そして雨の九月

南瓜を煮た。

朝からの雨は止むことなく夜をむかえた。狭い部屋の空間は洗濯物で占領されてしまっている。間の悪いことにシーツまで洗ったので、占領というよりも占拠されてしまっては、その下でボクは押し潰されそうになっている。空間もだけれど時間も短く感じる。

去年は水不足、今年は日照不足、それでも9月はやってきて、なにがなんでも秋を連れてくる。季節は変わるのだけれど相変わらずボクたちの生活は変わりなくゼンマイ仕掛けの日々は過ぎてゆく。それはきっと良いことなのだろうと思うのだけれど、うんざりもする。

その日照不足のせいだろう野菜の価格が高い。夏の初めは30円だったキュウリが100円ほどしていて、「100円出すなら」なんて考えてしまって、野菜ジュースを買った。冷蔵庫にはキュウリのために買った「つけてみそ」が、そんな主人の薄情さに出番をなくしてしまっている。

最近はコンビニでもカット野菜が売られていたりして、それを買うことが多くなっている。野菜も魚と同じように切り身にして売られるようになって、「三枚に下ろせない」ようなことになるのかなあ、なんて思っている。それでも個食化がすすんでそのほうが便利だったり、あるいは調理することもなくなってワタミやヨシケイのような宅食で生きる人が多くなって、野菜の名前も忘れられるのかもしれないと思ったりしているのだけれど、そんなことはないか。

そんなことを考えながら南瓜を煮た。あの夏のニオイがした。

南瓜を煮た

9月1日に書いたものを今頃UPしたんだけれど、それほど忙しかったというよりも、なんとなく時間が過ぎ去ってしまったというか。たっぷりと時間はあるとしても、なんだか余裕がない毎日だなあ…。

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