イスラム国と女子大生

朝5時に目がさめたのは、寒さのせいだったのだけれど、人質になっていた後藤さんのことが気になってネットニュースを見た。YouTubeで検索して例の動画を見た。いつもの手口だ。たぶん、ほとんどの人はボクと同じような感じだったと思う。「やっぱり」なんて思ったはずだ。解放されるなんて思っている人は、よほど、のん気な人に違いない。

戦場とはそういうことだ。戦争とは合法的に人を殺すことなのだろうし、戦場とは人が殺し合う場所なんだから、そこに足を踏み入れるということは、生きるか死ぬか、いや死ぬのが当たり前の空間なわけだ。「殺害されない」なんてことは、ない、のだ。だから「やっぱりね」と多くの人が思っている。だよね?

ふと、女性を殺害した名古屋の女子大生のことを考えた。

「人を殺してみたかった」、それほど異常なことでもないように思う。

「どうして人を殺したらダメなんですか?」

こんな質問にどう答えればいいのだろうか…。法律で禁止されているから、なんてことは抑止力になるにしても、その質問の回答にはならない。世の中には法律で禁止されていることを平気でやる人が多い。それに毎日毎日人殺しが起こっている。自動車事故だってそうだ。

「合法的」だとすれば、ダメではなくなる、としたら、彼女の言う『「殺したい」人はいないけど「殺してみたい」人は沢山いる』のだから、それは実行される。「日常を失わずに殺人を楽しめる」こともできる。

そうあの国に行けば「日常を失わずに殺人を楽しめる」のだ。

人を殺す、という行為はそれほど異常なことではないのではか?

例えば魚釣りとかハンティングとかと同じレベルなのではないのか?

そしてそれが快感と繋がる。

ガツンと骨に当った。俺の手に当ったそのガツンは、なんともはや、いやな感じだった。ドジを踏んで俺はあわてて、もう一度、軍刀を振りあげた。そのとき、奇怪な恍惚感を伴った戦慄が俺の肉体を貫いた。俺は射精をしていた。

高見順の「いやな感じ」、中国人捕虜を処刑する場面だ。

あ~快感。

薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」の場面だ。

奪うことは気持ち良いことなのだ。それが高価なものかけがえのないものだとすると、一層その快感が高まる。ガツン…。
70億人の0.1%の人が、彼女の言う「理想」をどこかで求めているとしたら。きっと狂気の集団の目的もそこにあるのかもしれない。そこが理想郷なのだ。

イスラム国の女子大生

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