虚さのなかにあるほうがいい。名物にうまいものなし、なんてことが言われるが、名所に趣なしというのが最近の観光地事情のように感じる。花の名所にしてもしかり。数を競う。足元の一輪の花を踏みにじみ、名所の花をありがたがる。こういうのも権威主義というのだ。

誰が門ややみに匂いの梅白し(井月)

美味い日本酒が手に入って昨夜2合、今朝も2合飲んだ。そのあと少し寝て、お昼前に起きだして風呂に入った。これでは庄助だ。お腹が空いたのでご飯を炊いた。卵かけごはんを食べた。そうして午後からまた飲んで、向山に行った。

春の日や小半酒も花心(井月)

ボクもそうなのだけれど、多くは花を見ているのか写真を撮っているのか分からない。まあ、それはそれで良いのかもしれない。ボクなどはカメラを持っていなければ、危険ドラッグをやっている不審者と思われるかもしれないし。最近はちょっとしたことで不審者にされてしまう。

酔っていたのでピントが合っているかが心配だった。燗酒をポットに入れて持ってくれば良かった。そう思ったところで寒くなったので引き返した。

いつもは梅園の東屋に寝ているホームレスのおじさんは、桜の公園のほうのトイレのところで寝ていた。彼らにとって花も迷惑なのだろう。さてと寝るか。眠れる場所のあることだけでも幸せなのかもなあ…。

2015年 向山の梅

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA